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《詩》つかみとるひらめき

見る
目の前で何かがふいに弾けて
皮膚に触れた瞬間
はっと目覚めた記憶も
すぐに 霞んで消えてゆく
気づけば 忘れたことさえ 忘れている

考える
脳裏で灯る光
ふと浮かんだ気付きは
使い道の分からない道具みたいに
ただ 引き出しの奥へしまい込む

つかむ
それは私だけの手応え
一度つかんだら もう離れない
体中に響きわたり
走り 創り出し 壊し また始める
つかんだ瞬間に 世界が変わり
私も変わる
誰にも気づかれなくても
その瞬間だけは
自分の中に永遠に刻まれる

(にじぐち)

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