伊藤穣一さん著『AI DRIVEN』を読んで
今回は、最近読んだ本の紹介です。
その本は、伊藤穣一さんの最新刊『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』です。
この本を読んで、とくに印象的だった3つのこと(以下)を、わたしの感想を交えて紹介します。
AIは人間の相棒である
生成AIは文脈を読む
AIの最大活用には言語化スキルが必要
AIは人間の相棒である
まず1つ目は、AI は人間の仕事を奪う可能性がある「脅威」ではなく、人間の良き「相棒」となりうる「パートナー」的な存在だということです。
本書にはこんな言葉が登場します。
この言葉の通り AI テクノロジーを上手に使えるかどうかは、わたしたち使う側の人間次第。 AI の特性を理解し上手く使いこなせる人が、きっとこれからの未来で仕事でも私生活でも効率的な生き方がしやすくなっていくのでしょう。
生成AIは文脈を読む
2つ目は、 Chat(チャット) GPT のような「テキスト生成」の AI と Google をはじめとする「検索」との違いについてです。
これらの共通項は、利用する人間側がほしい情報を得るために使うということです。しかしその相違点は、情報の獲得の仕方にあります。本書ではこの違いを「連続性」という言葉を使って分かりやすく説明してくれています。
チャットGPT のようなテキスト生成 AI では、何度もテキスト上でやり取りをしながら自分の欲しい答えを見つけ出していくというプロセスをとります。 言葉のキャッチボールを繰り返し、人間と AI とがコミュニケーションしながら(まさに会話=チャットをするように)ほしい情報に一緒にたどり着くというイメージです。 このとき AI は、人間(質問者)がこれまでにしてきた質問内容や自分(AI)の回答内容を踏まえつつ、経緯や背景を覚えて理解した上で次の回答をしてくれるのです。つまりこれは、AI が過去から連続的につながった事象である「文脈」を読んでいるということに他なりません。
同じ検索キーワードを入力した場合には、毎回同じ結果しか返せない「検索」とは全く異なるものなのです。
AI との 「会話」は、従来の情報収集にもちいていた「検索」とは全く異なるものだと理解して利用することが大切で、この利用者側の理解度と活用スキルの有無が チャット型の生成 AI を使いこなせるか否かを左右する分水嶺になりそうです。
AIの最大活用には言語化スキルが必要
さいごの3つ目は、言語化スキルの重要性です。
本書では「プロンプトエンジニアリング」という言葉の紹介と、その重要性についての解説があります。プロンプトとは AI に命令を出す指示文のことであり、的確に上手に指示を出せる(=よいプロンプトを作成できる)人ほど、 AI から欲しい答えを引き出せるというわけです。逆に、もし指示の仕方が曖昧だったり不適切だと、正しい答えや欲しい答えが得られないということになってしまうので、このプロンプト作成の技術は AI 活用においてきわめて重要なスキルとなりそうです。
これは従来の人間社会でも当てはまりそうです。たとえば会社組織でも、上手に部下に指示を出せる上司の方が仕事ができる一方、指示が下手な上司は部下の能力を最大限に引き出すことができず成果が上がらないことがおおいでしょう。これと同じように、上手に指示を出すという高いプロンプト技術をもつ人ほど AI を上手に活用して生産性や効率を上げられることを示唆しています。
そしてこの上手に指示を出すときに必要になってくるのが、相手に「どんなことを、どんなふうに、どういう感じで」やってほしいのかを的確なことば
で伝える「言語化」のスキルなのです。事実や事象をただ伝えるだけでなく
、要望したいことをこまかなニュアンスも含めて詳細に、かつ表現力豊かにことばにして伝える能力が AI をつかう人間側にもとめられるというわけです。
これまで以上に「言語化」のスキルが問われる時代に突入していくことが、これからの近い未来に予想されます。
まとめ
今回は伊藤穣一さんの最新刊『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』を読んで、わたしが印象に残った以下3つの内容を紹介しました。
AIは人間の相棒である
生成AIは文脈を読む
AIの最大活用には言語化スキルが必要
AI 技術の活用方法だけでなく、AI との向き合い方(考え方、スタンス)も学べる良書でした。
少しでも AI や最新テクノロジーにご興味のある方は、ぜひご一読することをおすすめします。
以上です。
今日という日が、あなたにとって素敵な1日になりますように。
それでは、Have a great day !!!