変わるものと 変わらないものと
最近ちょっと星回りが変わり始めているというか、ハプンすることが増えていて、半世紀生きてきてみて、こういうゾーンに入るときは、確変じゃないけど、次の子を連れて次の子がやってくる状態になるので、こちらはなるべくホケーっとして待っているのが吉だ。
長谷川雄二さん。
20年くらい前に、高円寺や阿佐ヶ谷で元夫とライブをよく見に行っていた。ヤミ金ウシジマくんに出て来そうな風貌と裏腹にとーっても腰の低い優しい方だった。
元夫とは離婚後は顔を見るのも嫌で蛇蝎の如く避けてきて、養育費以外は関係ないスタイルを貫いて5年。心に凪が訪れた。
ところ、に、
彼からの、癌と始まる抗がん剤治療の報告。ひとつは経済的な状況を確認するため(養育費進学費用。現実はそう)ひとつは人として。内容から電話で済ますわけにはいかない、実際に会って膝をあわせて話さないとダメなヤツだ。
正直な話。彼の病気を思うよりも、顔を見ると(今だに?シクシク)痛む古傷や蘇る記憶やパターンを封印する方に自分の気持は忙しい。
ハヤクカエリタイ
事務的にビジネスにと自分に言い聞かせ、お茶だけ飲んで逃げるようにそそくさと踵を返す。
ヤッパリダメナモノハ ダメダナー
潮目が変わったのは、私自身が彼岸を向こうに確かにみた時から。なんだか、色々拘ってるのが、面倒くさくなってきた。ざっくり言ってしまえば、どうせ死ぬのに、どうせ何にも持ってはいけないのに、恨み言や胸かきむしった記憶じゃなくて、持つなら大切なもの、好きなもの、楽しいもの、ワクワクするものにした方がいいんじゃね?と思ったのが大きい。
6年ぶりに誕生日に花を送られ、子どもにブッチされて二人で行く羽目になったホテルのアフタヌーンティーコースも笑いながらありがたく頂き、久しぶり会った古い友達みたいに、仕事のこと、音楽のこと、旅のことを屈託なく話せた。
ヤレバデキルモンダナ
ームンバイで初めて会ったあの頃と君は変わっていなくて、安心した。
というようなことを、元夫は宣わったが、バーロー💢そんな訳ないやろ!全くどこまで夢見る夢子チャンなんだ!変わってないのは君だけ!ここまで私が立て直すのにどんな血反吐を吐くような思いをしてきたかわかんないの!と、キレ散らかす私に、ゴメン、僕がいうことじゃなかったと反省(彼なりに。)
ー長谷川くんの音楽、覚えてる? と元夫。
ーうん。覚えてるよ。平井大橋の歌の人でしょ。20年ぶりに思い出した。私の長期記憶はヤッパリ凄いなあ。
ー阿佐ヶ谷のひかり荘はまだあるんだよ。
ーセツナイ歌だね。上手くいかないふたり。
ーポーグスのこの歌も、いいよ。
音楽との幸せな邂逅が周りで起き始める。人との出会いが、自分の記憶を塗り替えてゆく。なんだ、私の長期記憶もいい加減なもんだな。