通史として「オカルト」が分かる
現在「オカルト」と呼ばれているジャンルには、超能力やらムー大陸やらアトランティスやらUFOやら爬虫類型宇宙人やら、一見関係の無い色々なモノが含まれていて、結局のところ「オカルト」が何を指すのか、よく分からなくなっています。
そんなよく分からない「オカルト」を、オカルティストでない研究者が、ひとつなぎの歴史として客観的に紹介しているのが大田俊寛『現代オカルトの根源 ー霊性進化論の光と闇』です。
この本の中では、オカルトの起源である神智学の始祖ブラヴァツキー夫人(FGOで少し有名になりました)から、教育に神智学を取り入れたことで有名なシュタイナー、失われた大陸アトランティスの生き残りとしてのアーリア人学説、さらにそこからナチスの優生思想への影響や、UFOやマヤ暦や爬虫類型宇宙人などの英米のポップ・オカルティズム、果ては日本のオウム真理教や幸福の科学などの思想について、神智学の「霊性進化論」という思想を軸として通史的に描いています。
今まで漠然と受け止めていた雑多な「オカルト」が一つの歴史の中に明確に位置づけられていくのは、読んでいてなんとも言えない爽快感があり、とても面白く読めました。
オカルトや新興宗教などに興味がある人(ただしガチの人は除く)には是非オススメです。
それでは、また。