いじめられた経験から自分嫌い・対人恐怖症に 感情にフタをしている人が「最高の表現」ができるサポートをしていく
2024年に活動15周年を迎えるAJO☆朝チア部。15周年の特別企画として、朝チア部で活動するメンバーひとりひとりのことを知ってもらうべく、個別インタビューを敢行。個性豊かなメンバーの人柄や価値観を語ってもらいました。
今回は2022年春に加入にした、ばんびのインタビュー記事をお届け。セミナー講師として活動しているばんびがチア部に加入したワケとは。(インタビュアー 木村公洋)
命を燃やしたチア部のパフォーマンスに感動
——チア部に知ったきっかけを教えてください
ばんび:チア部を知ったのは2019年。挑戦する人たちを応援する大がかりなイベントで、チア部のパフォーマンスを見たときです。
このイベントは私も登壇者として参加しました。だけど、登壇した私のブースには数人のお客さんしか集まらなくて。私は会場にいる人たちの気を引こうと一生懸命プレゼンをしたんです。それでもなかなか振り向いてもらえなくて、うまくいかなかったんです。
ところが、私の登壇が終わった後に登場したチア部のパフォーマンスが会場の雰囲気をガラッと変えたんです。場をのみ込む一体感もすごいし、メンバーたちも本気で応援しているのがわかるエネルギーを出していた。
命を燃やして全力でパフォーマンスする姿に感動してしまって、感動した瞬間に「私もこんなふうになりたい」と思ったんです。
チア部のパフォーマンスが終わった後、部長のクミッチェルに「すばらしかったです!!」と感動した思いを伝えたんです。
——そのままチア部に加入したんですか?
ばんび:思いは伝えたんですけど、本業のセミナー講師業が忙しくて時間がなかなか取とれなくて、入りたいなぁとは思ったものの、加入には至らなかったんです。仕事が忙しいながらも頭の片隅にはずっとチア部への思いがありました。
そんな中、コロナ禍になって仕事がほぼ全てオンラインになってしまって、時間に余裕が生まれたんです。このタイミングだったら、チア部で活動できるかもしれないと思っていたとき、ちょうどチア部のメンバーオーディションがあるのを知ったんです。
実は私、「チア部に入りたい」と言ったものの、ダンス経験がありませんでした。でも、何もしないで後悔するより、当たって砕けろの精神で受けてみようと思ってオーディションに応募したんです。結果として合格することができて、2022年春からチア部で活動しています。
対人恐怖症の自分が嫌い 自己否定の少女時代
——ダンス未経験なのにチア部に入ろうと思ったのはどうしてですか?
ばんび:全力で自分を表現できると思ったからです。私は小学2年生のときにイジメに遭ってから対人恐怖症になってしまって、感情を抑えながら生きていた時期があったんです。感情を出して話したら、みんなに嫌われてしまうんじゃないかって。だから小・中・高校はそんな自分が大嫌いで、ずっと自己否定をしていました。
抑えている感情を発散させる手段がカラオケでした。ひとりでカラオケボックスに行って、ひたすら歌い続けるんです。自分の感情を思いっきり出す行為が心地よくて爽快な気持ちになれるんです。
大学に入ってからは演劇を始めました。演劇はすごく楽しかったです。自分の感情を素直に表現して演じることで人に感動を与えることができて、感動を与えることで良い作品と評価される。あれだけ嫌いだった自分のことが、少しずつ好きになっていったんです。
辛かった自分が少しずつラクになる過程で、「人がイキイキ生きられるお手伝いを、自分がワクワクできる形でやっていきたい」と思うようになっていきました。それが今のセミナー講師になる原点になったんです。
感情を解放して出てきた「感謝の気持ち」
——ばんびのセミナーは、どんな内容なんですか?
ばんび:「感情の解放」に重きを置いた内容です。
人がイキイキと生きるためには、その人自身が自分を信じられる。夢を明確にできる。その人自身にパワーが宿る状態にする必要があります。
私は対人恐怖症な嫌や自分から抜けだすために、中学生の頃からセラピーやカウンセリング、自己啓発の本を読み漁りましたし、大学では心理学を専攻していました。これに加え、瞑想や合気道もやりました。
それでもなかなか自分嫌いが抜けなかったんですけど、ヒーリングで自分の深い感情を思い切り出したときに、小学生の私をいじめた女の子たちの満面の笑みが意識の中に浮かんだんです。最初は「なんで彼女たちの笑顔が浮かぶんだろう」と理解できませんでした。
でも、次第に「そっか。あのとき自分は辛い経験をしたけど、その経験があったからこそ、今の自分がある。人がイキイキと生きるためのサポートをしようと思うこともなかった」と心から思えるようになったんです。今まで恨んでいて嫌で仕方なかったいじめっ子たちに「この人生を歩んでこられたのは君たちのおかげだよ。ありがとう」と。
この経験をしてから、対人恐怖症は完全になくなりました。セミナーに参加する人たちの多くは自分自身を出せずに感情を内に秘めています。その感情をまずは思い切り出すところからサポートしていくのが私のセミナーです。
——ばんびはチア部の活動をどう捉えていますか?
ばんび:朝チアの活動を通して、最低でも週に1回はエネルギーを全力放出できる場所があるのはワクワクするし、イキイキしている自分がいます。定期的に人を励ましたり応援したりする活動ができるのは、自分にとっての活力にもなっていますね。
私は個人事業主として活動をしているんですけど、組織勤めの人みたいに定期的に同じ人と会う機会があまりないんです。チア部のメンバーは職種も肩書きもバラバラですけど、考えていることや思いは同じなので、一緒にいると気持ちがいいですね!
——今後、取り組みたいことを教えてください。
ばんび:チア部のメンバーとしては、AJOの理念や行動指針、共通認識を作って言語化をしてきました。これでAJOとして目指すところが見えてきたので、今後はそこに向かって突き進んでいきたいですね。
私自身の活動としては「ああ、生きていて良かったな」と最高の自分を表現していける人を増やしていきたいです。過去の私がそうだったように、自分自身が許せない感情を解放することを通してありたい姿を明確にして、ワクワクしながら現実の行動に落とし込んでいく。
私の人生のテーマは「表現」です。人にはそれぞれ最高の形の表現があります。最高の形を見つけるサポートをしていきたいですし、ひとりひとりが表現したいように表現する社会が実現すれば、多様性のあるカラフルな社会につながっていきます。
自分が主催するセミナーやセラピーで、そんな人を1人でも増やしていきたいですね。