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びびり倒し初ひとり海外② スペイン→フランス編

2022年秋にスペインとフランスを旅行した。これはスペイン滞在を終えてフランスに移動するというただそれだけなのになぜかうまくいかないことが続きまくったショボエピソードたちである。

初めてのフランスへのドキドキの出発

朝7時頃、居心地のよかった友達の家を出発した。バスに乗るときに運転手さんに、駅に着くときに声かけてと伝えたのだが、実際駅に着いたときに全然言ってくれなかった。忘れていたのかもしれない。勘で降りたら合っていたという感じなので危なかった。慣れていれば迷わないのだろうけど、似た名前のバス停が続くし、初めてひとりで乗るバスとなると怖いものである。

駅で改札を抜けたらスペインでよくしてくれた人々を思い出して急に寂しくなり涙が出てきた。なんとかこらえて電車に乗る。うとうとしながらマドリードに戻った。

静寂車両は快適だった

マドリードに着き、電車を降りた。電車の出入口は2段ほどの段差があるのだが、気をつけているつもりだったのに、大きいスーツケースを持ちながら1段、もう1段と降りようとしたら見事に転んでしまった。後ろの男性に腕を掴まれ立ち上がらされた。お礼を言って邪魔じゃない場所に移動し、一息ついていたら、同年代と思われる女の子に大丈夫?と聞かれた。痛い…けど大丈夫!と答えて助けは要らない旨を伝えたら、振り返ってこちらを気にしつつ去っていった。駅のホームは硬いから、膝がしばらく痛かった。いろんな目に遭う覚悟はあっても、自分の過失で痛くて恥ずかしい思いをするなんて。と思ったけど、私って絶対こういうよくわからんところでやらかすよね、と俯瞰して笑える余裕がまだこのときはあった。

転んだあとの景色


アトーチャ駅の雨

マドリードでは少し時間があるので公園を散歩することにした。重い荷物を引いて坂を上り、公園のベンチでスナック菓子を食べた。すると雨が降ってきて、傘を持っていなかった私は急いで駅に戻ったけど、みるまに強くなる雨にだいぶ打たれてしまった。

ヨーロッパはグルテンフリーの記載があるお菓子が多い

駅に着き、少し早いが空港に向かおうと、改札を通ろうとしたらrenfeのカードが読み込まれない。仕方がないのでサービスカウンターに並んで聞いたところ、往復のチケットには○日以内に復路を使わなければならないという期限があって、それを過ぎていたようだ。その場でチケットを売ってくれるようだったので買い直した。お金が余計にかかったのは残念だが、券売機だと後ろに人が来るのが怖いのでカウンターで落ち着いて買えてよかったとポジティブに考える。

改札を無事通ってホームに着くと、自販機があったのでお菓子を買おうと思った。しかし、お金を入れても商品が出てこない。色々ボタンを押してこねくり回してみるもダメそうである。お金が帰ってこないまま、電車が近づいてきたのでそのお菓子とお金は諦めざるを得なくなった。軽くショックである。盗まれたりするよりはましだが、無駄にお金を使うことが続いてしまい、ひとりなので気を張っていたのもあり、この時点でかなり疲れてきている。

電車は空いていたので比較的落ち着いて座っていたら、気が抜けていたのか男性に急に話しかけられ、1ユーロでいいからくれないかとしつこく言われた。しばらくすると他の車両に行ってくれたので助かったが、近くに人がいなかったので何かされないかと思ってびびった。また変な緊張が戻ってくるのを感じながら空港に着き、ゲートへと向かった。

バラハス空港のトラップ

手荷物預かりカウンターでは、預ける前にチェックイン機での自動チェックインとタグの取り付けを自分で行う必要があった。ここでも私は間違えた。荷物の数を選ぶ画面で(1 included)と書かれていたため、オプションの荷物がある場合に1以上の数を選ばなければならないのだと思ってしまい、0個を選択してしまったのだ。当然タグは出てこず、他の人がタグをつけているのを見ておかしいと気づく。とりあえずスタッフに伝えると、私は担当じゃないからあっちの人に聞いてと言われ、その人に同じことを言われ…というのを数回繰り返し、やっとタグを出してくれるスタッフにめぐりあった。時間は余裕があったので焦りはそれほど強くなかったけど、いつもの私ならからしたら考えられないくらい声が出た。タグをつけて荷物を預け、やっと軽くなった体で手荷物検査へと向かった。

ここで、そういえばお土産買ってない、と気づいたので、お菓子を売るお店に入ってみた。おいしいかも分からない高くて重量のあるお菓子をなぜかたくさん買ってしまった上に、Zumex(オレンジジュースをその場で作る機械)が見えたのでオレンジジュースも頼んでしまった。ほくほくしてお店を出たが、手荷物検査という水分を捨てさせられる場所の直前でジュースを買ってしまったことに気づき、自分に突っ込みながら一気飲みした。おいしかった。

手荷物検査を終えるとお店がたくさんあり人がごった返していた。目についたレストランで食事をすることにしたが、お得なはずのmenú del díaが高い上に大した内容ではなく、かつ飲み物はオレンジジュースを選ぶと追加料金がかかると言われた。結局飲み物は水にして、適当な席で食べ始めたがずっと蛍光灯がチカチカしていてくつろげず私は不機嫌だった。食べ終わり移動すると他にもたくさん食事できるところがあった。もっと見てから決めればよかったと思った。空港料金で高いのはどこも同じだっただろうけど。

