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56日目:公的年金と企業年金

56日目は、公的年金と企業年金の要点整理と一問一答を行っていきます。


7️⃣公的年金

公的年金は、国民全員が加入する国民年金と、会社員や公務員がそれに上乗せして加入する厚生年金があります。国民年金と厚生年金は、それぞれ、老齢年金、障害年金、遺族年金の3つから構成されています。

老齢基礎年金

老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上(平成29年7月31日以前は25年以上)の人が65歳以上になった時から、受け取ることが出来ます。受給資格期間とは、老齢基礎年金を受け取るために満たされなければいけない期間をいいます。期間は3つに分けられます。

  1. 保険料納付済期間: 被保険者として保険料を納付した期間及び、産前産後期間の保険料を免除された期間をいいます。

  2. 保険料免除期間: 法廷免除や学生納付特例制度などで、保険料を免除された期間をいいます。

  3. 合算対象期間(カラ期間): 受給資格期間には反映されるが、実際の年金の額には反映されない期間をいいます。かつて年金が強制ではなく任意加入制度だったときに、加入しなかった期間です。

老齢基礎年金の年金額(年額)は780,100円(平成31年度)です。ただし免除期間等がある人はこの金額よりも少なくなります。また端数処理は1円未満を四捨五入します。

老齢厚生年金

厚生年金から支給される老齢給付の内、60から64歳までに支給される老齢給付を特別給付の老齢厚生年金、65歳以上に支給される老齢給付を老齢厚生年金といいます。特別支給の老齢厚生年金は、定額部分(加入期間に応じた金額)と報酬比例部分(在職時の報酬に比例した金額)に分かれます。

8️⃣企業年金

企業年金とは、退職給付制度の一環として、企業の負担で公的年金に上乗せして年金を支給する仕組みのことです。企業年金には、大きく分けると、確定給付年金と確定拠出年金があります。

確定給付年金

確定給付年金は、老後の年金の給付額の目標金額を確定しておき、そこから逆算して掛金を拠出する年金のことです。企業が制度を用意している場合、会社員である第2号被保険者のみが加入できます。

確定拠出年金

確定拠出年金は、拠出された掛金が加入者ごとに区分され、その掛金と自らの指図による運用の運用益との合計額をもとに、給付額が決定される年金のことです。確定拠出年金は、次のように、企業年金以外に、個人が加入できる制度もあります。

  1. 企業型確定拠出年金: 企業の拠出によって行います。また、加入者の拠出(「マッチング拠出」という)も可能です。

  2. 個人型確定拠出年金(iDeCo): 個人の拠出によって行います。個人型確定拠出年金(iDeCo)には会社員だけでなく、自営業者(第1号被保険者)や会社員の被扶養配偶者(第3号被保険者)も加入できます。

以上がFP3級試験対策としての公的年金と企業年金の詳細です。試験対策に役立ててください。

一問一答(基本)

7️⃣公的年金

Q28
厚生年金保険の被保険者は、
原則として同時に国民年金の被保険者とされる。
A28 🔴
厚生年金保険の被保険者は、
同時に国民年金の第2号被保険者とされる。
国民年金は全国民共通の年金制度で、
厚生年金保険は国民年金の上乗せ年金という位置付けにある。

Q29
国民年金の第1号被保険者は、
20歳以上65歳未満の日本国内に住んでいる自営業者や学生などである。
A29 ❌
国民年金の第1号被保険者は、
20歳以上60歳未満の日本国内に住んでいる第2号、
第3号被保険者以外のものである。

Q30 
付加年金は、
国民年金の第1号被保険者が、
国民年金の定額保険料に加えて負荷保険料(月額200円)を納付すると、
将来、老齢基礎年金に上乗せして支給される年金給付である。
A30 ❌
付加年金は、
国民年金の定額保険料に加えて月額400円の付加保険料を納付した場合、
老齢基礎年金に上乗せして支給される。
負荷年金の額(年額)は「200円×付加保険料納付月月数」で計算する。
物価スライドはない。

Q31
国民年金の第1号被保険者である学生は、
本人および配偶者ならびに世帯主の所得が一定額以下の場合、
在学中の保険料の納付が猶予される学生納付例制度の適用を受けることができる。
A31 ❌
学生納付特例の所得審査の対象者は、
学生本人のみで家族(世帯主・配偶者)の所得は問わない。

