大きな街の小さな空の下で
深夜1時前
洗濯物干すためにベランダに出る。
寝静まった夜。
斜め前の窓からは灯り。
外は静か。
空の音、雲の音?
自然の音。
地球が蠢く音がする。
部屋の中の電気音から逃れて、
ともすれば地響きのようにも聴こえる、
ごおおおぉっていう音が心地いい。
地平線のない都心。
遮られる視界。
深夜なのに明るい空。
何もかもが人工的な四角い枠の中で、
それでもただ触れる風だけが、
安らぎをくれる。
遠い緑の街から懐かしい空気を
運んでくれているようで。
もう一度空を見上げる。
まだらな雲。
故郷に繋がっているかな。
あの地ではこの雲がどんな風に見えるだろう。
遠くで点滅する赤い光。
また明日が追いかけて来る。
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