しょぼいランチ

そんなこんなで出発ロビーに着き、ひたすら待つ。この辺りから聞こえる言葉がフランス語になっていき、フランス語が分からない私は不安になった。飛行機までのバスに乗るときも、これボルドー行きだよね?と近くの人に確認してしまった。飛行機に乗るも、事前の座席指定をしていなかったせいで席が取れていなかったことが判明し、ひやひやした。座席指定が必須であることを分かっていなくて、航空券さえあればOKだと思い込んでいた。私以外は皆次々に席に座っていく中、少し待たされた。最終的には残った席に座らせてもらえたのでほっとした。

メリニャック空港からバスに乗りたくて

夕方にボルドーの空港に着いたが、そこからさらにバスに乗る必要があった。ボルドーでお世話になる友達は仕事で帰りが20時頃になるとのことで、友達の友達が家で待っていてくれるとのことだった。本当は空港まで迎えに来てほしいくらいだったが、わがままは言えない。とりあえず空港の外に出てバスの券売機を見つけたが、タッチパネルがうまく反応せず買えなかった。とりあえず、待ってくれている友達の友達に電話してヘルプを求める。チケットが買えないことを伝えると、バスの運転手に言ってバスの中で買えばいいとのことだった。バスが来たので運転手に言ったところ、券売機で買えの一点張りで聞いてくれなかった。運転手は、なんか外国人がワーワー言ってるわ、みたいな態度だった。スペインではあまりそういう思いをしなかったので、なんでかなと考えたときに、スペイン語で言ってしまったからではないかと思った。その国の言葉を使えないというのは弱い。仕方なくそのバスは諦めて次のに乗ろうと思った。

券売機に戻ると、裏にもう一台あることに気づき、そこで試してみることにしたが、やはりうまくできず、そうこうするうちに国内旅行者と思われる男性たちがわらわらやってきて、フランス語で話しかけてきた。とりあえずフランス語が分からないという旨を、何語でもいいから伝えればよかったのに、パニックになってしゃべれずに逃げてしまった。券売機は実際はクレジットカードが使えたのだけどそれが分からなくて小銭が必要だと思い込んでしまい、財布を見たら硬貨が全然なかった。マドリードのアトーチャ駅で2ユーロ失った痛手は大きいと思いながら、とりあえず空港の中に戻り、レジ締めをしていたカフェの店員にお願いして両替してもらった。ここから英語に切り替えて、なんとか通じたのと嫌な顔をされなかったことにほっとした。

乗換も、目的地で降りるのも難しいバス

なんやかんやでやっとチケットを買えたけど、ばかみたいに時間が経っていた。バスに乗ったけど座れなかったので、扉にもたれてその扉が開く度に体を離し、またもたれるというのを繰り返しながら、どこを走っているのかも分からない暗い道を見つめ、少しも分からない言語をぼんやりと聞いた。初めての国で言葉も分からないというのはこんなにも寂しいものなのかと思った。しばらくすると席が空いたので座ると少しだけほっとした。

そして終点まで乗っていたのだが、しかし困ったことに、このバスは乗換が必要だった。繰り返しになるが、わがままは言えない。でもできることなら乗換のバス停まででいいから迎えに来てほしかった。乗り換えるのは私だけだったようで、他の乗客はターミナルで散り散りになった。降りた場所の向かいがバス停かな?と思ったが、他に人もおらず暗いので心許ない。奥に乗り換えたいバスが控えていて、これから運転するだろう運転手たちが煙草を吸っていた。そこまで行って聞いてもよかったが、そこまでの気力がなくその場で待つことにした。やがて乗りたいバスがこちらに近づいてきたので運転手に手を振ったら、「バス停はあっち」というふうなジェスチャーをされてそちらを見ると確かにバス停があった。やはり夜に初めての場所で目当ての場所を見つけるのは大変である。

無事バスに乗れた。今度は終点までではなく途中のバス停で降りなければならないため、友達の友達に連絡しつつ、バス内の電光掲示板を見つめて絶対に降り過ごさないようにしようと思った。しかし、この電光掲示板は途中からなんか怪しい空気を醸し出した。ん、と思ったときには画面が消えて真っ暗になってしまったのだ。焦った私は運転手に近い方の、次のバス停名だけ表示される小さな電光掲示板をとりあえず見て、見逃さないように気をつけていたが、車内アナウンスと電光掲示板に書かれたバス停がズレているような気がする。結局、ここかなと思って降りたところはひとつ先のバス停で、降りたところに友達の友達はいなかった。どうしよう、間違えた…と思いながら辺りを見ると、電話をしながら歩いてくる女の人がいた。彼女は私の方を見て、驚いた表情で私の名前を呼んだ。驚いたのとほっとしたので崩れ落ちそうだった。とりあえず再会を喜びながら歩いて行くと、友達の友達が手前のバス停で待っていた。バスが通り過ぎたのに降りてこなかったからびっくりしたよと言われた。でも失敗を笑って許してくれて、皆で家に帰った。

空港でモタモタしてしまったせいで、結果的に20時くらいになってしまい、友達が仕事が終わって帰ってくるタイミングと重なったのは、よかったのか悪かったのか。まあ、よかったのだろう。作ってもらったパスタはおいしくて、ほっとして夜眠った。長い一日だった。


フランスでもまた大きな出来事があり、予定が狂うのだが、それはまた稿を改めたい。トイレの話ばかりになってしまった前編はこちら↓


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