プロフェッショナルオーケストラのもう一つの顔②
オケ連ニュースVol.113よりスタートいたしました「プロフェッショナルオーケストラのもう一つの顔」、早々に前回お休みとなってしまいましたが今号より復活いたします。札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、読売日本交響楽団の紹介に続きまして、日本フィルハーモニー交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、大阪フィルハーモニー交響楽団の地元、遠隔地域での活動をご紹介いたします。
日本フィルハーモニー交響楽団
芸術性と社会性を兼ね備えたトップ楽団を目指し、様々な社会への取り組みを重要な活動と位置づけています。東日本大震災の被災地で350回以上の音楽活動を行い、2022年に第16回後藤新平賞を受賞。現在は岩手・福島で子どもたちの音楽や郷土芸能などの活動を応援する「東北の夢プロジェクト」も開催、県・市長村や地元企業等との連携が広がっています。
2018年から、がん研有明病院と「がん患者さんと歌う第九」を開始、がん患者、サバイバー、ご家族と医療関係者が出演。ひとり親のご家族の演奏会招待、杉並区では「60歳からの楽器教室」にも取り組んでいます。2018年より、メディアアーティストの落合陽一と、最新のテクノロジーを取り入れて音楽会の可能性拡大を追求しています。聴覚障碍者とともに音楽を楽しむ「耳で聴かない音楽会」ではカンヌ広告賞を受賞するなど社会に大きなインパクトを与えました。
オーケストラ・アンサンブル金沢
本拠地の石川県立音楽堂は金沢駅に隣接し、エキコンや駅中のレストラン、時には新幹線車両内でミニコンサートを実施、県内スポーツチームの大会会場や金沢競馬場での演奏など、広く一般のお客様向けに演奏を聴いていただく活動を継続しています。
「令和6年能登半島地震」の復興支援活動として「がんばろうNOTO」をスローガンに掲げ、被災地に寄り添った活動に取り組んでいます。被災地への訪問コンサートに加え、今秋より新たに「祈り、安らぎ、勇気」をテーマとしたプログラムを被災された方、被災地を応援する方々に届けるために「復興応援コンサート」を来年3月まで11府県で開催しています。
大阪フィルハーモニー交響楽団
2006年から開催している「大阪クラシック」は初秋の大阪を彩るクラシックの祭典で、大阪のメインストリートである御堂筋と水の都大阪を象徴する中之島エリアを中心に、オフィスビルのロビーやカフェ、ホテルなどを主な会場として、クラシック音楽を身近に感じて頂くことを目的に1 週間にわたり開催するイベントとしてスタートしました。
大阪で活動する団体(大阪交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、日本センチュリー交響楽団、Osaka Shion Wind Orchestra)も参加し、これまでの19年間で1,323公演、85万人を超えるお客様にご鑑賞いただいています。
3つの楽団ともに積極的かつ継続的な展開をしており、鑑賞者数のみならず認知度においても非常に高いプロジェクトです。コンサートホールでのフルオーケストラコンサートとは違ったお客様との触れ合いも、地域におけるオーケストラの必要性を感じて頂く重要な役割を果たしています。
2024年11月30日発行
「日本オーケストラ連盟ニュース vol.115 40 ORCHESTRAS」より
▼前回の「プロフェッショナルオーケストラのもう一つの顔」はこちら
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