人生の予定が狂った(起業します)
※この記事は、私の起業記念note二部作のうちの第一部(ポエムの部)です。第二部では事業にかける思いを真面目に綴る予定です。
起業します。
突然ですが、この度キャディ株式会社を退職し、起業することになりました。
提供するのは、企業向けのDX推進サービスです。
私は10年以上にわたるプロダクトマネージャーとしてのキャリアを一旦ここで終えます。
もちろんプロダクト開発のバックグラウンドは私の強みですし、今後も時にプロダクト開発をすることもあると思います。ただ、「プロダクト開発」ではなく「DX推進サービス」と言っているのには理由があります。
私は企業のDXを長年にわたり間近で見てきて、DXを減速させる問題のひとつが作りすぎ(オーバーエンジニアリング)であると感じました。
私達は開発の能力を有します。しかし、時に「作らない」という決断をすることも重要です。私達は、作るものを最小限にしながら、本当に意味のあるDXを推進したいと考えています。
会社について詳しい話はまた後日投稿予定の起業記念note第二部に書きたいと思いますが、昔した謎の決意に基づき、ちゃんと後株にします。(何かの間違いは意外と早く起こってしまった…!)
起業なんてもっと先の話だと思っていた
私の人生、いつか起業したいという気持ちはずっとあったのですが、今するつもりはありませんでした。でもします。予定が狂いました。
私が生まれたのは長寿家系であり、私自身も長生きする気満々でした。そして遺伝子検査をしたらやはりテロメアが長い(= 細胞分裂できる回数が多い)傾向にある遺伝子を持っているということで、きっと本当に長生きなのだろうと思います。
これについて考えるようになってからずっと、私にとっての恐怖は寿命が尽きることよりも、寿命を全うする前に脳が思うように働かなくなることでした。そしてそれを防ぐにはずっと脳を使い続ける、つまり働き続ける必要があるだろうと考えています。
そうすると多分私にとって最適な生存戦略は、60ないしは65歳まで会社員としての恩恵を最大限に受けながら起業のための体力(文字通りの体力も、仕事を得る力という意味での体力も含む)をつける、そして会社員を継続できない年齢になったら起業するということだろう、と考えていました。
つまり私のライフプランとしては60代で起業するつもりだったのです。
予定を狂わせたもの
さて、私がこの記事で「私達」という表現を使っていることにお気づきでしょうか。間違いなく、私が自分の人生の予定を狂わせてまで起業を決意した最も大きな理由は共同創業者をはじめとするメンバーです。
起業しない理由はたくさんありました。正直、私はまだ準備ができていなかったし、刺激的なフェーズのキャディを退職することにもためらいがありました。それらを全部突き破って、「私は今この人達と起業したい」と強く思ったのです。
それぞれが私に無いものを持っていて尊敬できるし、私もまた他のメンバーにないものを持っているという関係性です。私は私がやりたいことを、一緒に働きたい人とやるために、起業します。
ところで私は自分のやりたいことをやるために起業するのであって、キャディに不満があるわけではありません。もちろんキャディの悪いところはいくらでも思い浮かびますが、それらはいずれも退職するほどの理由ではないですし、完璧でないのはどこの企業も同じことです。
前回私が転職しようと思ったきっかけのひとつは、「私の貴重な30代の時間をここで使い果たしていいのだろうか」という危機感からでした。そしてあらためて今それを振り返った時に、間違いなく言えます。キャディは、私の残り僅かな30代を捧げるのに最適な会社でした。
しかし、その全てを捧げ終える直前に私は次のスタートを切ることにしました。
いいから笑ってくれ
きれいな感じでまとめようと思ったんですが、ちゃんと白状します。私が入社エントリで何を書いたか覚えていますか?
2年でやめちゃったよ…笑ってくれ…
今やっていること
諸々のペーパーワークをこなし、登記準備がもうすぐ整います。それと並行して、ビジネスプランを立てたり、予想外に儲かっちゃったらどうしようという妄想をしてみたりと、日々忙しくしています。
実はまだ私の稼働に余裕がありそうなので、営業活動もしています。お仕事ください…!
起業にあたってのこだわり
私達はIPOを目指しませんし、大規模な資金調達もしません。採用をすることはあると思いますが、社員数が3桁になる未来は想像していません。
私はこれまでソニー、ユニクロ、マクドナルドというグローバルブランドで働いてきましたしキャディもこれからグローバルでのプレゼンスが上がる会社だと思います。でも今回創業する会社は(現在の予定としては)グローバルには展開しません。
今回こだわっているのは、「自分の手の届く範囲にいる人達の生活をちょっと良くする」ということです。私達がいることで、私達のお客様がまた、その手の届く範囲にいる人達の生活をちょっと良くすることができたらこれ以上の喜びはありません。小規模な集団が世界に大きなインパクトを直接的に与えることは難しいので、この小さな波及効果に期待するしかありません。そしてその効果を最大限にするために、私達は目に見える範囲で最高品質の成果を挙げることにこだわります。
そしてもうひとつ。私はこれまで概ね5年ごとにキャリアの転換期を迎えました。そのため今回も、5年でしっかり大きな成果を挙げることをまず目標にします。もちろん5年間の成果を以て、お客様に支持していただいてその次の5年、10年…を迎えることができたらとても嬉しく思います。
採用に関する考え方
上述のとおり、私達は人数を大幅に増やして拡大路線に進むつもりはありません。人数や売上規模よりも、プロフェッショナルとして振る舞える人たちの集団であること、再現性高くお客様に成功をもたらすことができる集団であり続けることを重視するからです。
そのため、ある程度軌道に乗るまでは正社員の採用を予定していません。
ただし、将来的に方針が変化した際に向けた長期的な関係構築のためのご連絡は現段階でも受け付けております。
最後に少しだけお願い
へー起業するんだ!おめでとう!
と思ってくれた皆様。そのお祝いの気持ちを少しこちらにいただけませんか。こちらはAmazonのほしいものリストなのですが、私がほしいものではなく…気になった方はまずリンク先を見てください。(私の行動に詳しい人にとっては、いつものアレです。)
どうしても私に直接送りたいという方は下記のリストからお願いします。ただこちらは、オフィスに欲しいとかじゃなくて超個人的に欲しいものなので、貢ぐ気概のある方限定でお願いします!
第二部はこちら