打ち切り文化にメスをいれろ!「小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている」〈感想〉
お久しぶりです。
ラノベ感想ブログへようこそ。
アキトと申します。
今回は、
「小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている」
という作品を読んだので感想を書いていこうと思います!
私がこの作品を読むきっかけになったのはなんと言っても作者さんです。
この本を書いたのは望 公太さん。
以前「異能バトルは日常系のなかで」というライトノベルを連載していました。私はその作品が大好きで読んでいたので書店で「望さんの新刊だと!!!!??」とびっくりしてついつい手に取りました。
◎あらすじ
とは言っても主人公と後輩のラブコメというわけではなく、何か特別な能力があるわけでもなく、ただ漫画好き同士が最近の漫画について語り合うだけのほのぼの〜としたコメディ作品でした。
一巻だけでも満足するくらいのさくっとした話で、終わり方もしっかりとまとまりのあるとっても読みやすい作品でした。
◎感想と魅力
漫画好きであればあるほどハマる作品!!
テーマが「打ち切り漫画」ということで、出版社の裏側や打ち切られるまでの悲しい過程が主人公たちの会話から繰り広げられていてとてもおもしろかったです。
その漫画の闇を話していると思いきや、後輩ちゃんとのボケとツッコミのテンポが良くてつい笑ってしまいます。
本当のことかはわかりませんが、
雑誌の掲載順は売れている漫画順で打ち切り寸前の漫画は雑誌の末尾に掲載されている、とか…
出版社が言う発行部数や売り上げ部数には電子書籍の配信分が含まれていないから本当の部数ではない、とか…
そういった少しブラックな事情を話しています(笑)
また特に面白かったのは、
遊さんが言う「打ち切り漫画あるある」です
・終わりに近づくにつれてたくさんのキャラクターが一気に登場するけれどパタリと連載が止まる
・作家が初期に設定を盛り込みすぎて上手く使いこなせてない
・伏線をたくさん張るものの回収するほどのストーリー展開が出来ずにそのまま埋もれる
などなど。
「……わかるっ!!」ってなりますよね。
私はどちらかと言えばライトノベルでそれを味わった経験がありますね…
急に終わるやん!!みたいな。
「うんうん」とうなずきながら遊ちゃんの話に共感していました。
また、この二人のほかにもう一人キャラクターが出てくるのです。その子が結構ギャルっ子で、漫画好きなんですけど遊ちゃんとは真反対でメディア化した作品しか読まない子なのです。
なんだろう、その子の話もすごい共感して。
漫画って博打みたいなもので開けて読まないとおもしろいかわからない!だからもうおもしろいって確定されているメディア化作品や人気作品を読めば100%おもしろい作品に出会える!
って言ってました。確かにって思いますよね。
メディア化しても面白くない作品もあるにはありますが。発掘するよりはまだ面白みが確約されてますからね。
そういった漫画の楽しみ方もありなのかなって思いましたよ。
◎個人的に思う事と根拠のない考察
ここからは根拠は全くなく、私がただ思ったことなので賛否あるようなものだと思います。
そして作家自身に届いたらほんとにすみません。
今回のテーマは、打ち切り。
私は思ったのです。
「あれ、これ、望さんの実体験や他の作家さんから聞いた話じゃ…ない……よな」
以前連載していた「異能バトルは日常系のなかで」という作品。
私の記憶だと、最後の方半ば強引に終わったような気がするんです。新キャラがたくさん出てきましたが、そのキャラクターと主人公たちが直接対決という形で終わりました。
わからないですよ?
当時の私はそんなふわっとした終わり方に慣れてなかっただけかもしれません。
ただ、少しだけそう思ってしまいました。
だからこの作品は一種の自虐なのかもしれない、と。
でも…
だからこそこの作品、とても愛そうと思えました。
作家という立場にいる以上、逃げきれない題材を書こうと思った決意を強く感じる作品でした。
あと、
この作品を最後まで読んだ方はもしかしたら、
ただのコメディだと思わないかもしれません。
最後の最後で、予想外の展開が待ち受けていますから。
◎さいごに
「小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている」
いかがでしょうか。読みたくなったでしょうか??
私自身考えさせられることがあるラノベだと思ったので、こうやって記事として書いてみました。
誰かの心に刺さる言葉になったのであれば幸いです。
最後に各SNSを載せて終わります。
では、また次回お会いしましょう!!
アキトでした。
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