君たちの名は
長女と次女には
それぞれに
それなりに拘って来歴もあって
名前を付けた
なかなかいい名前だと自分の名前じゃないけど
気に入っている
けれど
つい最近私の人生に影響を与えた本ベストテン中の
一冊の本を友人に薦めていて
その主人公の名前が長女の名前なことに気づき
まてよと
その作家の他の作品をWikiでさらってみると
ビンゴだった
代表作その2的な作品の主人公名が
次女の名前だった
げ
こんな偶然はない
これは奇偶ではなく
アタシがやったことだと
虫唾じゃなくて鳥肌が立った
私はおそらく記憶の引き出しに
その二人の主人公の名前をそっとしまい込んでおいて
表面には浮かび上がらせることはなかったけど
娘が二人産まれたときに絶対に検索をかけたはずだ
そして
別々のエピソードから取ってきたと
名付け親の本人すら勘違いしながら
無意識レベルでは対句的に名前を
2人の娘につけて
そのことをこの二十年近く意識に上らせることはなく過ごした
人間の情報処理速度は恐るべき速さらしくて
一瞬ちらりと見た景色の中の看板の文字のアナグラムが
次の瞬間に目にする景色の中で再現されたり
気づいていることの方が僅かで
どんどん意識下に送り込んでしまっている情報で
私たちはできている
(実際は忘れ去ってしまって細胞を作ることはないけど)
だから自分の血肉を作ったと思うくらい印象に残る小説の
登場人物の名前が
自分の娘らに投影されていると知ったときに
ああ、なんて素敵な名前を付けたんだろうと
自分の無意識に感謝してしまった
そしてそれをこのタイミングで
気づかせてくれる出来事が起こることにも
なんだかうまくできてるなあ世界はと
ほくほくとほくそ笑んでしまった
注)スピじゃないぜ赤毛は笑