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つながる関係。つながらない関係。【ショートショート】【#7】

私はあなたのために生きている。

あなたは私がいないと生きていけない。

いわゆる「共依存」。そんな関係性だとずっと信じてきた。世の中の人がなんと言おうと私もあなたも気にしてなどいなかった。そこには確かなつながりがあったし、それをお互いにわかっていたのだから。

最初は何の感情もない決められた出会いから始まった。

でも家同士が決めたことでも、それを大事に思うようになることは良くある。あなたとの関係だってそう。今、私はあなたを愛する気持ちには何の偽りもない。

あなたが他の子に目移りすることがあるのは知っている。彼女でもあなたを満たすことはできるかもしれない。でも最後には私のところに帰ってきてくれる。そう信じていたからこそ私は強くいられたのだ。

その日まで、私はずっとそう信じていたのだ。

彼とは寄り添うだけでつながりを確認出来る。

前の子は束縛がキツかったんだって。毎回手間をかけてわかるような形にしてあげないと気がすまない。そのくせだんだんしまりが悪くなってきた気がする、なんて彼は言ってた。

「関係性は気楽で気軽が一番」

そういうあなたには私の方圧倒的に似合ってる。むしろ前の子なんて水と油じゃん。今までよく付き合ってきたねって同情しちゃう。彼には私みたいにそっと手を差し伸べるだけで満足出来る手軽で都合のいい子がいいのよ。お金だってかからないし、ほっとかれてもなにも言わない。

それに彼だって若くてかわいい子の方が好きに決まってるじゃん。

あたりまえでしょ。

「都合のいい時に、都合のいいヤツと付き合いたい」

正直に言えばそういうことだ。

向こうがどんなふうに思っているかなんて関係ない。相手の求める方法を探って、従っていればどんなヤツでも同じようなもの。世の中だいたいそんなものだ。
今のヤツだって、また次若くて気がきくヤツに出会えばさよならだろう。次々に乗り換えて、その時楽しければそれでいい。俺に信念があるとすればそれだけだ。

だからまた新しいモノが出るまでの間、ちゃんと可愛がってやるからよろしく。

俺のケータイの充電器。


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