2021年12月 面白かったマンガ
今年の総括の前に書くべきなんでしょうけれど、総括はこちらにすでに書きました。あと「猫マンガアワード」書くとかいって書いてませんのでそのうち書きます。多分。
じゃ、いきましょう。2021年12月に読んでればOKというゆるいルールで、心に残った面白いマンガです!
EVOL
しばらく放置していたのですが、読んでみたら面白かったです。さすがカネコアツシ先生はずっと面白いマンガをお書きなさる。
超能力を持った人が生まれる街で、圧倒的に支持されるヒーローがいた。しかしそんな街のなかでさげすまれ、しいたげられてきた少年少女たちがいた。彼らはある日、自らの能力に気がつきヒーローに反旗をひるがえす。正しいのはどちらなのか。
ちょうどアメコミの「WATCHMEN」を読んでいたところなので、絵柄や話的にも受け入れられやすいところがあって良かったです。
重厚で根底の倫理感に訴えかける強いストーリー。まだ1巻しか読んでいないのですが、もう積んであるので早く続きが読みたいです。
ライチ☆光クラブ コラボレーション
今とときめく和山やま先生と、古屋兎丸先生のコラボ作品。和山先生がもともと『ライチ☆光クラブ』に多大な影響を受けており、その二次創作作品などを多数出していたことから、そのあたりと本家の読みきりをまとめて出したらどうでしょうか、というのが発端らしい。
『ライチ☆光クラブ』に対する絶大な愛を感じるし、ルーツを感じることができる。これがこうなって今の感じにつながっていくのね、という感慨深いものがある。言われてみれば影響を受けているというのも納得。
和山やま先生を好きな人は、この機会に古屋兎丸作品に手を出してみるのはいかがでしょうか。
地球から来たエイリアン(2)
あんまり話題になっていないけれど、私は好きです。
新しい星におもむき、そこを人間に住みやすい星にテラフォームするお仕事。そこには変で危険な生物が多数いる。それを侵略者人間としては安全に「改良」しなければ、この星に移住することができない。
そんなジャイアニズムのような倫理感の揺さぶりをベースにしながらも、斬新で見たこともない新生物とのコミカルなやり取りを楽しむことができる。いいSFだと思う。もっと売れて欲しい。せめてアニメにはなってほしい。
おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!
BLか?という表紙とタイトルだけど、BL要素は基本的に添え物。メインはこの「おっさん」が今もてはやされているLGBTなどの新しい価値観を受け入れていくまでの物語。
未だに凝り固まった価値観の人も多数いるだろうし、成長のストーリーとして面白いと思うんだけれど、この表紙とタイトルで手にとることができるのは、もともとそういうジャンルが好きな人だけ、っていうね。
正直もったいなさを感じる一作です。
BUDDY CAT
もう次2巻でますね。
猫もの。これも猫マンガアワードノミネート作品です。
現実にもいる普通の猫がいつしか進化して、人間のように二足歩行で歩き、服を着て、文明を築くようになった世界。そこには人間は居ません。まるで擬猫化世界のようですが、あくまでも普通の猫が進化した姿。そこで警察官の二人が活躍するお話。
知能タイプと肉体タイプという良くある感じではあるけれど、二人ともいい感じのキャラで、単純にバディものとして面白い。そこに前述の「もとは猫」という設定がスパイスになっていて、ちょっとSFみを感じるところが楽しいです。
アストロノーツ猫
猫マンガアワードノミネート作品2つ目。
宇宙船は密閉空間であり、そこでの活動には多大なストレスがかかる。そんなストレスを解消するためにNASA(ニャサ)が選択したのは猫を持ちこむこと。そうやって宇宙船には猫を愛すための箱舟となったのでした。
宇宙という場所と猫を見事に掛けあわせ、どんなシチュエーションでも猫の可愛さに翻弄されざるえない人類の脆弱さを感じることができる最高の一本。
そもそも私は猫が特別好きなわけでも、猫マンガを愛好しているわけでもないので、私が反応しているのはやはりSF的視点からなのだと思う。そういう設定がきちっと感じられると愛してやまない作品になります。
服福人々―ふくふくひとびと―
これは完全に僥倖でした。
どこで見かけたんだか、買って良かったです。
男性向け「ファッション」をあつかったマンガ。初心者向けで割と売れた作品がありますが、あれは私はそんなに好きではなかったので、これも斜に構えていたんですが、こちらは良かったです。
多分、絵の感じとキャラクターが好きなんだと思います。毎回何かを買いに行くので良くそんなお金あるなぁなんて思いながら、疑似的に物欲をみたし、恋愛方向の話も楽しく読む。
これはほんと、どこがっていうよりもツボにはまったという感じの作品でした。
まじめな会社員
読み切り『普通の人でいいのに!』の爆発力はどこへいったのだろう。
結構いろいろ刺さる人がいると思うのだけれど、やはり前作は「普通の人でいい」とうたってなにやら色々注文をつける様が、良くも悪くもフックになってくれてのだと思う。
そこが今作は「まじめな」だからなぁ。ここは個人的には「普通の会社員」でいってほしかったと勝手に思っていたりする。
なんにしても公式に「生き地獄コメディー」と称される作品もなかなかあるものではなく、えも言われぬ感想を抱くことができるのではないかと思うので一度どうぞ。アルでもレビュー書きました。
蛇足的ななにか
12月に書いたマンガ関連の記事で「今日の注目記事」に選んでいただいたので、こちらも良ければどうぞ。「最近、ヤクザものとかギャルもののマンガ多くないですか?」というところを発端に掘り下げてみた記事です。
まとめ
『ひらやすみ』『怪異と乙女と神隠し』『やくざの推しごと』も入れようと思ったんですけど、面倒くさくなってやめました(笑 どれも面白いです。意外と12月は面白いマンガが沢山ありましたね。
あ、今年のまとめはこちらです。
来年もいい作品に出会えるといいですね。
では皆様良いお年を。