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たけのこ@マンガライターが2024年12月に読んで面白かったマンガ!

さて、2024年が終わってしまいましたが、わたしはまだ12月のまとめも、年間のまとめも形になっておりません(笑
来年はもうちょっと計画的にいくことにいたしましょう。でも、12月のベスト決まらないと年間ベストも決まらないじゃないですか。困ったもんですほんと(笑

というわけで、まずは2024年12月に読んで面白かったマンガ10選です!まずはまとめから!

ツイート内でも言ってますが、ほんと12月面白いマンガが多くてですね……もうなんか選ぶの超大変でした。泣く泣く10個にしぼったってかんじでしたね。そんな10選です、個別に見ていきましょう!

『生き残った6人によると』7巻

まず、これは固い……と思ったのは、無事完結を迎えました『生き残った6人によると』。

もともと山本和音先生のことは大好きなので、はじまった当初から好きできたのですが、最後まで妥協することなくきっちり締めていただいたので、感無量です。もっと長期連載的に読みたかった思いはありますが、ハルタでの連載だとこのくらいの長さ以上はむずかしさが生まれちゃうのかもしれませんね。
ゾンビアクションものでありながら、極限状態恋愛ものであるというバランス感覚。キャラよし、物語よし、アクションよし、と三方よしの作品でした。

ちらっとどこかで書いたのですが、『生き残った6人によると』は、実写ドラマになっております。
次の朝ドラヒロインであり、こちらも大きな話題になっている『ベイビーわるきゅーれ』の杉本ちさと役も務めた、髙石あかりさんが樫本ビースト役をやっておりまして。こちらもとても素敵なので、ぜひ見てください。


『RIOT』

そしてふたつ目は、田舎の男子高校生が雑誌のもっと薄いやつ……「ZINE」を作ろうと奮闘するお話。
なんでしょうね。この衝動に突き動かされて、がむしゃらに動きまわり、自分のなかにある欲求に気がつき、そこに向かって走り出す。青春……といってしまうには、きらびやかすぎかもしれませんが、少年たちの熱意にワクワクさせられる。そんな作品です。面白かった!


『イズミと竜の図鑑』2巻

そしてこちらは2巻です。
マンガって、別に描こうと思わなければ、背景とか小物とか衣装とかのディティールまで描く必要ってないじゃないですか。もしくは、「なろう」の世界感ように、どこかで見たファンタジー世界でも十分作品は成立します。

でも、そんな借りてきた世界に満足することなく、どこまでも先生独自の世界を構築するその心意気があまりにもあっぱれな作品です。
ドラゴンの造形ひとつとっても独創的ですし、いちいち出てくる小物から背景から、そのすべてが初めて見るものばかり。

ハリウッドのお金のかかったファンタジー大作映画とかであれば、こういう世界感の作りこみってみられたりするんですけど、それに匹敵する圧倒的な熱意を感じることができました。ほんとうにすばらしいと思います。


『成瀬は天下を取りにいく』

人気小説のコミカライズですね。
原作のほうは読んでおりません。読もう読もうと思っているうちにコミカライズが出てしまったので、まあいっかとこちらを読んだ感じですね(笑

成瀬ちゃんという、思いついたことをすぐに実行しないと気がすまない直情型の女の子と、その子に振りまわされる友人による青春物語です。キャラクターの強さがありますから、まるでもともとマンガ作品であったかのような雰囲気もありますね。まっすぐした目線がどこまでもさわやかで応援したくなります。

重くかまえず、スッと清涼飲料水を飲んだようなさわやかさを感じたいときにぴったりです。


『藤子・F・不二雄トリビュート&原作アンソロジーFTHETRIBUTE』

これね、ほんとに名作。1家に1冊づつ置いておいてください。

タイトルのとおりF先生のトリビュートで、有名漫画家の先生がたがトリビュート作品を掲載してくれています。まずはメンツが立派。浅野いにお先生、石黒正数先生、真造圭伍先生、とよ田みのる……等々、とにかく著名な先生がたばかり。

そして、先生がたが描いた「F先生の作品にちなんだトリビュートの短編」とならべて、「先生がたがもっとも影響を受けたF先生自身の短編」がのっているんですよ。
これらを見比べることで、先生がたがどのようにF先生から影響を受けたのかを感じることができるし、F先生のすごさ、そして先生がたのすごさの両方を感じることもできる。

まー贅沢な一冊なんですよ。
大きな本ですし、お値段もあんまりかわいくないのですが、そのぶん中身には存分に期待してもらっていい作品になっていますので、ぜひ!


