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映画『悪魔の奴隷』『呪餐 悪魔の奴隷』ネタバレ感想/ジョコ・アンワルが手がけるオカルトホラー

インドネシアでヒット作を生み出し、日本にもその作品が入ってきつつあるジョコ・アンワル監督。今回紹介するのは、ジョコ・アンワル監督が、『夜霧のジョギジョギモンスター/夜霧のジョギジョギ』を現代風にリメイクした『悪魔の奴隷』、『呪餐 悪魔の奴隷』である。

ちなみに、他の監督作品には、『グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー』、『フォークロア 母の愛』などがある。

また、『悪魔の奴隷』は未体験ゾーンの映画たち2018で上映され、続編である『呪餐 悪魔の奴隷』は一般公開された。


悪魔の奴隷

2017年制作(インドネシア)
英題:Pengabdi Setan
監督、脚本:ジョコ・アンワル
キャスト:タラ・バスロ、ディマス・アディティア
配給:ツイン
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かつて歌手であった母は、謎の病に臥し治る気配もなく、家族はかさむ治療費に頭を抱えていた。母親は時折、家に“何か”がいるような奇妙な言動をし、弟たちはあまり寄りつこうとしない。長女のリニは母に代わって弟たちの面倒をみながら、母の看病もしている。

そんな矢先、母が亡くなり父は出稼ぎに出ていき、車椅子の祖母が面倒を見るためにやってきた。しかし、徐々に家に異変が起き始め、亡くなったはずの母の姿をした“何か”が襲いかかるように。リニと長男は生前の母の周りにいた不審な人物について調べ始める。すると兄弟にまつわる恐ろしい真実が明らかになる。

母親は子供がなかなかできず、あるカルト宗教に傾倒していた。そのおかげで授かったが、末の子が7つになると、彼らが子供を奪いにやってくるという。そして、ちょうど末の子が7歳を迎えようとしていたのだ……。

襲いにくる奴らがまさかのゾンビ!という。土着の宗教とイスラム教が融合した上に、悪魔崇拝も混ざった独特の世界観。結局カルト宗教の正体も目的もよく分からず腑に落ちない点は多いが…程よく怖く、終盤はズッコケさせてくれるホラー映画である。亡くなる前の母親が一番怖かった。


呪餐 悪夢の奴隷

2022年制作(インドネシア)
英題:Pengabdi Setan 2: Komuni
監督、脚本:ジョコ・アンワル
キャスト:タラ・バスロ、エンディ・アルフィアン、ネイサー・アヌズ、ブロント・パラレー
配給:アルバトロス・フィルム

先に紹介した『悪魔の奴隷』の続編。母の死後、祖母も亡くなりゾンビとの死闘を経て末の弟が行方不明になったリニと家族は、それまで暮らしていた家を離れ、ジャカルタ北部のアパートに引っ越した。

新たな生活にも慣れ、生活のために中退した大学に戻る決意をしたリニだったが、アパートでエレベーターの事故があり、多数の死者を出した。さらにアパートには嵐が襲いかかろうとしていた。 

前半は展開が遅く、突如エレベーター事故でグロテクスな映像になり、嵐が近づき停電したアパートでエレベーター事故による被害者の遺体がそれぞれのアパートに。

死者が、生者を死者の世界に引き摺り込み、徐々に死者が増えていく。その目的は死者を増やして何やら儀式をするためだったらしい。

後半は急展開で、父親のまさかの秘密から、前作で消えたはずの末の弟の登場。姉弟はまたしてもカルト宗教の餌食になり、そうになるが、間一髪で怪しげなオカルトライターが登場し、何とか逃れる。またしても続編がありそうなラスト。(三部作構成らしい)。

個人的な感想としては一作目の『悪魔の奴隷』の方が良かった。シンプルなゾッとする怖さがありつつ、最後チープくらいが程よいのだ。今回は前回よりも死者が多いのでグロテスクな描写は少し増えているかもしれない。


三部作ということで続編を待ちわびいるが、IMDbによると2025年に公開予定の模様。


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