夜を裂くのはサイレンの音
都会の真っ黒い夜の海
灯台の灯りを目指して
赤色灯を回してサイレンを響かせ
唇をキュッと結んで小舟は陸へと向かう
ハヤク、ハヤク、コッチヘ
ココマデクレバモウダイジョブダヨ
モウスコシ、モウスコシ、ガンバッテ、モウコワクナイヨ
自分が今こちら側に押し戻されたのも理由なんか多分ない
だって、押し戻さなくて良い命なんてないから
神はいない 仏はいた 私は誰に祈っているのだろう
ただただ、少しづつ近づくサイレンの音に祈りを重ねる
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