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繰り返す日常を

朝起きて
カーテン開けて
洗濯機回して
お弁2つ作って
朝ご飯食べて
3つある屑籠に溜まったゴミを袋にまとめて
身支度整えて

なんて
特別なことは何もなく
極々ありきたりの毎日だって

生きてるだけで
実は結構大変なんだ

エントロピーはホオって置けば増大するらしいから
逆らうにはエネルギーがいる

1秒1秒死に向かうことに
喉をカッ開いて
生きろと叫び散らかすにも
マスクしてたら
余計に声を張らなくちゃ
邦楽ロックの神様に祈りは届かない

楽して生きられるわけじゃない

楽しいことは勿論ある
でもそれは黙っていて
雨のように降ってくるもんでなし

雛のように口を開けて待つもんでもない

マルコポーロみたいに
荒唐無稽と馬鹿にされたって
黄金の国ジパングは
探しに行かなきゃ
見つからない

だから

でも

順接か逆接かはわからないけど

身体が上手く動かなかったり
耳が聞こえなかったり
目が見えなかったり
光の刺激で脳が混乱したら

生きることが加えて難しいのは
それは事実だ

世界は普通の人を想定してできているから

白杖で安全を確認して歩く人基準では道路はできていないし

麻痺で手が震えて
トイレットペーパーカラカラすると
毎回床にロールごと落ちちゃう人を想定していないし

色覚以上で焼き肉が焼けてるのか
毎回わかんねえなって思いながら
こんなもんかなって半生のまま食べてる人のことは思いもつかない

マスクしてたら
健聴者の会話を唇読んで聞いていた聾の人は
このコロナの嵐の中でどれだけ途方に暮れたかしれない

ただ普通に生きるのだって大変なんだから
体や脳のどこかに病気や障害があって生きるのは
大変じゃないわけがない

生きるのが簡単じゃないからこそ
生きるのに必死だからこそ
熱量上げて
発熱していかなかったら
生きられない

でも大変な体と脳で生きるのは、
ふつうの所謂健常と言われる人たちと同じ地平の同じ日常で、
特別な毎日を生きるわけじゃない

だから特別なチャレンジの時だけ
もてはやすような
24時間テレビとか
余命何日の花嫁とか
ことさら悲劇性だけを高めるような
そこだけ切る取るみたいな描き方には
なんか違うんじゃないかなあって

かえって、
自分達とは違う人って
括ってるんじゃないかなって
違和感しかない

生きて何かをしようと思うからには
大変なことにはぶつからざるを得ないし
そうやってしか生きられないってことを
うまく動かない体を張って
でもごくごく普通に今日も生きているその姿に向き合うには
私も熱量上げて
熱くなければとても太刀打ちできやしない

腹の下丹田グッと力入れて
マスクで見えない口角上げて
体温コンマ5度上げて

おはようございます
寒くなりましたね
検温させてください
ごくごく普通の挨拶に始まる一日を
ただただ積み重ねて生きる



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