《詩》ベーカリー物語～塩バターパンの苦悩
ブームとか 人気とか
そんな言葉で片付けないで
耳に飽きた 飾り言葉は要らない
しょっぱさと 甘さの狭間で
バランスを取り続ける
その苦労を 誰も知らない
サクサクの表面と フワフワの内側
バターが染み出す油の重み
そのすべてを手に入れるまでに
どれだけの試練を乗り越えたか
あなたは 知るよしもない
バターの弱さを秘めて
炎の試練に耐え
塩の結晶を守り抜いて
私はここまで来た
「おいしい」なんて 軽く言わないで
その一口に もっと真剣に向き合って
私は 見えない輝きのために
すべてをかけてきたのだから
（にじぐち）
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