セルフマネジメント#3ー行動を管理する具体的方法 赤井塾11
振り返り 「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件
①顧客と他士業から「選ばれる士業」になること
②仕事を効率化すること
③セルフマネジメントを行うこと
④チームを作ること
前々回から、3つ目の条件である「セルフマネジメントを行うこと」に入りました。
今回は、その中の「行動を管理する具体的方法」について解説をします。
セルフマネジメントとは?
「自らの生き方やライフスタイルを決定し、これを実現するために自分自身を管理すること」です。
自分の思うように人生を過ごし、人生全般を楽しむためには、このセルフマネジメント能力を身につける必要があります。
行動力
ちまたに出回っている成功法則等の書籍の多くには、成功するためには、とにかく行動しましょうと書いてあります。
誤解を怖れずに言えば、「思考は現実化する」も「引き寄せの法則」も、実現したいことを考え、外部に発信し、行動することで、実現する確率が高くなると言っているに過ぎません。
0のものを1にするときが、最もエネルギーを要します。だから、誰もがなかなか行動ができないのですが、この壁を破らない限り、先には進めません。
行動をする際には、よくモチベーション(動機づけ)が必要だと言われますが、実はそれよりも「気分」が大きく影響をします。
この「気分」の管理については、案外簡単で、少々億劫なときであっても、取りあえず小さなことでも良いので何か行動をやり始めることで次第に「気分」が乗ってきて、「やる気」を作り出していくことができます。
また、行動には、必ずリスクを伴います。
しかし、何もしないことが最大のリスクであると考えるべきです。
特に、外部環境の変化がめまぐるしい現在においては、何もしなければ、この変化に対応することは難しいと言わざるを得ません。
行動しなければ、どのようにやれば上手くいくのかを知ることができません。また、行動してみて初めて、どのようにすれば上手くいかないのかということも分かります。
行動しなければ、何も変わらないし、何事も実現しないというのは動かざる真実です。
また、行動するときには、何をするのかというだけはでなく、何のためにするのかを常に意識する必要があります。
この意識がなければ、行動したことによる経験をスキルに変えることができません。
要するに、他人に言われるがままに漫然と行動しているだけでは駄目で、自分から目的意識をもって行動する必要があるということです。
さらに、私たちは、何か行動をするときには、必ずと言っていいほど、他人の目を気にします。
そして、人と違ったことをやるのを避け、できるだけ人と同じことをしようとします。
これらのことがネックとなって、なかなか思った通りに行動をすることができないという人も多くいるように思われます。
私たちが他人の目を気にするのは、自分が行動した結果がどうなるかよりも、行動そのものや結果に対して、他人から批判されるのを極度に恐れているからです。
私たちは、幼いころから、何かにつけ、少しでもヘマをすると、その度、他人から批判されるという経験を数多くしてきました。
誰だって、人から褒められたり、能力があると認められたいものです。
しかし、本来気にすべきことが、行動をすることそのものの意味や、行動した結果であることは明らかです。
まずは、無責任な存在である他人から褒められたり、能力を認められるといったことに重きを置かないようにすることが重要です。
そして、行動をしたことやその結果について、全ての責任は自分が取るのだと覚悟を決めることができれば、他人の批判など、気にする必要はなくなります。
継続力
行動を起こしたら、次は、これを継続する必要があります。
実は、これが最も難しいことです。
いきなり大きな労力を要する行動を続けるのは難しいことです。
まずは、簡単な行動を継続するところから始めるのがコツです。
これまでやっていなかった新しい行動で、比較的簡単にできることから始めてみましょう。
できれば自分にとって続けてもそれほど苦にならず、成果が目に見える行動がお勧めです。
私は、毎週、週末に必ず靴磨きをすることにしています。
時間にして、わずか5~10分程度の簡単な作業です。
始めたきっかけは、週明けに家を出て仕事に向かう際に、汚れた靴よりもピカピカに磨かれた靴を履く方が、気分がよく、前向きな気持ちになれるからです。
靴磨きをする時点で、仕事に向かう心の準備も始められます。そして、磨き上がったピカピカの靴という、目に見える形でのはっきりとした成果がそこに現れます。
また、何か行動を継続し始めたならば、途中で投げ出したりせずに、途中で投げ出してしまうぐらいなら、休み休みでもいいから続けることです。
他人と競っているわけではありませんので、三日坊主で終わったって、また気を取り直して再開すれば良いだけのことです。
もし、比べるとしたら、それはこれまでの自分です。
前は、1週間しか続けられなかったけれども、今回は1週間以上続けられている、そうやって一度中断したって、また再開し、少しずつでも継続できる期間を伸ばしていけば良いだけのことです。
たとえば毎日の運動や筋トレは、毎日やるのが一番効果的ですが、全くやらないよりは、一日だけでもやった方が良いに決まっているし、休み休みでもいいから続ければ続けるだけ、それなりの効果が出てくるものです。
こうして、行動を続けられるようになってきても、なかなか成果のでないこともあります。と言うか、直ぐには成果のでないことの方が多いかもしれません。
それでも、とにかくあきらめないことです。
自分でもう限界だと思ったときでさえ、まだ能力の40パーセントしか使っていないと言われています。
もう限界だと思ったときからが本当の勝負です。
ここで踏ん張れる人だけが良くも悪くも何らかの成果を手にすることができます。
限界を少し超えるところまでできた者のみが、上手くいっても、上手くいかなくても、そこから何かを学ぶことができるのです。
そして、一定期間辛抱して継続すれば、その行動が習慣になっていきます。
一気に習慣にまで高めたい場合には、毎日やることであれば、初めの3か月程度、週に数回やることであれば、初めの6か月から1年程度は、できる限り例外を設けずに決めたとおりに継続するのがコツです。
習慣になれば、やること、続けていることの方を脳が(本能的に持つ)現状維持機能の対象である現状と認識するようになり、継続することがそれほど苦ではなくなり、逆にやらないと気持ち悪くなってきます。
努力する能力
行動をしたり、行動を継続するなど自らの行動を管理するためには、最終的には努力する能力を身につける必要があります。
生まれつき努力のできる人間はいません。
努力する能力は、後天的に獲得できる能力であり、この能力がなければ、何事も成し遂げることはできません。
どんなことでも、プロレベルの技能を身につけるためには1万時間が必要とされています。
努力する力は、ある一定の行動を継続して行うことで能力にまで高まります。
努力する能力は、誰でも継続して行うことで身につけることができる能力なのです。
誰もが楽をしたいと考えますし、努力することは格好良くないと考える人もいるようですが、これなくして何事もなしえることはできません。
私は、自らの頭で考えることのできる人が10人に1人、それを実行できる人が同じく10人に1人、さらにそれを継続できる人は100人に1人しかいないと考えています。
結局、全てを満たせる人は、1万人に1人しかいないことになります。
この1万人に1人になることを目指しましょう。
そうすれば、大抵のことは、どんなことでも実現できます。
以上のように、セルフマネジメント能力の中でも、一番重要な行動を自ら管理すめるための具体的な方法は、
①何もしないことがリスクだと考え、全ての責任は自分が取るのだという覚悟を決めて、とにかく行動すること
②簡単な行動を継続するところから始め、とにかくあきらめずに習慣になるまで行動を継続すること
③そして、行動を継続して行うことによって、努力する能力を身につけることです。
まとめ
今回は、「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件の3つ目、「セルフマネジメントを行うこと」のうち、「行動を管理する具体的方法」についてお話しました。