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初めての投稿

先日まで日系・外資系証券会社併せ、投資銀行部門で20年間勤務し、一念発起して起業のため退職。現在、会社設立の準備をしたり、新規事業の立ち上げのために準備したりしつつ、今後の会社の経営方針・事業計画・事業展開なども検討中。

退職理由・起業理由

退職する際、色々な人に聞かれた質問。何故今辞めるのか?

第一に、Work & Lifeバランスが人生にとって重要だったから。よく投資銀行は激務といわれるが、それはジュニアに限った話で、シニアになるにつれ、それほどでもなかったので、正直忙しすぎたという理由ではなかった。私の場合、時差関係ないメールのクイックリプライ、海外との深夜・早朝のコール、RFPのお陰で週末つぶれるなどあったものの、恐らく他業界比較でも一般的には許容範囲だったんだと思う(特にコロナで在宅勤務が増え、移動時間や出張が減ったことも大きい)。それよりも、自分の時間をもう少し自分でコントロールしたかったということ。意外にもこれが大きなストレスだった。何だかんだClient-orientedな仕事柄、自分で時間をコントロールできなかった。もっと家族との時間、特に子供と過ごす時間を増やしたかったことが大きい。(但し、起業も大変なはずなので、この点は今後どうなるかまだわかりませんが)

二番目に、起業してやりたいことがあった。投資銀行業務は今後も何らかの形で携わって行きたいが、それ以外では教育と旅行に興味があった。特に教育は、両親が教育関連の仕事であったこと、子供を持ってから益々興味が湧いたこと、10年前に海外で生活をした際に日本以外の教育制度に関心をもったことなどがあった。昔から頭の中でグルグルとアイデアを回しながら、将来起業してやりたいことが自然に漠然と出てきた。とりあえず、まずはシンプルにできそうな教育事業を展開する予定。旅行に関しては、30代で妻と色々な国を訪れる際に、自分で色々と旅行プランを練る中で、もっと良いサービスがあったら良いのにと思ったこと、旅行が教育にとって非常に重要である、ということに気づいたことである。今後の事業展開としては、教育事業の後に旅行というテーマも考える予定。

最後に、投資銀行業界は引退時期が早いので、さらに昇進できたとしても恐らく現役で活躍できる期間はあと10年。子供もまだ小さく、自分も70歳までは働く意向があるので、中長期的な安定収入も考えると、今から準備含めて早めに着手した方が良いと思ったこと。ただ、私が仕事を辞めて、収入が不安定になることは、妻に多大なストレスを与えてしまっているという現実にも直面しているため、一刻も早く事業が軌道に乗ることを今は目指している。

退職して変わったこと・わかったこと

第一に、SNSなどでの情報提供に制約がなくなった。金融業界は、情報の取り扱いに非常に厳しい。特に私の関わった投資銀行業務は、インサイダー情報の溜まり場なので、SNSでの発信、家族・友人との会話に出すことは、一切禁止(退職後であってももちろんインサイダー情報の提供は当然禁止だが)。実際、SNSを利用している現役投資銀行マンはいるが、あくまでもプライベート利用。会社からも控えるように言われているケースが多く、非常に真面目で保守的な人が多い業界なので、基本的にSNSを活用していない人が大多数。私も全くしていなかった。仮に問題が発覚すると、ペナルティを受けるだけでなく、インサイダー取引に発展すると最悪のケースは逮捕に至ることもある(最近ではドンキの元社長がそれに該当)。

第二に、投資が自由にできるようになった。現役時代は、投信、ETF、国債、為替、自社株など基本可能だが、色々な制限もあったりして面倒でやっていないケースが多い(但し、それら金融商品に関わっている人は当該金融商品の取引も不可)。クライアントに市場や株価について語ることが多かったが、実際取引していないので、実は投資未経験者がほとんどというのは、笑える。但し、ここもインサイダー取引はできないので、担当企業の株式を買うことはしない予定(仮にインサイダー情報を持っていなくても、ないことの証明ができない)。

最後に、投資銀行業務は寡占ビジネス。M&Aで言えば、業界内にいても大型案件の獲得は当然難しかったが、業界離れ、中小規模の案件も外から見ても同様。全体的に承継問題などで件数・金額は増えていても、新たなFA業者が乱立しており、手数料競争も激しさを増す一方。最近では中小規模のM&A向けにM&Aプラットフォーム運営会社も増加しており、FAを必要としないファンド案件が多くなっていることから、投資銀行業務はさらに競争激化が増すものと思う。スポット案件はあるものの、M&Aアドバイザリーや資金調達アドバイザリー業務で事業の安定化を図るのは、今後とも難しくなっていくと思う。私自身としては、可能な範囲で誰かのためになる案件があれば、当然続けていきたいビジネスではある。

次回から

今回は初回なので、自己紹介的な内容でしたが、次回以降は、具体的なトピックをもとに投稿していこうと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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