文字で溢れかえる道
夜の国道沿いを歩いていると、なんか得体の知れない違和感があった。ん?何だろう、この違和感は。
ああ、その正体は・・・道路の表面にペイントされた表示だ!
片側4つの各車線にデカデカと「追突注意」の文字。車線の幅ギチギチに書かれた字のデカさで、広い道路が全て白い文字で埋め尽くされちゃってる。
前はこんなの無かったような気がする。
路面をじーっと見ていると・・・
なんだか文字ではなく、幾何学模様のデザインに見えてきた。
ほら・・・これはもう文字じゃなくて、アートデザイン!?
「ここは危険ですよ」「他の人の迷惑にならぬよう○○しないで」・・・日本は、あらゆる場所で、注意喚起の表示や案内板が溢れている。その多さは世界でも類を見ない気がする。
中国語では、细致(xizhi=きめ細やかな) 、细致入微(xizhi ruwei=微に入り細に入り、の元の言葉)などと言い、日本の気遣いのきめ細やかさに驚きの声があがる。
ただ、この路面表示の場合は、サービスのきめ細やかさではなく、ここでやたら追突事故が起きるなど安全に関わる問題があったから、ここまで派手に書くんだろう。なんとかして追突事故を食い止めたいという、真剣でまじめな狙いが見える。
確かに標識一枚に「追突注意」と書かれても、ドライバーは特に気に留めない気もするし、電光掲示板も金がかかるだけで、ドライバーも単なる交通標語程度としか見ないかもしれない。路面いっぱいに、これだけ沢山の文字で「追突注意」「追突注意」とデカデカと書かれたら、ハッとするだろう。
これまで追突事故が多発したから、このペイントを書いたのか、そして、これが出来てから追突事故は減ったのか。少し気になったので、国道事務所に電話で聞いてみた。
すると、よくわからない、と。で、警察にも聞いてみるので、わかったら後日折り返しお答えします、とのこと。ちょっと聞いてみただけなのに、何という丁寧な対応。恐縮する。
これも日本ならではの「サービス」かもしれない。素晴らしい。
しかし現場への負担を考えると、ちょっと複雑な気持ちにもなる。このきめ細やかさで、疲れ果てていないだろうかと。そして、それは日本社会全体に言えるのかもしれないと、道路のペイントから、そこまで妄想してしまったのだった。
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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
AJ 😀