メタファー
ああ、赤毛のチコを名乗って書き始めてから、この写真だけは絶対に使っちゃいけないと、自分を戒めてきた。
ベタすぎるから笑
でも、今日使っちゃう。
だって、ピッタリなんだもの私のウナジに。
少年のように刈り上げたベリーショートにこの6年位していたのは、離婚の直接のきっかけになった存在のヒトが、腰を越えて膝まで届くような黒い長い髪の毛をしていたから。
蛇みたいだな。キモチワリイ。
黒くて長いものへの絶対的な嫌悪。その人を想起させる女性性の否定。
坂本龍一やサカナクション、韓流アイドルみたいに刈り上げてテクノカット
少年だかオバサンだかわかんない性別不明な存在感
ザックリ切ってみれば、伸びてきたときに、ちょうどよくなって顔に馴染んで
長くなってきてウザイ、まとまらないという感覚がないのが心地よくて
首筋を意識するから歩くときにも背筋が伸びて
あと、男か女かワカンねえ?って顔で見られるのも自分では可笑しくて、人って本当に簡単に見た目で判断してるんだよなって、肌身に感じて、ハイ私は髪の短い女ですよってスカート履いてるのが、天邪鬼的には楽しかった笑
男らしさとか女らしさとか頭で考えるより
自分が中性的な存在感を身に纏ってしまえば
身体感覚でジェンダー論も理解できるところもあるし
つまんねえ偏見で自分が人を見ていたことにも気づかされる
でも、病気プラス、邦楽ロックバンドにハマって、ボーカルを真似し出すという中二病に罹患し、パーマをかけたあたりからちょっと髪を伸ばし始めて、そしたらそれが意外と好評で、なんならその方がいいねみたいに言われることもポツポツ増えてくる。
え?刈り上げ赤毛のチコはイケテナカッタッテコト?
そんなことはない、あの6年間の充実、私が私であろうとして足掻いた日々を支えたのはあのカツアゲ、じゃなかった刈り上げだったと言っても過言ではない。あの子を私は置いてきてしまったのか?
おーい!チコー!
足は美容院に向かう。
ーお願いします。一回元に戻してください。ゴッチから、坂本龍一に。また伸びてきて、パーマかけるかもしれませんけど、今回はサクサクか、か、刈り込んでください。
ーはい。わかりました。前と同じイメージですね。
盤石の信頼関係。皆まで言うな。チャキチャキとハサミを入れてカットが完成していく。ありがとう。ノリ君。
帰宅して娘ら。
ー次女)うわー!短い!短すぎるよ!
ーいや、短くない。2月まではこの長さだった。しばらく伸ばしてたから、みんなが違和感あるだけ!ママは変わっていない!元に戻っただけ!
ー長女)うわーなんか、病気で毛がなくなって生えてきたばかりの人みたい。日常との違和感すごい。短すぎるよ!
ー不謹慎!そういう言い方!短くない!ちょっと暫く長かっただけ!
フーフー鼻息笑。やっぱりそうだ。しばらく伸ばして油断した。この短さが私を私たらしめてきたんだ。危ない危ない。売り渡すとこだった。
なんて経緯を、中性から女性に寄せ気味だった自分を反省したと友人に話したらアッサリ
ーそれはそれでいいじゃない
って笑われて、あ?そうかな?そうだったのかな?別に普通の人にしたら、前のアレも全然ショートだしな。そこまで戻る必要もなかったのかな、バージョン2.0みたいなの作ればよかったのかな?
と思い始めたけど、もう髪の毛切っちゃったー!!!笑
また伸びてきたら考えようと笑チクチクする襟足を撫でながら