筋肉とプーチンに抵抗がない人は読んだほうがいい【ライドンキング】【レビュー】【漫画】
さて久々に漫画のレビューを書くわけですけれど、最近の流行といえば、とにもかくにも「異世界モノ」でしょう。
細かな状況は様々ながら、『現代の日本に住んでいた人が、何らかのきっかけで「異世界」に転生して、冒険とかをする』。というのが、「異世界モノ」の大筋パターンでしょうか。
どれが起源……といえるほど明確なジャンルではないながら、昨今、流行っているのは間違いないようで、十八年ぶりに新刊を出した、「十二国記」ですら、「異世界ものじゃん」といわれる始末。おのれ。
どちらかというと雰囲気的に若い子向けのモノが多い印象で、大方は斜に構えて見ていましたが、「これはちょっと面白いじゃないか」、と思ってしまった異世界ものが出てきてしまいました。
それが今日のレビューする、筋骨粒々のプーチンが異世界で暴れまわる漫画。その名も『ライドンキング』です。既刊3巻です。
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「プーチンです」と断定までの記載はないものの、見た目もさることながら名前も意識しているし、ほぼ公式認定といっていいでしょう。
(『ライドンキング』第1巻より引用)
筋骨粒々な大統領は、トラック事故に巻き込まれ、自らの石像の頭につぶされて異世界へ。そんなプーチンさんには特殊な性癖があります。それは様々な動物に騎乗することで快感を得る特殊性癖です。
そして飛ばされた異世界には、現実には絶対に存在しえない様々な動物が山ほどいるのです。プーチンさんが燃えないわけがないのです。
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異世界に行ったら、チート並みの強い状態であることは、異世界ものでは良くある話です。
これもその「よくある設定」の漫画のひとつであるはずなのです。それにも関わらず、大きく2つの要素によって、他の異世界ものを寄せ付けない魅力を備え付けています。
ひとつは好き好きはともかく、非常に絵が見やすいことでしょう。アクションが多いとごちゃごちゃしがちの漫画が多い中、これほど見やすいものにはあまり出会えません。
(『ライドンキング』第1巻より引用)
そして、ふたつ目はとにもかくにもキャラクターでしょう。
そもそもプーチンですから(笑 戦闘にもプロレス技を使ったり、空手の達人だったり、「私も大統領と呼ばれる身……交渉力には自身ありだ」と啖呵を切ったり。交渉は動物を乗りこなすことに快感を覚える、という設定も「キング」らしさを上乗せします。
異世界の設定自体は、ファンタジーの王道設定なのでなんてことありませんが、この二つの要素によって、数ある異世界ものの中で、頭ひとつ抜けている存在なのではないかと思っています。
(『ライドンキング』第1巻より引用)
今更ですけど、異世界が流行りだしたのは「小説家になろう」が、流行りだしてからでしょうか。ちょっとそんな気もしますね。
気が向いたら、その辺をちょいちょい調べてみたいと思います。
とりあえず筋肉とプーチンに抵抗のない人は、秋の夜長に、この「ライドンキング」から異世界ものの魅力を感じてみてはいかがでしょうか?
サムネ画および画像は全て『ライドンキング』一巻より引用。