見出し画像

《詩》24秋の手触り

涼やかな風に包まれ
温もりがそっと忍び寄る
衣服を替える手の中に

袖を撫でる感覚が重くなり
気付かぬ間に
季節は心の奥まで届いた

湯気を待ちわびる日もあれば
冷たさに触れたくなる日もある
温もりに寄り添いたい時も
孤独を抱きしめたくなる時も
天気の気まぐれに似た心模様

時の大切さを教えるように
日の出が毎日1分ずつ遅れていく
朝が短くなるごとに
私はその瞬間を大切に抱きしめる
なくなる寂しさよりも
新しい世界への準備を感じて
心に火が灯る

(にじぐち)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?