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デトックスを助ける医学的におすすめの栄養素たち

今回もたくさんの専門用語が出てきます。できるだけわかりやすく解説し、用語解説の引用元を下線で表示できるようにします。

はじめに

医学的な知識に関してネット上には根拠のない情報がとても多いです。デトックスのメカニズムを学び、その学術的な知識で効率的におこなうために参考にしていただければ幸いです。今日も難しい話になりますが、正しい知識を身につけるために必要な投資になるので、がんばりましょう!

水を飲めばデトックス?

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水を飲むだけで本当にデトックスができるのでしょうか?

私たちが摂取した食べ物や物質は、比較的複雑なメカニズムで消化され、消化器官から排出されます。

この記事をご覧ください。

グルクロン酸抱合という肝臓の最も大きな解毒機構で、脂溶性化合物を水溶性化合物に代謝します。このプロセスの後は必ずしも化合物の毒性が下がるわけではないが、体外へ排出されやすくなります。

少しだけ詳しく説明します。

UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT:UDP-glucuronosyltransferase)は肝臓小胞体にある膜酵素で、このUGTは、比較的水に溶けない化合物(脂溶性化合物)にグルクロン酸基を付加して水に溶けやすくし(グルクロン酸)、液体の廃棄物(尿)にして体外に排泄されやすくする役割を担っています。このことをグルクロニド化と呼びます。ここでグルクロン酸抱合を触媒し脂溶性化合物にグルクロン酸を転移しています。

なぜ解毒をする必要なのか?

私たちは完全に無毒なものを体内に取り込んでいるわけではありません。私たちが食べるものを考えると、野菜や果物から完全に洗い流されていない農薬があったり、また日常的に吸い込んでいる大気汚染物質などがあり、人体にとって解毒は必須です。

このグルクロニド化は、私たちが知らず知らずのうちに摂取している多くのエンドバイオティクス(内部共生体:体内や細胞内で生息する生物たち)やゼノバイオティクス(生体外物質:薬や毒など、体外からの異物)を排出するための重要な解毒経路です。

水だけでは不十分

水溶性化合物に代謝するという事実から、水を飲むことでデトックスになるとよく言われるのですが、全てにおいて有効ではありません。なぜなら老廃物の排出経路がスムーズに動くように、肝臓の機能をできる限りサポートすることも必要だからです。

コレステロールのように、胆汁と結合して胆汁酸塩となり、腸に排出されて便として排出される化合物もあります。 他にも、いくつかの薬は胆汁酸塩として処理され、排泄されます。 しかし、腸は多孔質のバリアーとして機能しているため、腸内に長く留まっているものは、再吸収される可能性があります。コレステロールが体内に蓄積されると、酸化ストレスが発生します。そちらに関してはこの記事をご覧ください。

適切にデトックスの確認すべきポイント

デトックスを適切に進めるにあたり、肝臓と腸が関与する糞便の排泄では、次の4つのことを確認する必要があります。 

1. 食べ物をきちんと消化されているか
2. 腸内での便の移動と排泄を適切に行われているか
3. 肝臓の適切な解毒がなされるか
4. 酸化ストレスからの保護がされているか

そして尿としての排泄には、他にも3つのポイントがあります。

1. 腎臓から尿への適切な液体廃棄物の移動がなされているか
2. 肝臓での適切な解毒がなされているか
3. 酸化ストレスからの保護がされているか

これら7つがしっかりサポートできていれば、適切なデトックスが可能です。ではこれらを助けてくれる栄養素をご紹介しましょう。

推奨される適切な消化と解毒を助ける栄養素

もちろん多くはサプリメントから摂取ができますが、それぞれを含む食品もまとめています。

1. ケルセチン、ヘスペレチン、ルチン、レスベラトロール、エピガロカテキンガレート、アルファリポ酸、クルクミンなど、核内呼吸因子2(nrf2)経路をサポートする栄養素

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この経路は、炎症を引き起こす経路に対抗する役割を果たしており、十分なサポートがあれば、酸化ストレスを軽減することができます。 

ケルセチンは玉ねぎや蕎麦など
ヘスペレチンはシークワーサー、柚子やオレンジなど
ルチンは玉ねぎの皮やトマト、蕎麦やオレンジなど
レスベラトロールは赤ワインなど葡萄の皮やリンゴの皮、そしてザクロなど
エピガロカテキンガレートは緑茶のみ(緑茶以外の植物からは未発見)
アルファリポ酸はほうれん草やトマト、そしてブロッコリーなど
クルクミンはウコンなど

2. 肝機能と解毒をサポートする栄養素、例えばコエンザイムQ10、スルフォラファン、シリマリン、nrf2栄養素など

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肝臓の解毒には、化学反応や電子の授受が伴いますが、その反応が適切にコントロールされず、電子が漏れ出して活性酸素種(ROS:reactive oxygenspecies)が発生してしまうと、体にダメージを与えてしまいます。 そのために栄養素が必要です。

コエンザイムQ10は青魚や牛肉、そしてナッツ類など
スルフォラファンはブロッコリーなど
シリマリンはミルクシスル(マリアアザミ)など

3. マグネシウムとカルシウム

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食物は、腸の筋肉の蠕動運動によって腸管内を移動しますが、腸の筋肉は、収縮と弛緩を繰り返すことで機能しています。カルシウムは収縮のシグナルを出し、マグネシウムは弛緩のシグナルを出します。そのため、カルシウムとマグネシウムは同時に機能しており、収縮と弛緩のリズムを最適化するためには、バランスのとれた比率で摂取する必要がある。

カルシウムは牛乳やししゃも、そして煮干しそしてモロヘイヤなど
マグネシウムはアーモンドや大豆など

4. 食物繊維

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十分な食物繊維摂取することは腸内での固形物の移動を適切に行うために役立ちます。

食物繊維はこんにゃくやアスパラガス、みかんやグレープフルーツなど

5. 消化酵素

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消化酵素は高分子をより小さな構成要素に分解して、体内への吸収を促進する酵素群のことで食物の適切な消化をサポートし、腸内での移動を容易にするために小さな粒子にする。

消化酵素

タンパク質分解酵素であれば 麹や納豆、いちじくなど
でんぷん分解酵素ならば大根、キャベツ、山芋、生姜、キウイ、パプリカなど

6. プロバイオティックス

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消化器系の機能が低下した状態がしばらく続くと、腸の健康にも影響が出てくるため、腸の健康をサポートするために良質なプロバイオティクスが必要となります。

プロバイオティクスは有胞子性乳酸菌(乳酸菌)やビフィズス菌などが含まれます。

乳酸菌は味噌や納豆、チーズ、お酢、ぬか漬け、キムチなどの発酵食品
ビフィズス菌はバナナ、タマネギ、大豆、ゴボウ、アスパラガス、にんにくなどオリゴ糖を多く含む食材

おわりに

消化やデトックスに良い食べ物の情報などはネット上で見かけることがあるかと思いますが、どんな生物学的なプロセスがあるかをきちんと説明せず、誤解を与えてしまうような情報が多くあります。何が消化を助け、何がデトックスを助けるのかをきちんと学び適切な対応をしましょう。

ではまた次の記事で

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