2枚足りなかった

昨夜、ふと今日のことが心配になり、午前中は集中力を温存するため、結構だらだら過ごしていました。ドラムを練習したり釣りの仕掛けを作ったり、現在作っているものを少しずつ組み立てたりして、結局遊んでいるような感じでした。

午後2時ころ、学校に行って繊維の準備をしてから、まずは試しに1枚紙を漉きました。先に生徒さんたちが漉くことになっていたので、枠はA4を使用しました。

このサイズは卒業証書を作るときに使われます。釘は、漉いた紙を重ねる時のガイドです。
A4の枠。B 先生が高知県から取り寄せてくれました。結構かかったそうです……。

3時ころから作業を始めて、今日は6人の生徒さんと1人の先生が無事に紙を漉きました。非常に上手な子たちがいたので、思わず「随時会員募集中ですよ」と言ったら「そんなに(上手だった)?」と苦笑いしていました。今回紙漉きに来てくれた生徒さんたちは、きっと進学や就職でこの町を去ることになるのかもしれませんが、どこにいてもこの学校のことはたまに思い出してほしい、と思いました(OBでも会員でもないので、私が言うのも変な気がしますが……)。

皆が帰ったあと、注文を受けていたA3ノビの和紙を漉き始めました。今日は作業者の中で和紙を漉くことができるのは私しかおらず、長丁場になると思ったので「繊維がなくなるか倒れない限りは頑張ります」と言ったら、店主さんが「心配ない、倒れたらjun1くんを「打解」する(繊維を叩いて細かくする≒たたき起こす)から」と、割ときついジョークをかましてきたため「打解されてはたまらないので気合入れます」と言ったら笑っていました。

(昔はこういうジョークに対応できなかった気がしますが、おっさんになってから少し余裕が出てきたようです。私の中身もいちおう成長しているんだ、と思いました。)

Nさんに手伝って貰ったり、店主さんに新しい繊維を作って貰ったりしながら、18枚漉くことができました。私は最後まで倒れることはなく、繊維の方が先になくなってしまったので、今日はそこで終わりました。「惜しかった、20枚行けなかったか……しかし、あれだけ繊維を作ったのに一瞬でなくなっちまったなあ」と店主さんが少し残念そうにしていました。久しぶりにサイズの大きい和紙を漉いたので、私も繊維の消費量に驚きました。

(こちらの方言で言うところの「使わさる」というやつです。「動詞の未然形+さる(さらない)」で「(話し手の意思とは関係なしに)それが起こる(起こらない)」といった意味になります。例として「このペン書かさんねぐなった(≒このペンは(インク切れなどが原因で)書けなくなっちゃった)」「年末年始hぁどうしても金使わさっけな(≒年末年始はねぇ、(何かと入用なので)どうしてもお金使っちゃうんだよね)」などがあります。)

全体的にうまくいきました。今回は「ネリ」(粘剤。いわゆる「バインダー(つなぎ)」のような役割)を合成のものに変更して作業したので、十分な粘度を維持できたのが大きかったです。
18枚重ねた後。この後脱水して乾燥させれば完成です。

6時ころまで作業をしてお茶をご馳走になり、帰宅したのは7時を過ぎてからでした。A3ノビの和紙は昨日と合わせて28枚、目標の30枚には足りませんでしたが、それでも十分なストックを作ることができました。何よりも、3年生の生徒さんと先生方が皆、無事に紙を漉くことができて安心しました。今後、データができ次第印刷に入ることになります(一発勝負……)。

明日は薪割りや、細かい作業をして過ごそうと思います。今年もあと10日ほどで終わりそうなので、バケットリストの振り返りも少しずつ書いてここに投稿してみようかと思っています。