たけのこ@マンガライターが2024年9月に読んで面白かったマンガ!
さて2024年9月に読んで面白かったマンガです。
今月は先月末に読んだマンガが引きつづき最後まで面白かったみたいなところもあったでしょうか。まあそのへんも含めて、新し目のマンガばかり選んでみたので良かったら買ってみてください。
まずはまとめ画像から行きましょうか。どん!
ていうか、このまえマシュマロでも言われましたけど、わたし、そもそも続きを買ってるマンガが多くないんですよね。
基本、広くスタンスを取っておきたいという思いと、お財布事情から、ある程度のその作品が「わかった」と思えたときには、続きを買うよりも、他のマンガに振り分けたほうが……と思ってしまうわけです。まあ主にお財布事情ですね。悲しい。
ああ、上に書いたマシュマロ。もしなにか聞きたいことがありましたら、質問受けつけてますので、お気軽にどうぞ。めんどくさいな……って思うまではマメに返事すると思います(笑
というわけで個別いきましょう!
『ありす、宇宙までも』
各所で話題の『ありす、宇宙までも』です。面白かったですね。
売野機子先生の最新作です。
異国で幼少期をすごしたヒロイン。バイリンガルになれるじゃん!いいね!という感じにはいかず、むしろどちらの言語も苦手になってしまう。それがコンプレックスになっていたところ、ヒーローとなる男の子と出会い、勉強を教えてもらうことに。
そうやってメンターを得て、自分にあった頑張りかたを身につけ、宇宙飛行士になるためにがんばっていく!というお話。
これ、最近はやりの「生きづらさ」ものかなって思いました。
『君と宇宙を歩くために』とかが代表かなって思います。
結局みんないろんな面から「生きづらさ」って感じてると思いますし、そういう部分に共感できる。それに、ど初っぱなから宇宙飛行士になった場面からはじまるので、紆余曲折はあるにしても、いいところに着地することは決まっている。そのカラッとしたさわやかさがまたいいんですよね。
『午後の光線』
そして『午後の光線』。これもすごい作品でしたね。
この1冊で完結かな。男の子同士のカラミもあるので、BLと言っていいと思います。苦手なかたはお気をつけください。
表紙にみられるようなシックな雰囲気。フェチズムをテーマにした作品のような切りこみかたからはじまるのですが、それも内包した大きな愛みたいな空気になり、そのまま怒涛のようなドラマの展開が……
このちょっとした腫れものに触るような、嫌悪感というか……そういう生々しさ、痛々しさみたいな部分が見事に昇華されていた作品でした。名作ですよ。
『ミライライフライ』
北京の美術系大学生を描いた作品です。
連載はアフタですけど、先生は向こうのかたなのかな。中国の文化とか思想みたいなものが、ひょいと顔を出すのも楽しさのひとつ。
あと、あとがきに沙村先生の名前が出てきますことからもわかるように、絵などは特に、沙村先生の影響を受けていることは間違いないでしょう。
「大学を退学した生徒」をおったドキュメントを撮りたいとこころざす主人公。退学する人を追うことで、中国が持つ社会情勢とかそういうものをあぶり出したい。主人公がドキュメントとして追いかけたいと思った面白さは、読者が興味をひかれる部分でもあります。
ドキュメントを作るために奮闘する物語としてのおもしろさ。そして、ドキュメントに映しだされる中国の姿。すごくおもしろかったです。
『黒巫鏡談』
そしてこちらはハルタコミックながら「日韓同時発売!」と宣伝してますね。結局、わたしは目新しいものが好きで、昨今だとインターネットの攻勢によって、いろんな意味で海をこえた作品が、わたしの感性にひっかかるのでしょう。
そして今作。
舞台は1937年 朝鮮。怪奇作家の男性と、黒衣の巫女のヒロインによるバディ除霊?冒険譚といいますか。ヒロインの名前も「崔月子(チェ・ウォルジャ)」ですし、かなり韓国文化に根差した物語。
これが今、日本語で容易に読めてしまうっていう状況には喜びを感じざるえません。とっても興奮します。
『ザ・キンクス』2巻
そして2巻も出ました『ザ・キンクス』。
大半をしめる日常部分は、これまでの先生が描いていた不条理で、スピーディーなギャグマンガとそこまで違うってわけじゃないと思うんです。いや、むしろ日常的というか。地に足のついた日常系ギャグとしてむしろ親しみのある感じじゃないかと。
でも、あの手のかかったタイトル画とか、そこに至るまでの構造的なおもしろさみたいな要素がはいりこむことによって、急にあれ?なにか普通じゃないもの読んでるぞ?と思わされる。
ここに落差があることが、おもしろさにつながってるんじゃないかな。なんて思います。
『南緯六〇度線の約束』
日本で一番有名な犬……といったら何が出てきますか?