『【推しの子】』16巻

そして完結の『【推しの子】』です。

結末、物議をかもしておりましたね。で、わたしこっちでもちょっと触れたように、サスペンスとしての結末にはもともとあんまり期待していなかったので、最後まで楽しんで読めました。

単純にアイドルものとしてほんとに楽しかったと思います。出てくるキャラがそれぞれ色んな思いを抱え、ぶつかり合う。そのキラメキがとっても好きでした。2桁の巻数になる作品で、ちゃんと最後までついて行ったの結構久しぶりな気がします。

それだけ毎巻楽しませていただいた作品だったかと思います。お疲れ様でした。また次作も楽しみにしています。


『恋せよまやかし天使ども』4巻

そして4巻にして、また選んでしまった「まや天」こと『恋せよまやかし天使ども』。

いやーだって面白いもの。コマがデカイ。これがね、もう全然無視できない強さになっていることはもう疑いがない。もっとみんなコマ大きくしたほうがいいです。視力の弱くなった大人にもやさしい作りです(笑

いや、もちろんそうやって大きくなったコマに、インパクトの強い絵を入れることができる力量あってこそかとは思いますが、ここまで模範解答のようにコマを大きくされたら追従しない理由がないと思います。


『同志少女よ、敵を撃て』

そしてこちらはハヤコミからの最初の刺客。『同士少女よ、敵を撃て』です。

人気小説のコミカライズですから、中身にはもともと力量を認められているわけじゃないですか。で、絵を描くのはだれ?ってなったら鎌谷悠希先生で、そんなの外れるはずがないじゃないですか。しかも監修で速水螺旋人まで付けたら鬼に金棒以外のなにものでもありません。強い。

話は、ソ連の女子兵士のお話で、『戦争は女の顔をしていない』を思い出すシチュエーション。あちらはベラルーシなので、ソ連のお隣の国になります。かなり状況的には近いものがあるかと。

ここから主人公がどうなっていくかはまだわかりませんが、まあ人気原作であれば間違いないのでしょう。


『南緯六〇度線の約束』2巻

そしてこちらもまたソ連が出てくる(笑
しかも「犬狼兵」と書いて「サバーカ」と読ませるなんて!『サバキスタン』がいまだに心に熱く残っているわたし的にはテンション上がらざる得ません(笑

ロシアが今のような動きを見せるより前から、考えられていた話だと思うので、なにやらここにきて耳目を集めているのは不思議な話ですね。

南極で生き残った犬、タロとジロを主人公とした強化犬少年たちの本格アクションです。先生の高い力量で、しっかりした物語とアクションが同時進行しているので、今後もとても楽しみです。


『今朝も揺られてます』

出たのは9月ですね。でも面白かったから入れちゃいました。

電車でいつも通学路が同じになる男の子と女の子。隣に座ることはあるけれど、学校も違うし、なかなか接点がない。でもどう見ても互いに気になりはじめている。
そしてそんなふたりが主人公……と思いきや、そのふたりを周りで見ている人たちこそが主人公で、ライングループを作り、毎日のようにふたりの恋路を眺めてハラハラしたり、やきもきしたり。この横から見ている人がメインっていう構造がとっても面白いです。

やっぱりツッコミを入れられるので脚色できるというか。ミスリードとかもしやすいから物語も華やかになりますし、楽しい作品でした。


というわけでの10作品でした!

その他

とりあえずその他はリンクだけ。

いやもうだってこのへん面白くて、なにも触れないわけにはいかないという恐ろしい状況だったんですよね12月。
結果としてもうどれも面白かったから平準化してしまったのですけれど。おもしろ~いおもしろ~いああこれもおもしろ~い!ってなってます。マンガってホント面白いですね。


その他のその他

というわけで、その他のその他です。今月とか近いところの発売じゃないやつとかで刺さったものをのっけております。

『トンネル』

イスラエルのマンガです。
いがみあうイスラエルとパレスチナの間にトンネルを掘って、歴史的宗教的に重要なアイテムを発掘するために奮闘するっていうもうこの設定がすばらしい……いやすばらしいというか、それ面白くならないわけないじゃん!みたいな強さがありますよね。

『白頭山大噴火』って映画で火山の噴火を止めるために、南朝鮮の主人公たちが北朝鮮に核兵器を借りに行く、みたいな話があったと思うんですけど(ちょっと自信ない)、それに似たロマンがあります。いや、ほんと一歩間違ったら即戦争なんで、ロマンではないか……

なんにしても、そんな地政学的な楽しさと、エンタメとしての楽しさが共存しているし、読みやすい作品でしたのでぜひ一読ください。


『高台家の人々』

その他のその他、ふたつめは『高台家の人々』。

森本梢子先生のマンガはつまむように色々読んでは来ていたのですが、今更読んだ今作がとっても好きでした。妄想しガチな女の子と、人の心が読めるエリート一族のお話です。

きびしい場面とかでも、頭の中ではファンシーな妄想が舞い踊っている。そんな基本あかるいヒロインの妄想が全編にわたる多幸感につながっていたように思います。告白されたときの妄想とか最高でした。


『快楽ヒストリエ』

そして今年も最後に持ってきてしまったのは、去年に引きつづき火鳥先生の『快楽ヒストリエ』です。
「快楽天ビースト」の巻末で連載という、エロマンガ雑誌のギャグ枠であり、その立場を自覚し、どこまでも自由なギャグをくり広げておりました。くやしい、でも笑っちゃう!みたいなことを素でいいたくなってしまうただのファンです。

また商業本だしてくださったらぜひとも買いたいので、よろしくお願いいたします。


というわけでの2024年12月でした!!!
さて!今年面白かったマンガ!に取り掛かるぞ!

蛇足ですが、今年も「評価されてるけど好きじゃないマンガ」のnote書きましたので、気になったら読んでやってください。4回目になります。


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たけのこ
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)