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lazy_planet
思い出の噴水ドトール
渋谷のタワーレコードの近くのドトール。
噴水の周りをぐる〜と囲ったカウンター席がある。
私は今そこにいる。
久しぶりに買い物のために表参道にきた。
この街に来るときまって思い出す人がいる。
大学1年生の時に出来た、2つ年上の彼氏だ。
なんでお別れをすることになってしまったのかは、よく思い出せないけど、2年くらい付き合ってたはずだ。
田舎の高校に通っていた私からすれば、モデルのような人ばかり行き交う表参道も、2個上のおしゃれで背の高い先輩もものすごく新鮮で、そしてなんだかショーウィンドウに映る自分がすごくちんちくりんに見えたのを覚えている。
彼の行きつけの美容院も古着屋さんも、目立たないとこにあるオニツカタイガーもマリメッコも、ほぼ豆みたいなサラダプレートが出てくるカフェも、当時は自分には程遠い世界すぎて、何も楽しくなかった。
池袋のGUが好きだし、ジョナサンのドリンクバーが大好きだったから。それは今でも。
そんな風に最初はそわそわしながら必死に背伸びをして、デートを重ねていた。
表参道と原宿を散歩したあと、いつもその足でそのまま渋谷まで歩いた。
その途中にあるのが、この噴水ドトールだ。
噴水ドトールで疲れた足を休ませて、次のデートの計画を立てたり、同じような画角のツーショットを何度も撮ったりした。
今、私の対角線上に、大学生カップルであろう男女が、仲睦まじげに写真を撮っている。
彼女が彼氏に耳打ちして、必死に笑いを堪えているけど、ケタケタと2人して声が漏れ出ていてかわいい。
私たちも当時はこの噴水ドトールで、誰かの目にはあの男女2人のようにうつっていたのだろうか。
そんなわたしも歳を重ね、マリメッコでお皿と布を買う女になっている。