ということで南極に残された2匹の犬。タロとジロの物語です。そして、この表紙の少年たちこそが、そのタロとジロであるのです。
獣人?強化人間?みたいなSFであり、ちゃんとアクションです。うめ先生がちゃんとしたアクション活劇描くのはじめてじゃないでしょうか。
このあたりの設定の大きさとか、さすがに先生の新作という強さがあふれていました。
『あと365日の晩餐』
街の中華料理屋の娘と、コンサルの女性による料理もの。
中華料理がメインで、料理ものとしてすごくなにか目新しいとかではないものの、きっちりフリオチのきいたギャグと、キャッチーなキャラクターたちが魅力です。料理もおいしそうですしね。
でもエビチリのフライはきっとひと口目はおいしく食べれるけど、最後まではおいしく食べるられる自信がない中年のわたしです(笑
『薔薇が咲くとき』
高浜先生のことは基本愛しているので、ゲタはいていると言われればそれまでなのですが(笑 面白かったですよ。フランスの原作があるのかな。でも舞台は日本の京都。京都のさまざまな寺社仏閣の様子と、恋のゆくえを描いた物語です。
恋愛ものとして、というよりも、寺社仏閣を描く作品として評価したいと思わされました。日本の作品を読んでいて「THE 日本」みたいなものが出てくる作品って、あんまりないイメージなんですよね。まあそれは自国なわけですし、ある意味当たり前なのかもしれません。でも、わたしたちが知っているかと言われたら以外となじみもなかったり。
だからこうして、違う切り口で日本を見せてくれる作品は貴重ですし、それは面白さにつながりえるものです。
『日本の月はまるく見える』2巻
そしてこちらは中国ですね。
中国でBLを描いていたけれど、規制もきびしく、日本でBL作家としてデビュー・連載を目論む主人公のお話。なんか、我ながら9月は国際色豊かな作品ばかり選びましたね(笑
こちらも日本に素直にくるかと思いきや、また中国に戻ってしまう。でもそのおかげで、向こうの文化とかが見られるし、日本との差も映しだされる。そんな文化の差と、創作物語としての要素がバランスよく混在しているのが心地いい作品だと思います。
『霧尾ファンクラブ』6巻
そして最後は悩みましたが、堂々完結の『霧尾ファンクラブ』6巻を。
霧尾くんを遠くから眺め、ただ霧尾くんを愛でる。そんな孤高の存在霧尾ファンクラブ。次第に霧尾くんとの距離も近くなって、普通に遊ぶようになって。でも実は霧尾くんにはあるトラウマがあるのでした……みたいな。
そんななか迎えた堂々の最終巻。
暗い谷の方向に落ちる一方かと見せかけて、きちっとギャグを挟んで落ちすぎない、コメディ作品であるという一貫した精神性の高さを感じさせてもらえました。素晴らしかったです。
サイン会、行きたかったな……。
なんにしてもまた次作に期待いたしましょう。あ、アニメとか実写とかもやるんでしたっけ。そのあたりも楽しみです!
以上、10作品でした!
その他
そして10作には泣く泣く入らなかった惜しくも枠です。もう気力がないのでリンクだけでお願いいたします(笑
以上になります!
いい作品ばっかりですね。
そしてその他のなかのその他、ということでこの2作品。
呪みちる先生の短編集面白かったですねぇ。ホラー作家の先生がたで、名前のあるかたがたは、やっぱり独特のグルーブを持ってるなって思います。それが心地よいんですよねー。最高でした。
そしてこちらも最高だった『避妊男子』。
海外、フランスのマンガですね。避妊は女性の役割じゃなくて、もっと男性がその役割をになってもいいんじゃないの?という問題的に基づき、ヒートパンツとか避妊手術とか、様々な男性避妊についてを、今一度確認するといったお話です。
そんなのコンドームでいいんじゃないの?
と日本人男子諸君は思うと思います。もちろんコンドームが一般的なのは向こうでも同じなのですが、セックスの頻度が段違いなんですよ。フランスでは、週に平均で2,3回はセックスが行われるとのこと。
さすがにその頻度だとコンドームを使わなくなってしまう気持ちもわかります。一度に一回とも限りませんし、煩わしいと感じる頻度も増えるわけですからね。
そんな状況だからこそ、今一度男性避妊を考えなければ!というこの本は、意義深いものだったかと思います。まあだからそのまま日本に当てはめることはできないとは思いますけど。
ちなみにヒートパンツって検索してみたんですけど、日本の検索エンジンじゃちっとも出てきませんでしたね。それこそ『避妊男子』しかできませんでした(笑
はい!そんな感じの9月でした!
また今月もマンガを読むことにいたしましょう!では!
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