第34話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び
点とは何か?
1.ゼロの点-1
おやお客様、疲れておりませんか?
──はあ早く先にいけと…えーえーわかりました、続けましょう。
じゃあアカシックレコードから赤木館主が思いを巡らせた情報を引き出しましょう。
──ピピッ…KKo-0000356742112456886-ten番ですな。
さて改めてビッグバンについておさらいしておきましょう、偉い科学者がこぞって提唱しています。
どこか一点から、そう点から一気にぶわわわんと物質とエネルギーが飛び出して広がった。
そして宇宙が創造され混沌としたカオス状態となり、次第に安定して星々や太陽、銀河が形成された。
一点から多様な物質が飛び出した瞬間から時間が進み、空間が広がった。
観測上今でも宇宙は広がっているという事は、始まりがそうでないとおかしいって事なんですな。
一般的にはそれをしたのが創造主、神であると言われていますよね。
まあ宗教によっては宇宙の成り立ちや、創造主の解釈が違いますが、それは置いておいて。
またアインシュタイン博士が言っているように、神とは宗教で扱われている人格を持った存在ではなく、宇宙の法則そのものである。
そういった解釈もありますよね。
それを取り上げ始めると、世界中から攻撃の的になりそうなので(世界の人口のうちどのくらいの人がこの小説を読んでくれているかは別ですが)そんなの怖い、怖い、コワイヨウ、古沸妖、へっへっへっ…やめときますね。
しかし、真面目な話し、科学的にみてビッグバンはあったと思った方がよろしいですな。
もちろん赤木館主もそう思っているからこそ、妄想宇宙論なるものを書いているんですな、私古沸妖も赤木館主の創造物でありながら、守護霊という微妙な立場ですが、ふふふ。
ただ、問題は、なぜある一点から、宇宙を構成する無限とも言える多様な物質やエネルギーが飛び出したってことなんですよね。
お客様、だから、問題は点です。
この始まりの点がどこにあったか? 何であったのか? なんですよね。
でも、実はそんなに小難しく考える事もないんです。
なぜなら──そのヒントが小学校の算数にあります。
点が横に並んだら線、線が横に並んだら面、面が立体的につながったら立体なんて学びましたよね。
それでいて点とは奥行きも質量も面積も持たないそこにある一点、位置情報だけを持つ概念としての点──なんじゃそれっ、て感じでございましょう。
じゃあ、点が集合した結果生まれた、線も面も立体もありゃしない。
誰だってそう思う、古沸妖も赤木館主もそう思う、お客様だってそう思いますよね。
ふふふ、変なのって。
つづく
→第35話
第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
第13話 オカルトなお話し-1
第14話 オカルトなお話し-2
第15話 出会い-1
第16話 出会い-2
第17話 魂と脳という臓器-1
第18話 魂と脳という臓器-2
第19話 魂と脳という臓器-3
第20話 魂と脳という臓器-4
第21話 この物語の骨子-1
第22話 この物語の骨子-2
第23話 この物語の骨子-3
第24話 この物語の骨子-4
第25話 善と悪-1
第26話 善と悪-2
第27話 善と悪-3
第28話 学びあい
第29話 死とは何か?-1
第30話 死とは何か?-2
第31話 死とは何か?-3
第32話 死とは何か?-4
第33話 ブラックホール