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記事一覧
イル・ラビリント / il Labirinto (2004)
ローマ、ヴィア・ポンペオマーニョのプラーティという地区にはサンジョアッキーノという教会がある。その隣の地下にあったのがイル・ラビリントというシネクラブだった。
ここで初めて見た映画はムルナウの『サンライズ』。イタリアでは『オーロラ』というタイトルが付けられていた。2004年10月のことだった。
不動産を所有する教会が賃料を値上げしたため、それを支払えなくなり、ここでのシネクラブとしての活動
シネクラブ時代 / Cineclub era (2004)
ローマにあったグラウコシネクラブ。大きな映画館では上映しない古典的名作やアバンギャルドな作品を上映していた。今はもうない。
日本でも小さな上映スペースが色々なところにあった。そういう映画の上映団体もあった。
新宿にあった黙壺子フィルム・アーカイブ、アートシアター新宿にはよく行った。大手町の日経小ホールでポーランド映画をよく上映していたカトル・ド・シネマという団体も記憶にある。
これらもす
蜘蛛の戦略 / The Spider's Stratagem (2020)
「蜘蛛の戦略」というのは、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺のオペラ』の原題。この映画を初めて見たのは確か有楽町の駅前にあった名画座、有楽シネマだった。高校生のときだっただろうか。
イタリアの田舎の光がそのままフィルムに焼き付けられているようで、その圧倒的な光の描写に打ちのめされた。
草むらの小径 / Narrow path in the grass (2020)
広島市を流れる古川の川べりの道。人が一人しか通れない幅の草むらのなかの道だ。
「川べりの道」といえば、鷺沢萌に同名の小説があった。彼女が35 歳で自殺してからもう16 年になる。現代文の試験問題に使えそうな端正で表現力に富む文章を書く人だった。
舗装されていない道を歩き、足の裏にとがった小石の感覚をおぼえるたびに、この小説の冒頭を思い出す。