第13話 学芸員古沸妖の妄想宇宙論【実体験×科学×オカルト=ビックバン】いっしょにぶっ飛び!
心ってなんだろう
5.オカルトなお話-1
えーっと赤木図書館アカシックレコードのokt00000024564324-I 番、ピピッとね。
「くれぐれもお伝えしますが、これは私学芸員の古沸妖と赤木館主しか取り出せない、赤木館主の実体験の記憶ですぞ、へっへっへっ…」
20歳の時ですな、大学生で四畳半の下宿に一人で住んでいた。
今じゃもう見なくなった、四畳半の畳敷きの部屋一部屋で、共同便所に共同の台所、鍵なんてあって無いようなプライバシーなど存在しない木造の学生寮です。
そしていつも敷きっぱなしになっている煎餅布団に寝ていた、深夜の事です。
その日は疲れていて、着の身着のまま布団に潜り込んだから、電気をつけっぱなしにしていたんですな。
自分の部屋のドアの向こうに、廊下を挟んで別の学生が借りている部屋がもう一部屋あるという間取りでした。
何やらいつもと違う感じがして意識をしっかりもつと、部屋の天井が見えた。
でもいつもといる場所が違うんです。
──天井すれすれに浮いている。
そのままドアを抜けて廊下に出るといつもと同じ廊下で暗い、でもいつもと違う、やはり天井すれすれに自分が浮いているんですな。
これだけだと何のこっちゃただの夢でしょうと思います、館主もその時そう思った。
そして再び部屋に戻ると、散らかった部屋の中にはいつもと同じように、コタツ机に、座椅子、昨日食べたコンビニの弁当箱、畳に散乱したレポート用紙など、寝る前のそのままの状態の部屋の様子が、天井すれすれから見てるので、俯瞰(高いところから見下ろすこと)で見えるんですな、勿論電気はついている。
「きたねーなー片付けなきゃ」と思いつつ万年布団を見たら自分が寝ているんです、気持ち良さそうにすっかり寝ている。
「やばい、帰れなくなる、俺は死んだのか?」と思って焦りに焦った。
その瞬間ジェットコースターが急坂を落ちて行くときの感覚って分かります?
加速度がついて心が置いていかれそうで、グワーンって落ちて行く感覚、それが襲ってきて視界が真っ暗になると肉体に何かが戻ったんです。
ドスンってね。
そして、目を覚ました。
汗びっしょりで、目を覚まして見えたのはいつもと同じ視界で、見えていたのは勿論、天井です。
──はい、幽体離脱ってやつです。
つづく
→第14話
第1話 1.プロローグ 2.ここは思念の世界です
第2話 3.物語を進めるにあたって
第3話 作用と反作用-1
第4話 作用と反作用-2
第5話 作用と反作用-3
第6話 概念における作用反作用-1
第7話 概念における作用反作用-2
第8話 心における作用反作用
第9話 思い出すってなんでしょう?-1
第10話 思い出すってなんでしょう?-2
第11話 思い出すってなんでしょう?-3
第12話 思い出すってなんでしょう?-4
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