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中国映画『Miss.リベンジ』ネタバレ感想/復讐相手が実は…

2021年制作(中国)
原題:大嫂归来QUEEN'S RETURN
監督:ジェニー・ツェン
キャスト:シュー・トントン、テレンス・イェン、リャン・カイ、シュー・シャオウ、リー・ユウェイ
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Miss.デンジャラス』で主演を務め見事なアクションで注目を集めたシュー・トントン。その後、『Miss.リベンジ』、『Miss.アサシン』と制作されている。勿論それらの映画はシリーズものではなく、原題も全く異なるが、日本で売り出すにあたって『Miss~』という邦題にしたのだろう。

更に、予告を見てもらうとわかるが、主演のシュー・トントンの肩書はまさかのSNSフォロワー1200万人という。何ともパンチのある肩書である。そう書かれるとインフルエンサーか何かなのかと思ってしまうが普通の中国の女優兼モデルである。

主演作も増えてきてゴージャスなスタイルを活かした役が多く、推されている女優さんなのだろう。『Miss.アサシン』の後はMissシリーズはもうやめたのか、『ザ・スパイ エージェント・ウルトラ』という邦題の主演作もある。

『Miss.リベンジ』に話をうつろう。シュー・トントン演じるチンチョンは、麻薬捜査官の兄を麻薬組織に殺された上に、自身も犯される。犯人は分かっているが、麻薬組織と結託した警察は組織のトップを捕まえることができない。

チンチョンは仇を討つため、敵対している組織のヘイフォを頼る。ヘイフォはチンチョンを鍛え上げ、武器としてそばに置く。チンチョンは復讐を果たし、ヘイフォは街を牛耳り、麻薬売買ルートを拡大していた。

ヘイフォにお前は武器ではない、俺の女だと言われ姉貴分として組織に属していたチンチョンは次第にヘイフォが兄の死に関与していること、自分は死んだ妻の身代わりであったことを知り火事で死んだように見せかけて姿を消す。

身を潜め慎ましく穏やかに生活していたチンチョンの元に組織の部下らが現れ、身を引き罪滅ぼしをしようと思っていたが組織を潰さない限り平穏はやってこないと、自分を育てたヘイフォを討つことを決意する。「私を愛していた?」愛憎入り混じった共犯関係のような恋人のような微妙な関係性。全てに終止符を打ったチンチョン。

かつての師であり、愛してもいたヘイフォとの対決は韓国映画『悪女 AKUJO』のようなカタルシスがあるが、はっきり言って本作は決してよくできた映画ではない。どこかで見たような展開をかき集めたような映画でストーリーの描き込みも全然足りない。それでも、どこかで見た胸熱なシーンを模倣する無邪気さは何だか嫌いになれないし、アクションはなかなか力が入っている。

あからさまな露出やクールな衣装とシュー・トントンの七変化っぷりも楽しい一方で、どうかなと思わなくもない。熱情的すぎない恋愛の温度感、御涙頂戴すぎない演出など、過度な演出とお金のかかったスペクタクルで乗り切ろうとする中国映画も観てきたので、そのあたりと比べると程よいところでおさまっている映画といえるかもしれない。ただ、期待値を下げてみることをおすすめする。

個人的には楽しめたので、シュー・トントン出演の他の映画も見ていきたい。


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