【東京展 秋ノ篇 開幕】
鷁は早くも古代中国書から登場しました。平安時代から竜頭鷁首と四字熟語がつくほどにモチーフにされてきた瑞鳥です。
舳先(へさき)に龍の頭の形を付けたのが「龍頭舟」、鷁という想像上の鳥の形を付けたのが「鷁首舟」。龍はよく水を渡り、鷁は海難を鎮めるとされ、二艘一対になって使用された為、龍頭鷁首と呼んでいたんですね。貴族たちの舟遊びで使用されたり、雅楽奏者を乗せて船楽用にされたりしました。今でいう商談・社交パーティです。大切なお客様が溺れたりしないように、というもてなしの心からあしらわれたんだと思います。
鳥之石楠船神(天鳥船)や万葉集にも「沖つ鳥鴨といふ船」他にも古代は船に鳥の語や鳥名を称した例が多いように、鳥をタオニストとして舳先に飾る理由については諸説あり、大空を飛舞う自由な姿、水に浮かぶ不思議、人の死後に魂を運ぶもの、天と海とが一続きの空間と観念されたことから天空を翔る鳥と海を行く船とが結びついたとする説などがあるのです。
展示のお知らせです。
第四回目、おそらく今年最後になる個展。
白墨細密展―化身―
東京企画展 秋ノ篇
https://www.galeriefloraison.com/
場所:ギャルリーフロレゾン
日程:2023.09/26〜10/08
※10/01〜最終日まで作家在廊
(10/02のみ休廊)
時間:11:30〜18:00(日・祝17:00 最終日16:00迄)
「目的はただひとつ、赤城さんの作品をたくさんの人に見てもらう事。貴方の作品はもっと世に知られるべき。」
そうフロレゾンのオーナー岩本さんに仰って頂き、本当にトントン拍子で開催が決まりました。
画家が描いて・記録して・伝える意味を、お客様に感じ取って欲しい。
想い入れの念を最強に込めまくった展示です。
作品はいつも表情を変えない金太郎飴ではなく、作家と同じように成長していきます。
私は其れが顕著に現れるタイプで 感情や心境がモロに反映されてしまうので、描く時間は数日で完成しても、そこに行き着くまでの日常の積み重ねが大切なんです。
我ながら何かに取り憑かれた感覚でした。
まるで人ならざる叡智から”描け”と命じられたように。
止まない思考のまま動き、無我夢中に1ヶ月で描き上げた8枚の新作と過去作に更に加筆した関東初展示のみを御用意。
そこから更に厳選し、出品致します。
それまで過ごしたものを打ち込む、記憶の上澄みだけを掬った標本箱が画面になります。
日々集積した修行の集大成が、絵に新たな発見を吹き込んでくれる。
世界に不要なものなし。
時代と共に人”間”と関わり続けてきた妖たちの七変化を楽しんで頂けたら幸いです。
皮膚は何度も何度も再生するけど、同じ細胞ではないですよね。
今は今しかないから、振り絞る。
そこで鳴るものたちよ。そこで会おう。
待ち合わせ場所は、フロレゾンです。
本日開催、10/08まで。
私の在廊は10/01からとなります。
何卒、宜しゅう願い申します。
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