ビジネスTips:公開資料とChatGPTの掛け算による時短テクニック
時短、効率化はサラリーマンにとって重要なテクニックだと思います。今回はインプット、特に「情報の大枠を手軽に確認する」手段を書いていきます。
私がよくベースにしているのは、質が担保され、無料でアクセスできる公開情報です。特に日本の官公庁、公的機関、各種業界団体、銀行系シンクタンク、コンサル会社、学術文献、研究結果は本当に洗練されていて、海外で働くサラリーマンの情報キャッチアップを簡単にしてくれています。
一方で、これらの資料はモノによってはページ数が100を超えることもあり、読み切るのは相当時間が掛かるし、自身が担当する国以外について情報収集するのにそこまで労力を掛けたくないという思いもあります。
そこで、ChatGPTの出番。活用方法はいたってシンプルで、「この資料の要旨をまとめて」とか「この資料を踏まえ、〇〇業界に与える影響を推測して」などとプロンプトすると奇麗にまとめてくれます。(投げるのは必ずしも自社業界だけでなく、目の前のクライアントの業界についても質問します。むしろココを押さえるのが目的。)
今日はその実例をご紹介します。
私の場合は週末の隙間時間にこうした公開情報を漁り、資料をダウンロードしておいて、気になるものをバンバンChatGPTに放り込んでいます。
それを月曜日の通勤中にスマホでチェックして、気になるものは実際に資料に目を通すというルーティンです。
たとえば、
みずほリサーチ&テクノロジーズ様の"アメリカ大統領選挙に関する資料"について。トータルページ数は102です。
プロンプト:
この資料の要旨を出来る限り丁寧にテキストでまとめてください。
ChatGPT回答:
要旨
米大統領選の状況
2024年11月の大統領選において、民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏の支持率は拮抗しており、どちらが勝つかを想定しながらビジネス計画を立てる必要がある。バイデン政権の経済状況
バイデン政権下では、コロナからの復興により経済は強く推移しているが、インフレや高金利の影響で低・中所得層の生活は困窮している。バイデン政権は、格差拡大を抑えられず、国民は「内向き」の政策を求めるようになっている。候補者の政策動向
ハリス氏とトランプ氏は、低・中所得層を優先する政策に傾倒する見込みで、外交・通商政策は保護主義的な方向に進むと予測される。特にトランプ氏の通商政策は国内インフレを再び押し上げるリスクがある。日本企業への影響
両候補の政策は、低・中所得層の利益を追求するため、富裕層や大企業、特に外国企業(日本企業を含む)は恩恵を受けにくい。どちらの政権になっても、法人税や関税の負担増が予想されるため、変化に備える必要がある。産業への影響
トランプ氏が掲げる環境・エネルギー政策(特にインフレ抑制法の修正)は大きな影響を及ぼすとされており、対中政策についても大きな方向性は変わらないものの、自国主義が強化される中で、日本企業は米国市場にコミットするか、米国を離れるかの選択を迫られるリスクがある。
資料はさらに詳細な分析を行っており、各候補者の政策の具体的な影響や経済予測も含まれていますが、要旨としては以上の内容が重要です。他に知りたい点があればお知らせください。
こんな感じ。
もう1つもっとボリュームの多い、JETROさんの出している"主要国の自動車生産・販売動向"という290ページのレポートを投げてみる。
プロンプト:
この資料の要旨を出来る限り丁寧にテキストでまとめてください。
ChatGPT回答:
要旨
総論
2023年の世界の自動車市場は、前年に比べて生産・販売ともに回復傾向を示しました。国際自動車工業会(OICA)によると、2023年の新車販売台数は前年比11.9%増の9,272万台、生産台数は10.3%増の9,354万台となりました。この回復の要因として、半導体不足の解消が挙げられます。
主要国の動向
中国: 2023年の自動車販売台数は初めて3,000万台を超え、前年比12.0%増の3,009万台。新エネルギー車(NEV)の販売が好調で、輸出も過去最高を記録しました。
米国: 自動車販売台数は前年比12.5%増の1,601万台。生産も回復し、前年比5.6%増の1,061万台でしたが、新型コロナ禍前の水準には達していません。
日本: 販売台数は13.8%増の478万台、 生産台数も14.8%増の900万台に回復しました。ただし、依然として新型コロナ前の水準を下回っています。
ドイツ: 新車登録は8.1%増の320万台、生産は18.1%増の411万台で、特に電気自動車(EV)の生産が増加しました。
韓国: 2023年の生産台数は前年比13.0%増の424万台、輸出も過去最高を記録しました。国内販売も4.5%増の約146万台に回復しました。
各地域のトレンド
アジア・大洋州: 中国を筆頭に、韓国や台湾でも生産・販売が増加しました。特に台湾ではEVの販売が過去最高を記録し、多くの新しいブランドが参入しています。
北米・中南米: 米国市場は回復傾向にあり、メキシコも生産が回復しました。ブラジルは販売が増加しましたが、コロナ前の水準には達していません。
欧州: EU全体で販売が増加し、新型コロナ前の水準を上回る国も増えています。
中東・アフリカ: 一部の国で電動車の普及が進み、全体的に販売が回復しつつありますが、経済情勢に左右される地域もあります。
結論
2023年は、世界の自動車市場が新型コロナの影響から回復し、特に中国市場が牽引役となっています。各国でのEV市場の拡大や半導体不足の解消が、今後の生産と販売の成長に寄与することが期待されています。また、地政学的な要因や環境政策の変化が、各国の自動車業界に新たな挑戦をもたらす可能性があります。
資料には詳細なデータや国別の分析も含まれていますが、要旨としては以上の内容が重要です。他に知りたい点があればお知らせください。
いかがでしょうか。全ての資料に目を通すというのは無理がありますので、概要理解をこうして簡単に済ませるというのは、やるべきことに集中する時間を創出するためにも重要なテクニックだと思います。
試したことのない方は、ぜひ一度試してみてください。
最後に注意点です。言うまでもなく、全てを鵜呑みにするのはお勧めしませんし、細かい部分は自分で正確に抑えに行くという姿勢は必須です。あくまで使い方は自己判断となりますが、概要をサッとおさえるだけ、また簡単な言葉にまとめるため、という程度に留めていただけると幸いです。
良き一日を。
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