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今日がそのとき?!緊急地震速報の話

今朝、出社してしばらくしたら……9時半すぎに。

!!!!!

けたたましいサイレン🚨!!!

えっ、千葉県南方沖!?

ドア開けて、取り合えず体勢低く。
まだS波は来てない!!!
津波くるかもしれない!
予想震度最大6弱だって!?

んっ?揺れてない……。
震源どこ?深さ30km(速報ベース!)、津波くるかもしれない!

あれー、やっぱり揺れていない。
鳥島深さ60kmか。
そりゃあ揺れないし、津波も大丈夫だわ。

あの辺地震計少ないからしょうがないねぇ。
また、気象庁は誤報の謝罪会見かな。
てか、緊急地震速報の音、変わったね!

東日本大震災の頃を語る……以下略。

*****
以上、あじさいの職場で実際に繰り広げられた会話でした。
(実際にはもう少しマニアックでしたが割愛します。)

こんばんは、あじさい@帰り道です。

今朝は本当に驚きました!
そして、大きな揺れも被害もなく本当にひと安心でした。

今日こそ記事が書けないな……というくらいには思っていたのですが、なぜ誤報が起きたのか?だけ、簡単に書いてみようと思います。

今朝、発生した鳥島地震

図面は気象庁から引用しました。

気象庁から公開された情報

震源・震度に関する情報
令和 2年 7月30日09時44分 
気象庁発表

30日09時36分ころ、地震がありました。
震源地は、鳥島近海(北緯30.6度、東経141.9度)で、震源の深さは約60km、地震の規模(マグニチュード)は5.8と推定されます。
この地震による津波の心配はありません。
この地震について、緊急地震速報を発表しています。
この地震で緊急地震速報を発表しましたが、強い揺れは観測されませんでした。

この地震では、震度1以上が観測されていません。

すでにお気づきの方がいるかもしれませんが、速報から大きく場所が変わっています。

日本の地震計ネットワークは世界一

日本の地震観測ネットワークはこちら!

図面は気象庁より

https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nc/shikumi/shikumi.html

ほとんど真っ赤かまっ黄色!
日本全体多い尽くされています!
日本の地震計密度は大体20km四方に1つと言われています。
これだけ地震計が設置されているのは日本くらいです。

しかも、海にも地震計ネットワークがあるのに気づかれたでしょうか?

東北地方には、東日本大震災のあとに設置された地震ネットワークであるが設置されています。S-netが、三重県と和歌山県沖には南海トラフ巨大地震を対象として海底地震ネットワークDONETが設置されています。

地震の予知は不可能とは言われているものの、モニタリングに関してはかなり力を入れて行っていることが分かります。

これらの地震計があるから、私たちは地震発生前に予測情報が得られます

「あっ、地震だ!」と思った数分後には、テレビやスマートフォンで地震の揺れの大きさや、規模、深さなどが分かるのです。

いずれ書きたいなと思うのですが、実は世界でこのシステム持っているのは日本を含め数ヵ国です!

じゃあなんで誤報が起きたの?

一言で言えば、あんなに地震計はあっても海域や島には地震計がほとんどないからです。

出典:気象庁 気象庁の図にあじさいが震源を加筆。青い印は、緊急地震速報で推定された震源(千葉県南方沖)、左図の×と右図の黄色い印は実際の震源の位置。

左図の震源の辺り(1枚目の❌印)、2枚目の図を確認するとこの辺に観測点がないことが分かります。右図の〇で示した部分ですね。黄色い点も赤い点もありません。

関東の近海で、南北にいくつかの観測点が連なっていますが、このうち、最南端の観測点の東側が当初の震源でした(左図、右図の青い印)。

この辺のいくつかの観測点でP波を検知して、その結果、震源がこの付近であると推定されてM7.2の誤報が出たのだと思われます。
正直、島しょ部の震源推定ってかなり難しいので避けられない話であると思っています。

終わりに、お伝えしたいこと

緊急地震速報は空振りに終わることもありますが、音がなったら身の安全を確保する!これが一番大切です。地震が来なかったら、それはそれで良い訓練になったと思えば良いと思っています。

今日はこの辺で。最後までご覧いただきありがとうございました!

あじさい

余談:2013年に緊急地震速報で誤報を出したとき*、秋の地震学会で緊急地震速報に携わっていた気象庁の方が学会で平謝りしながら発表されていたを覚えています。その後、複数の観測点でP波を検知という方法を取り入れたと記憶しています。いずれにせよ、非常に腰が低く、誤報の後すぐに手法の検討等を含めて対応されていたことが印象に残っています。

雷のノイズって除去がなかなか難しいんですよね。。

*このときは三重県で発生した震度1ぐらいの小さな地震と同時刻に遠く離れた和歌山県で雷のノイズ(大振幅のシグナル)を検知してしまい、大きな地震であると判断してしまいました。

表紙の写真はoldtakasuさんによる写真ACからの写真 でした。

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