しつこい痰と漢方薬
2年ほど前から、しつこい痰に悩まされています。酷い風邪をひいたとかコロナに罹ったとか特に原因が考えられないのですが、いつからか、親父のようにエヘンエヘンと威張ったような唸り声を出さなければ痰が切れなくなりました。3年前にはなかったと断言できるのは、あいみょんを聴き始めたその頃、毎日散歩中あいみょんの歌を口ずさんでいたのですが、痰が絡むことはほぼなかったと記憶しているからです。
テレビの健康番組で特集していた副鼻腔炎が原因かも?と思い、耳鼻科に行って検査をしてもらったのですが、鼻と喉に異常はありませんでした。これはレントゲンや胃腸の内視鏡検査するしかないか……と思った時、ふと二十数年前の授乳中のことを思い出しました。
私は母乳を大量生産できるタイプのくせに乳腺が細く、しょっちゅう詰まらせては乳腺炎に罹っていました。病院に行ったら、痛みは鎮痛剤で治めて詰まりは外科処置で開通させるしかないと言われて、泣く泣くロサンゼルスで桶谷式マッサージのできる人を探し、これまた泣けるほど痛いマッサージで解消してもらっていました。日本に帰省した際、地元のママさんの間で評判という元お産婆さんを訪ね、お灸で治療してもらいました。帰り際、そのお婆さんに、「これを乾煎りして5、6粒、一日2、3回食べるといいよ」と言って渡されたのが、ごぼうの種でした。藁をもすがる思いで言われた通り乾煎りして摂り始めたら、以後、乳腺が詰まることが一切なくなったのです。
それまで私は、自然療法とかホメオパシーとかいうものを、「気休めのようなものだろう」とあまり信じていなかったので、子供二人の授乳中ずっと悩まされ続けた乳腺の詰まりをごぼうの種が解消したというこの出来事は衝撃でした。
精密検査の前に、試してみたい。
思い立って、中国系マーケットの隣にある漢方と鍼のクリニックに行ってみました。一歩足を踏み入れたとたん、生薬を収納してある壁一面の棚に、引き出しフェチの私はすっかり魅了されてしまいました。これはホンモノ!と。正直、単純で騙されやすいんです。
丁寧な問診を元に選ばれた漢方薬は、丁寧に煎て飲み、2日目ぐらいから効果を発揮しました。エヘンエヘンと威張らなければ除去できなかった痰の濃度が薄まったのが分かりました。
煎じる過程は、なんとなく魔女っぽくて嫌いじゃないのですが、ものすごく苦いし高額だし、どのくらい続けられるかわかりませんが、もうちょっと続けてみようと思います。