サカナとヤクザ
たまたタイトルがヤバい本の紹介です。
違法薬物などについての議論で「個人で楽しむだけなんだから別にいいだろ」という主張に対し、必ずされる「ヤクザの資金源になるからダメ」という反論がありますが、この本を読むと明日からそれが言えなくなってしまいます。
タイトルからも分かりますが、この本は、日本の漁業や水産物市場が、実はヤクザの大きな資金源になっているということを、現場への取材などから明らかにした本です。
例えば、本の中で平成15年の『養殖』という雑誌の記事が紹介されています。この記事では全国のアワビ流通量から漁獲量と輸入量をマイナスし、他の要素を考え合わせて密漁の規模を割り出しているのですが、それによると日本で取り引きされているアワビ45%は密漁アワビの計算になるとのこと。ちょっと驚きの割合です。(※1)
本の帯に「本書の登場人物たち」という一覧がありました。面白いので紹介しておきます。
「黒いあまちゃん」
「築地の顔役」
「密漁社会のマラドーナ」
「東洋のアル・カポネ」
「北海の大統領」
「オホーツクの帝王」
「香港シラスのボス」ほか
謎のオールスター感があります。個人的には「黒いあまちゃん」のネーミングが好きです。上記のような登場人物に興味がある人は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
では、この記事はこの辺で。それでは、また。
※1 ちなみに別の本ですが『教養としてのヤクザ』という本にはタピオカミルクティーも一時期、ヤクザの資金源としてけっこう活用されていたらしいと書いてあって、それも面白かったです。