子どものできるできないは見方で変わる①
おはようございます。
昨日、小4次女が羽ばたき始めたヨ!と書いた翌日に、その次女の大混乱の話を書こうとしております。
子どもの成長って0⇨100じゃなくて、行きつ戻りつ、少しずつ。波のようなんだよ・・というのは分かる人にはわかっていただけるのではないでしょうか・・。
さて小4次女が何に大混乱したかというと四則演算の計算の順番です。
()について学ぶはずが、大混乱をきたしました。
彼女の主張は以下の通り。
✖️➗を先に計算するというのは日本語としては分かる。
・12✖️3+55➗11ー10
が12✖️3を先に計算するのは分かる。
でも!
・28+4✖️6➗3ー9
は28+が先にあるんだから 28+4を先にすべきだと思う!!
・・・なんでそうなる?けれども実に次女らしい。
そこには次女なりの理論がありました。
(その感性を言語化するのは私のへなちょこ感性では難易度が高すぎるので割愛)
ただ今回やっぱり9歳の壁を超えているな〜と思ったのは、
以前ならば感情の昂りを落ち着かせてからしか話が聞けなかったのが、
感情が昂る中でも私の説明を聞こうとしたことと、説明を聞いて感情よりも納得を優先したことでした。
今回は2つの方法を試しました。
1つ目は「ここにお菓子が10個あります。3人が2つずつ食べたとすると残りは幾つでしょう」という問題を引き算と掛け算を両方使って式を作ろう」というもの。
10ー3✖️2=6ですね。
これはすんなりできました。
これを娘の主張する+ーが先にある場合はそれを優先すべきという理論に基づいて計算すると、
(10−3)✖️2になり、
元のお菓子の数を超えてくる問題にも気がついてくれました。
これで納得するかな?と思うけれど、それでもなおすっきりしない次女。
根本は何が引っかかっているのか。
結局+−はどの順番で計算しても結果は変わらないという(以前に学んで当たり前に使っていた)知識に✖️➗の関係をうまく追加できなかったから。
前の+−の前提が揺らいで、全体が整理できなかったんですね。
以前noteに書いた、ピアノを右手で弾いてた時にはドレミの音階の方向を理解していたのに、左手が入った瞬間に混乱して逆になった・・のと似た現象です。
これを書いているのは、前回同様似たような事に苦しんでいる子はきっとうちの子だけじゃないと思うからです。
情報が追加されたら全体を再構築しないといけないの。
難なく以前の情報と新しい情報を繋げられる人がいる一方でそこが難しい人もいるの(涙)。
でも教えてくれる先生は基本的には勉強がある程度できた人たちで、そんな事に悩んだことがない。
だから「できていた事が分からなくなって混乱する」というのが想像できない。なぜ具体的な例まで出しているのに理解できないかが分からない。
さてそういう時にどうするか。
一緒に前提を確認しよう!
・+−はどんな順番で計算しても結果変わる?変わらない?
10−9+4=4+10ー9
これはOK?
「分かってる。変わらないって言ってるやん。」
(それが何💢?というご様子)
OK。ではじゃあさっきの問題をちょっと順番変えてみよう。
・28+4✖️6➗3ー9
・4✖️6➗3ー9+28
これは答えが変わると思う?
・・・分からない。
じゃあ一緒に解いてみよう。
娘のいう方法と私のいう方法でそれぞれ解くとどうなるか比べてみようか。
母の説明した方法だと
・28+8−9=27
・8−9+28=27
「答えが一緒になるね」
そうだね。
次女の言う方法はどうかな?
・32✖️6➗3ー9=64ー9=55
・24➗3ー9+28=8−9+28=27
どう感じる?
「先に足しちゃうと答えが変になる」
そうだね。さっきの用意したお菓子の数を超える問題と同じような感じになるね。
ここで最初に確認した+ーは計算する順番を変えても結果は変わらないというのが大事になってくるの。でも✖️➗はそうじゃない。
だから✖️➗を先に計算してそれから+ーを計算する必要があるって分かってもらえたかな?
「うん」
じゃあ他の問題も解いてみようか。
明日は一度一緒にこういう四則演算が入った式を一緒に作って解いてみよう。
「うん」
ということで混乱を超えて、整理がついたのでした。
「過去の前提に新しい前提を加えて、全体を整理する」
おすすめです。
各単元を点(それだけ)で教えられてしまうと、混乱して分からなく子どもたちがいる事を知ってほしい。
理解できないわけじゃないんです。
知能が低いわけでもない。
繋げて全体像を整理する力がその時期に伸びていないだけだからちょっとしたフォローで全然変わっていきます。
実際こういう混乱を起こす我が子ですが、
次女の算数の理解度と考える力はかなり高めです。
算数で言うと、整理力が伸びていない間に混乱が生まれて、
そのまま膨らんで毛糸の毛玉のように自分では解消できなくなる子が一定数います。
それは低学年の間に学ぶみんなが簡単だと思いがちな四則演算の関係性の理解の不足がスタートになっているのです。(=の左右は同じ数になる、などの前提の理解不足)
算数嫌いという子の中に結構このタイプがいると思われます。
(各単元を点で覚えているだけで関係がつながっていないからデータ量が増えて覚えきれない、使えない)
物事をつなげて情報を整理する方法を学ぶ必要がある子がいる。
その子たちは繰り返し問題を解く大量の時間を、整理に使ってあげるだけで理解できることが多いです。プラス定着に回数が必要なタイプは、整理の後にその子に応じた経験値を提供する。
今のところ私が普段意識している一番子供の時間を奪わない、コスパのいい方法です。
けど混乱の悪循環にいる子の中には、悪循環中に経験値をあげて習得するずだった文章題の文章も読めないまま大きくなってちょっと捻った日本語を目の前にするとたとえ簡単な足し算引き算で解ける問題でも解けなくなていたりすんですよね・・。
複合的な絡まりになってしまって、からまりを解くのが大変という事になって苦しんでいる子もいます。
だから算数は「分かるところまで戻ってやり直す」が効果的で重要なのではないでしょうか。
逆に言えば、曖昧な点を解消しつつ進み、それぞれの単元を繋いで関係性を理解できれば難しくはない。
やり方を教えるのだけではなく、どうしてそうなるのかを理解できる学びに変える必要があると思うのはそのためです。
その環境を提供しようと始めた算数教室ですが、実際に子どもたちに接してみると、これは算数だけに限った話ではなく子どもが自分で学べる土壌作りにもつながるなと感じている次第です。
算数って面白い。
次女と一緒に混乱を楽しめて理解につながっていけることが嬉しい。
今日、次女と一緒に問題を作るのが楽しみです。