自然災害と家とお金:3-2. 地震の揺れで家は壊れてしまうの?
おはようございます、あじさいです。
最近、クーラーを入れて寝ているのにも関わらず、気が付いたら床にぴたっと体をくっつけてネコのように寝ていました。そのせいで背中が痛い。。
くれぐれも熱中症には気を付けてくださいね!
さて、前回は地震が発生すると何が起きるのか?についてお伝えしました。
前回の記事は↓よりご覧いただけます。
前回お伝えした内容をまとめると、
「地震は強い揺れだけでなくて、色んな災害を引き起こしてしまう」
→実は、大きな揺れや津波だけでなく、液状化、土砂災害、火災も発生する
でした。
今日は、大きな揺れによる被害についてお伝えします。
地震の大きな揺れで自宅は壊れるの?壊れないの?
気になるのは、ずばりここですよね。我が家が安全なのか?どうか。
それでは2つ、まず確認しましょう。
1.ご自宅はいつ建てられましたか?
(1982年よりも前の旧耐震基準?それよりあとの新耐震基準?
2000年よりも前?あと?)
1982年というと今から38年前ですね。
2000年いうと今から20年前です。
※年は正確に書くと1981年6月と2000年6月が基準ですが、ここでは分かりやすさを優先します。
2.ご自宅は木造?鉄筋コンクリート(RC)造?鉄骨(S)造?
木造・・・戸建て、アパートなど。
RC造・・・中高層のビルや、マンションなど。
S造 ・・・重量鉄骨なら、高層ビルやマンションなど。
軽量鉄骨なら、注文住宅や賃貸物件など。
(参考):URくらしのカレッジ
最近家は意外と壊れない!?
今回は、2016年4月に発生した熊本地震を例にお伝えしてみます。
■ 木造
震度7のゆれが観測された益城町(ましきちょう)の木造住宅では、1982年よりも前に建てられた家の場合、約30%の家が倒壊しました。
それに対して、1982~2000年に建てられた家は10%弱、2000年以降に建てられた家はわずか2%でした。
また、1982年よりも前に建てられた家の場合、95%は被害が発生していましたが、2000年以降に建てられた家は約60%が無被害でした。
参考まで、木造住宅の被害状況をまとめた図を掲載します。
青は被害なし、黄色は壁にわずかなひび~ひびが多発程度の被害、オレンジは柱や壁にひび、赤は家が倒壊というイメージです。
図の出典:国土交通省交通局「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント
■鉄筋コンクリート(RC)造
鉄筋コンクリート造建築物は、1982年以降に建てられた建物で倒壊が確認されたものはありませんでした!強い!
■鉄骨(S)造
鉄骨造で1982年以降に建てられた建築物の場合、数棟に被害が及んだものの、地盤の影響による倒壊、隣接建築物の衝突によるもの、基準を満たしていない建物でした。
建物を建てるきまり:建築基準法
なんやら「1982年以降に建てられた家は、それ以前に建てられた家よりも丈夫っぽい……」と気づかれている方もいると思います。
建物を建てるときには「建築基準法」という法律を守る必要があるのですが、このときのポイントが新耐震基準、旧耐震基準というものです。
ざっくり言うと、1982年を境に新旧で基準が変わります。
25年前に発生した阪神大震災においても、倒壊した家の多くは旧耐震基準の住宅(1982年よりも前の家)でした。
「安全性を確保するなら、まずは新耐震基準の家をおすすめします。」
築20年以内の家であれば、家の倒壊や被害の可能性はさらに小さく。
※旧耐震の家が必ずしもダメかというとそういうわけではなく、旧耐震の家でも耐震性に優れた家というのは存在します。旧耐震の家の場合は、耐震改修により地震に強くすることもできます。
※木造建築の場合、旧耐震→新耐震のときに壁量が1.4倍に増えているので、地震により耐えられるようになっているんです。
参考まで、新耐震・旧耐震の家と被害の違いが一目でわかるニュース記事があったので、リンクを貼っておきます。
■日経新聞の記事(熊本地震の被害)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO99873060Q6A420C1000000/
家は守られた、命を守るために気を付けるのはこっち
阪神大震災でも、熊本地震でも、多くの方が家具の下敷きになって被害に遭われれていました。大きな揺れが発生すると、下の写真のように家具は倒れてしまいます。
これだけ大きな本棚が寝ているときに倒れてきたら……考えるだけで怖い!
覚えておきたいのは、いつも便利に使っている家具が地震の時には凶器になってしまうということ!
テレビも揺れが大きい場合、飛んできます!
背の高い家具、タンスや大きな本棚を固定をしておくことが、大切です!家具の固定については割愛しますが、家具の固定といえば突っ張り棒が代表的ですね。
最後までご覧くださいましてありがとうございました!
あじさい
参考文献
:国土交通省交通局「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント