第31話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び!
人はなぜ生きるか?
17.死とは何か?-3
人が死ぬと、その高度な知能と複雑な感情表現を持ってるだけあって、納得しないとあの世には行けない魂が出てくるようですな。
野生動物でもそうですが、負の念が強いと現世に留まる魂がある。
魂は心を持ったエネルギー体であるからして、心のありようがその成り行きに大きく作用するようです。
人間に虐められてとことん人間を憎んだ動物も、負の念を増幅させて、魂になっても怨み続け、なんとかして人間を苦しめてやろうと思う。
また人間だって同じですよね、憎悪、苦しみ、怨念などが強いと、現世に留まって同じ苦しみを与えてやろうと思う。
歪んだ自己愛が増幅されている。
そういった心や自分が死んだ事に納得しない心が魂を現世に留めさせる。
もしくは全く逆の場合もあるみたいですが、現世に残してきた家族を思って、応援、他の悪霊から守っている、小さい頃亡くなって家族と一緒にいたい、といったケースもね。
どちらにしても、心に残った現世への強い思いがあの世へ行くのを躊躇させているのですな。
所謂、地縛霊や浮遊霊と呼ばれる幽霊です。
ここで館主の祖父の経験が生きて来る、祖父は戸惑っていた、つまり何でいつものように肉体がないのか理解できてない様子で現れた。
赤木館主が「じいちゃん死んだよ」というと、孫の言葉に納得して消えた。
つまり、死んだ事を素直に受け入れあの世へと旅立った、おそらくあの世で平和な生活をしている事でしょう。
どのくらい愛を学んだかは、現世にいる人々には計り知れないですが、赤木館主の守護霊である私古沸妖にはわかっていますが、言えません、へっへっへっ…。
浄化や供養と言うのは、こういった迷いや憎悪、現世への名残りを取り去ってあげて、あの世へスムーズに送り出してあげる事じゃないですかね。
だから現世を生きる人間が、御先祖さんに心配かけないように生きる事が最大の供養であると言われるんですな。
心配かけると心配がたたって、あの世からしょっちゅう現世に見にくるから、迷いの元となり、あの世でゆっくりしてられないんですな。
本来の姿として、肉体を失った魂はあの世に帰るものなのですから、肉体が無くなった事に納得して、どの魂も安らかに成仏してほしいものです。
ただし神格化された高級霊と呼ばれる霊は少し違うようですが、そこまで行き着くには、道のりは遥かに遠いいので、ここでは説明を割愛しておきますぞ。
ただ、魂の持っているエネルギーが虚数エネルギーであっても、心を持ったエネルギー体という事は、なんらかの電波なり、波なり、磁場なりを起こす事ができても不思議ではないと思えませんか。
というか、魂が心を持ったエネルギー体という事は、心がエネルギーをまとっているという事です。
つまり心とエネルギーは別ですな、じゃあ純粋な心とは何か、実体は目に見えないが実在して活動しているもの、質量がなくても肉体やエネルギーに虚数エネルギーを使って刺激を与えられもの、つまり物質界で言うと波みたいなものではないか。
それも電子や光や、音、振動で作られた波ではなく、空気や物質を介さない、振幅や波長、周波数そのもの。
心は個性を持った波のようなものではないか。
だから、人は脳死の判定に脳波計がゼロになったかを確認するのですな。
心が肉体から離れたのを確認するのです。
脳波は神経細胞の働きや、物質の働き、それに伴う電圧の変化などによって観測されるというのが常識のようですが、それは物質としての肉体の特性であり、そこに心は関係ないのでしょうか? 赤木館主は関係ないとは思ってないようですな。
心は脳で作られた物ではないと思ってるんですから、つまり脳があって心が作られるのではなく、心があってはじめて脳が動くという見方をしていますからね。
心が波のようなものであると仮定すれば、眠っている時に脳がシータ波を発生させてそれが観測されるのではなく、体の疲れが心に伝わり、体を休まさなければならないという無意識の意識が働き、眠りたいという心の動きによって、シータ波が魂から脳に伝えられ、脳や体を休ませる方向、つまり眠るという行為を促す。
例えば、心が安心した時にはその刺激(作用)によって、脳内にセロトニンが作られ、脳や神経や筋肉がそういった方向性を持つ反作用をする。
逆に麻薬のような物質が、脳の一部を麻痺させる事で、正常な心とのつながりを麻痺させて、心の多幸感だけが強調されたり、心が痛みを感じなくさせたりする。
つまり心は、実体は無いのに脳波や刺激を作り、また肉体からの刺激で変化する、だから心は波のようなものではないかと思ったんです。
物質的には波を起こす物質があって、その動きを伝播するのが波であるという捉え方ですが、魂のもつエネルギーが、人が認識できない虚数エネルギー、つまり全く正反対の性格を持つエネルギーとすると、現象も全く正反対、波ありきでエネルギーを動かす、もしくは作るのではないかと。
もちろん肉体からも虚数エネルギーの反作用として釣り合うべき、細胞が作る物質エネルギーが使われている。
加えて糖分や脂肪酸、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど脳に必要な栄養素を使って、脳が心の刺激に応じて物質を生成したり、ナトリウムイオンやカリウムイオンを使って神経細胞に伝達させたり、肉体が魂と作用反作用できるように、様々な脳内物質が作られているのではないでしょうか。
もちろん専門家ではないので、断言する事などおこがましいですが、心が脳によって作られた物ではないと考えると、そうなりますよね。
つまり人の死も動物の死もなんら変わりなく、魂が肉体から離れることだが、高度な知能と感情を持っているので、心のありようで現世を彷徨う個体が出てくるのですな。
つづく
→第32話
第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2
第15話 出会い-1
第16話 出会い-2
第17話 魂と脳という臓器-1
第18話 魂と脳という臓器-2
第19話 魂と脳という臓器-3
第20話 魂と脳という臓器-4
第21話 この物語の骨子-1
第22話 この物語の骨子-2
第23話 この物語の骨子-3
第24話 この物語の骨子-4
第25話 善と悪-1
第26話 善と悪-2
第27話 善と悪-3
第28話 学びあい
第29話 死とは何か?-1
第30話 死とは何か?-2