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日報001 最後の砦

外資IT営業の業務日報を書いていく。

仕事における最後の砦として機能する人について書いていく。
ここでいう「最後の砦」とは、その仕事が今、どんな状態であれ、期日までに人様の前に出せるような形に持っていける人のことをいう。

最後の砦となる人の特徴は以下の3点である。

  • 仕事を構成するタスクの全容を理解している

  • 提示する人様が求める品質を理解している

  • 「これでいっか」と終わりを決める

1人で全部やれる

最後の砦になる人物は、基本的に自分が責任を持つ範囲の仕事は、1人で全部やることができる。
当たり前のことのように聞こえるかもしれないが、これができる人は非常に少ない。
「できました」と言って持ってこられた内容が、全く品質にマッチしていなかったり、期日ギリギリに粗悪品を納品してくる輩を大勢見てきた。
そのゴミ納品物を見て、最後の砦は、黙々と手を動かし始める。
仕事を構成するタスクの全容が頭に入っており、どのタスクを仕上げると最終的にOKが出るかを知っている。
究極の話、1人ですべてのタスクをこなすことができる。

合格品質

仕事には、まぁええやろ、と許される最低合格ラインが存在する。
それを下回ると、周辺からの信頼を失い、最終的に孤立していく。
最低ラインを2回連続で切ると、ほぼ信頼は無くなると思って間違いない。
最後の砦は、最低ラインを切った状態で人様に納品するのを防ぐことになる
変な言い方をしたが、最後の砦は、防ぎたくて防いでいるのではない。
自分が最終防衛ラインであることを自覚しているために、防がざるを得ないのだ。

砦に群がる無能

最後の砦の周りには、複数の無能が群がっている。
どこかで「最終的にはあの人が巻き取ってくれる」という気持ちを抱えたまま仕事に取り組んでいる輩だ。
自分がそうであるかどうかを見極めるのは、非常に簡単だ。
自分が最後の砦である自覚がなければ、砦に群がる側である可能性が高い。
“ラストマンシップ”という言葉が出てきて久しいが、ラストマンシップを持っている人間は、何度も言うが、自分がラストマン(最後の砦)であるという自覚を持っている。

仕事を終わらせる人

仕事には必ず、”終わり”がある。
“終わり”を決められる人がいると言った方が正しい。
仕事は、インプットとアウトプットの連続である。
誰かが作ったアウトプットが、次の誰かの仕事のインプットになっている。
営業の場合は、最終的なアウトプットが提案書であることが多い。
提案書の内容においては、営業が最終的な判断を下す。

余談だが、日系の大手企業(いわゆるJTC)では、最終的なアウトプットの判断は、一営業担当者ではなく、課長以上などの管理職が責任をもってレビューし、品質を担保することが多い。
しかし、一般的に、外資系のIT企業の営業は、Representative (会社の代表)として責任を負っているため、一営業担当者が提案活動におけるほぼすべてを判断することができる。
会社の代表として、売上を上げるプロフェッショナルとして雇われているからだ。

  • 仕事を振られている立場か、仕事を振っている立場か。

  • レビューをしてもらう立場か、レビューをする立場か。

  • 作業をする立場か、作業を終わらせる立場か。

自分がどちらの立場にいるかは正確に把握しておく必要がある。
当然だが、終わらせることができる立場の方が、市場価値は高い。
また、最後の砦たる人物は、須らく仕事を終わらせることができる側の人間だ。

最後の砦になれるか

これは、ある意味、運の要素もかなり強い。
通常の業務をこなすだけでは、最後の砦にはなれない。
ラストマンシップは、日々の業務をこなしても、身につかない。
では、どうしたら身につくのか。
これは時代(2024年現在)と逆行する話だが、ケ◯の穴から血が出るような激務や、炎上プロジェクトから生き残るしか方法はない。
周囲が離脱したり、辞めていく中で、最後の1人になっても、激務をやりきった経験からしか最後の砦になるための素養は身につかない。
最後に身も蓋もない話をしてしまった。

補足 : 優秀すぎるケツ拭き要員

注意事項だが、最後の砦は、組織の中でうまく使われる場合が多い。
炎上プロジェクトの火消し役として投入されたり、主体性のない人物を押し付けられたりすることが多々ある。
さらに、組織では、1人を特別扱いすることができないため、最後の砦は、その他大勢と同じような給与体系で雇われることになる。
これに関しては、以下のラジオが解説してくれている。


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