朝井リョウさんの「正欲」を読みました〈感想〉
皆さん、こんばんは。
名前を変えました。アキトになりましたので、今後はこの名前でよろしくお願いします。
今日の作品は、
朝井リョウさんの「正欲」
読んだ感想と思った事について書いていこうと思います。
この作品は2022年本屋大賞を受賞し、現在映画が一部映画館で公開中です。
私も映画公開の知らせと同時に気になったので買ってみました。
そしてつい先ほど読み終えました~
ちょっと書かざる負えない!!話させて!
〈あらすじ〉
あらすじはHPから引用します。
このような作品です。さまざまな登場人物が登場し、それぞれの視点で物語が語られていきます。始めは別の話をしているだけのものが、だんだんと繋がっていき、やがて一つの出来事に繋がるという不思議な物語でした。
そして深く考えさせられるような物語でした。日常では考えないような予想外のボールを投げられました。
〈感想〉
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この作品の感想を描くのかはすごく迷いました。なにせすごくセンシティブな話だと思ったからです。でも自分のなかだけで抑えることも出来ませんでした。それくらい考える内容でした。
タイトルの通り、メインで描かれているのは性的思考と人間関係の交差です。登場人物の中でも夏月と佐々木は水そのものに性的興奮を覚える人たちで、それをだれからも理解してくれないことに憤りと不平等を抱くも世間にあきらめを感じていました。他の人は性的な話を大っぴらに話しても何も言われないのになぜ自分たちは認められないのだろう、と言いながら自分だけの世界に閉じこもります。学生時代にその性癖を打ち明けあい、水道で二人で見つめ合った日を思い出し、同窓会を機に二人はまた連絡を取り合います。そこで二人は恋愛感情はなくても性的思考を共にする仲間としてどこにも行かないでと言い合い、暮らします。普通を体験するために愛し合わずとも性行為を行います。
それがなぜか私にはとてもきれいなものに移りました。性行為をしているのにもかかわらず官能的な雰囲気は一切なく、神秘が広がっているように感じてしまいました。
性癖なんて人に言うものじゃないし、いくら他の人が話していようとも自分は話そうとなんて思わないので、私にとっては大きな声で言いずらい話です。
作中で小児性愛者についての話が出てきます。普通の人と同じように性的欲求を満たしただけなのに他の人からは異常性癖者だとか犯罪者だとか言われ、虐げられるという話が出てきます。
これに関しては正解が本当にわからない。
生まれ持った時からの性癖だし、自分が悪い訳でもないのに生まれた時から虐げられるなんてかわいそうだし、多様化と言っているならそれも認めてくれと思うけれど、でも犯罪をされてはたまったもんじゃなくなかなか認められない。
この論争は本当に終わりがない。可哀そうと思うのも変だし。
どうにもなりませんよね。と考えさせられました。
こういうのを研究しているのが心理学者や法律学者なのかもしれませんね。
人によっては胸糞作品になるのかな。
私も、読んだ直後はなんだか釈然としませんでした。
これを読んでどうしろと、と思いましたが、
なにも考えなくていいのかもしれませんね。
そういう人がいるという事実だけを知っていれば十分なのかもしれません。
ちょっと暗い話になりましたが、一度読んでみることをおすすめします。
新しい視点と不思議な気持ちになれると思いますし、自分の性癖についても向き合うことになるかもしれません。自分とは違う視点の意見を知り、自分の考えに落とし込む。それは、小説を読むことの本質だと思います。
あと題材に反して全然エッチエッチじゃないですからね!
あくまで神秘的な性を描いていますからね!
〈余談〉
一個だけ言いたいことがある。これは読んだ人しかわかってくれないと思うけれど、1つだけ登場人物にムカッとしたポイント!
「わかってほしいことがあるなら口にしないとわからないだろ!!」
登場人物が自分が異常だと知ってからどうせわかってくれないだろうと会話相手になかなか話さず、もういいですと諦めているようなそぶりを見せるシーンがあります。そこで私はムカムカしてしまいました。
わかってほしいのかどうでもいいのかわからないよ・・・
もしかしたら登場人物たちは自分の性癖について理解してほしいとは思ってなくてなにも聞かないでと思っていたのかもしれませんね。だからこそ歩み寄ろうとした人たちに冷たい態度を取ったり、何も言わなかったりしていたのかもしれません。
ただ私はその歩み寄る人への態度がすこし気に入らなかったなと思ってしまいました。優しい人がそばにいるのに小さくなってしまった人たちだとすこし下に見てしまいました。もうしわけない。
私、「察して?」系の言葉を軽々しく言う人嫌いなのですよ・・・
私の考え方が間違っているかもしれませんが、一度読んだだけではこのような一方的な意見が出てしまいました。
ここらで以上にしましょうか。ただ感想をどこかに書き込みたくてこの場をお借りしました。
でもみなさん、一度読んでみてください。
視点が広がるし、あらすじ通り、
読む前の自分には戻れません ――――――
それでは今回はシックな感じで終わります。
さようなら。おやすみなさい。
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