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第35話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び

点とは何か?

2.ゼロの点-2

 だって点が質量も面積も奥行きもなければ、その集合体である面は何もない事になってしまうでしょう!

 赤木館主は思いました。なんじゃそれ──。

 私、古沸妖もそう思います。なんじゃそれ!

 なんじゃそれーーーー!

 そこから宇宙が始まったってどういう事──誰か教えてーーーへっへっへっ…。

 でもね、大切なのは点そのもので無く「概念としての点」なんですな。

 お客様──中学生の時に教わったピタゴラスの定理は覚えていますか?

 そうそう三平方の定理ってやつですな。

 直角に隣接する線分abと対角線c。

 aの2乗足すbの2乗はcの2乗。

 a²+b²=c²

 3²+4²=5²

 つまりaが3㎝でbが4㎝ならば対角線は5㎝。

 ──でも
 1²+1²=2だからaが1㎝、bが1㎝ならば対角線は√2㎝。

 √2=1.41421356…どこまでも割り切れなーい、しかし対角線は図形を書けば目に見える、つまりそこにあるじゃない! ──なんじゃそれ。

 √3だってどこまでも続くーーーー。

 円周率だってπ=3.1415…どこまで続くーーーーーー、はぁはぁ…おっと失礼古沸妖ともいうものがつい取り乱しました…どこまでも割り切れなーい、しかし円は図形を書けば目に見える、つまりそこにあるじゃない! ボールも丸いそれも見えているし触れられるつまりそこにあるじゃない──なんじゃそれ。

 なんじゃそれ。なんじゃそれのオンパレードですが、実際近似値であっても円周率πが無ければ円がなりたたないし面積も円周も計算できない、図形を書けばその姿は見えるのに、数値としてはどこまでも計算できない──小学校や中学校で習うのに…。

 しかし、大人になった赤木館主はある事に気がついた、ある無しじゃなくて「人間が数値として表現しきれないだけ」なんじゃないのだろうか?

「表現しきれない」

 なんでだろうと考えた、そしてある事に気がついた、点=奥行きも質量も面積も持たないもの、つまり無、ゼロの点を基準にしているからじゃないか? ──とね。

 では点て何か、ゼロって何か?

つづく
→第36話

第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2
第15話 出会い-1
第16話 出会い-2
第17話 魂と脳という臓器-1
第18話 魂と脳という臓器-2
第19話 魂と脳という臓器-3
第20話 魂と脳という臓器-4
第21話 この物語の骨子-1
第22話 この物語の骨子-2
第23話 この物語の骨子-3
第24話 この物語の骨子-4
第25話 善と悪-1
第26話 善と悪-2
第27話 善と悪-3
第28話 学びあい
第29話 死とは何か?-1
第30話 死とは何か?-2
第31話 死とは何か?-3
第32話 死とは何か?-4
第33話 ブラックホール
第34話 ゼロの点-1



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