Q32
国民年金保険料の学生納付特例が適用された期間は、
老齢基礎年金の年金額に反映される。
A32 ❌
学生納付特例および納付猶予が適用された期間は、
追納しない場合、老齢基礎年金の10年の受給資格期間には算入されるが、
年金額には反映されない。一方、
法定免除や申請免除期間については、
受給資格期間・年金額ともに算入・反映される。

Q33
国民年金保険料の納付について、
免除または猶予を受けた期間の保険料は、
いつでも追納することができる。
A33 ❌
免除・猶予された保険料を後から納付(追納)することができるのは、
過去10年以内の期間に係るものに限られる。

Q34
老齢基礎年金を受給するためには、
受給し各区期間が10年以上あることが必要である。
A34 🔴
老齢基礎年金は、
受給資格期間(保険料納付済期間
保険料免除期間および合算対象期間を合わせた期間)が10年以上ある場合に、65歳から支給される。

Q35
老齢基礎年金の年金額は、
保険料の未納期間や免除期間がある場合は、
未納・免除相当分が減額される。
A35 🔴
老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまでの40年間の全期間が保険料納付済期間の場合は、満額の795,000円/年(令和5年度額)が支給され、
保険料の未納期間や免除期間がある場合は、
未納・免除相当分が減額される。

Q36
特別支給の老齢厚生年金を受給するためには、
厚生年金保険の被保険者期間が1ヶ月以上あるなどの要件を満たす必要がある。
A36 ❌
厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あり、かつ、
老齢基礎年金の受給資格期間を満たす場合は、
生年月日に応じた年齢から、特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。

Q37
老齢基礎年金に加齢年金が加算されるには、
受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が10年以上なければならない。
A37 ❌
加齢年金は、
老齢厚生年金の額の計算の基礎となる厚生年金保険の被保険者期間が、
原則として20年以上あり、
所定の要件を満たす配偶者や子がいるときに加算される。

Q38
老齢厚生年金の受給権者が、
厚生年金保険の被保険者として働く場合、
在職老齢年金の仕組みが適用され、
老齢厚生年金の全部または一部が支給停止されることがある。
A38 🔴
老齢厚生年金の受給権者が、
厚生年金保険の被保険者として勤めると、
給与(賞与を含む)に応じて老齢厚生年金の全部または一部が支給停止される。
これを在職老齢年金という。

Q39
老齢年金を繰上げて受給した場合、
年金額は繰上げ月数1ヶ月あたり0.7%の割合で減額される。
A39 ❌
繰上げ受給による年金の減額率は、繰上げた月数1ヶ月あたり0.4%(最大24%)である。
なお、付加年金が支給される場合は、
付加年金も繰上げて減額されて支給される。

Q40
障害等級1級の障害基礎年金の年金額は、
障害等級2級の年金額の150%に相当する額である。
A40 ❌
障害等級1級の障害基礎年金の年金額は、
障害等級2級の年金額の125%相当額である。

Q41
遺族基礎年金を受給できる遺族は、
「子のある配偶者」または「子」である。
A41 🔴
遺族基礎年金を受給できる遺族とは、
一定要件を満たした「子のある配偶者」または「」である。

Q42
遺族基礎年金の年金額は、
死亡した者の厚生年金保険の加入期間に基づく報酬比例部分の年金額の3分の2相当額である。
A42 ❌
遺族厚生年金の年金額は、
死亡した者の厚生年金保険の加入期間に基づく報酬比例部分の額の4分の3相当額。なお、死亡した者が短期要件に該当するときは、加入期間が300月に満たない場合、300月あるものとして計算する。

8️⃣企業年金

Q43
確定拠出年金では、
加入者自身が掛金の運用指図を行い、
その運用に係るリスクは加入者が負う。
A43 🔴
確定拠出年金は、
加入者自らが掛金の運用指図行い、
運用結果に応じて給付額が変動するリスクも加入者が負う。

Q44
企業型確定拠出年金の掛金の拠出は、
事業主に限られ、
従業員(加入者)は拠出できない。
A44 ❌
企業型確定拠出年金の掛金は事業主が拠出するが、
規定で定めれば、
事業主掛金と同額まで、
かつ事業主掛金と合算して限定額の範囲内で従業員も掛金を拠出できる(マッチング拠出)。

Q45
確定拠出年金において、
加入者自身が拠出した掛金は、
社会保険料控除として所得控除の対象となる。
A45 ❌
加入者が拠出した確定拠出年金の掛金は、
その金額小規模企業共済等掛金控除として、
所得控除の対象となる。

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