記事一覧
全身に目を向けて変わる、広がる口腔機能の発達支援
<私の物語>
Part1. 身体の弱い未熟児だった
私は昭和40年に、大阪の南部で古くからタバコ・雑貨・燃料の販売店を営む家の第3子として産まれました。2,000gの低体重だったので当時は「未熟児で産まれたんだ」と言われていました。そのためだけかどうかは分かりませんが、身体は弱く、幼児期は喘息で寝ている時に咳き込んで呼吸困難になり、近くの小児科に親に背負われて駆け込んだり、腕に出たアトピー性の湿疹
これからの歯科保健推進への展望 Vol.05
Ep2-4.次の一歩へ~ 踏み出すための専門性を育む~
鳥取で暮らす要介護2 の義父が秋口に肺炎を起こし体調を崩していたのですが、「食育・口腔機能の勉強会」の3 回目を終えた10 月末に、義母より急に口から食べられなくなったとの連絡がありました。電話で詳しく聞いてみると、「口に触るようなつぶつぶの食形態だとすべて吐き出してしまう。流動食のようなものもまずいのか多くは食べてくれない」との状況でした。
これからの歯科保健推進への展望 Vol.04
Ep2-2.口腔機能という課題~ 乳幼児から高齢者まで~
前置きがずいぶんと長くなりましたが、「歯磨き神話」と「不正咬合の体感」というエピソードのお陰(? )で、私は知らず知らずのうちに「う蝕を予防する食習慣や生活習慣の重要性」や「口腔機能の健全な発達」という視点で子育て現場での支援活動を行うようになったと思います。また支援活動を通して、歯科の臨床現場からはなかなか見えてこない家庭での生活場面(
これからの歯科保健推進への展望 Vol.03
Ep1 はいかがでしたか?私が子育てをとおして気付いた生活者としての視点が今の専門職に求められる役割を考えるきっかけとなったエピソードでしたが、「私は子育てしたことがないから… 」と子育て中の養育者に対する指導に壁を感じている専門職の方に出会うことがよくあります。私はそのような専門職の方に、いつもある歯科衛生士さんの話をします。エピソード1 を読んで“ 子育てした赤井さんだから”と感じた方への応援
もっとみるこれからの歯科保健推進への展望 Vol.02
Ep1-3.エビデンスの罠? 限界から文化の醸成として一方、歯科界ではエビデンスが強調され、フッ化物の応用を推進しようと様々な取り組みが進められ、実際に乳幼児のう蝕は顕著に減少してきました。近年、歯科口腔保健の推進に関する法律( いわゆる歯科口腔保健推進法) の施行により、各都道府県でも多くの条例が制定されてきていますが、その中に科学的根拠にもとづくう蝕予防を一歩踏み込んでフッ化物の文言が入ること
もっとみるこれからの歯科保健推進への展望 Vol.01
Ep1-1.「仕上げはお母~さん♪?!」
“食べたら磨くやくそくげんま~ん 仕上げはお母~さん♪”
このフレーズは多くの方が知っていると思いますが、これはNHK の「おかあさんといっしょ」という幼児教育番組の中で歌われていたもので、歯磨きの衛生習慣育成のための定番コーナーとして昭和60 年ぐらいから放映されていたものです。このコーナーの放映が始まる前のお母さんは、仕上げ磨きなる歯科保健行動は知らな