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たけのこ@マンガライターが2023年8月に読んで面白かったマンガ!
さて8月にわたしが読んで面白かったマンガのお話です。
これ、書いていていつも思うのは、「わたしが読んだマンガ」っていうのが、そもそもすべてのマンガからするとごくごく一部なんですよね。TLとか見てると、見たことも聞いたこともないマンガがやまほどあるわけです。
まあだから、「こんなマンガが好きな人もいるよ」くらいのあれではありますが、お楽しみいただければ幸いです。ではまずまとめから。
というわけでわたしが8月に読んで面白かったマンガ10本です!『漫身創痍』3巻が紙が出てないから書影が選べなかったよ…。1本選ぶなら『8月31日のロングサマー』かその『漫身創痍』か。でもネコ海とかも捨てがたい#名刺代わりの漫画10選 #名刺代わりの10冊メイカー https://t.co/CY3r9ZBpHh
— たけのこ@マンガ (@gGn2Z5Um6iUqvwg) September 2, 2023
結構個性派がそろった8月でしたかね。
わたしが王道よりも個性派を優遇しがちなので当たり前といえば当たり前なのですが。今月は、おしくも選べなかった作品もしたに載せましたので、それと並べるとよくわかります。
ではいきましょう!
『ナッちゃんはテンションで水深が変わる』
最初にえらんだのはハルタからの刺客。
連載ハルタですし、ハルタって感じですねー(笑
水のなかで生活している子たちとかではありません。ヒロインのナッちゃんはどこからともなくまわりに魚があらわれる体質。それもテンションによってその深度が変わり、あらわれる魚の種類も変わる。そんな特異体質なのです。
あらわれた魚には実態がなく、ナッちゃん本人と限られた友人にしか見えません。実態がないのであればなんの意味もないのでは?と思いきや、友人からすると出てくる魚を見ればナッちゃんが今なにを考えているかだいたいわかってしまうわけです。
そんなギスギスしそうな状況を、ひょうひょうと、ほのぼのと見せてくれる作品でした。いいもの読んだ~って気になります。
『ネコと海の彼方』
今月もまた台湾からの刺客あらわるということで『ネコと海の彼方』です。
これ、すこし前に刊行されました『綺譚花物語』の作画をされていらっしゃった星期一回收日先生が作画をされています。こちらは現代劇ですが、繊細なタッチは相変わらずです。
仲の良かったふたりの少女。一緒にマンガを描いたりして楽しく過ごしていた。しかしそんな日は唐突に終わりをつげるのでした……
と、かわいい絵柄ですがガツンとくるクリエイター物語になっています。誤解を恐れずに言えば『ルックバック』と近しいものがあると思いますが、あちらにも負けてないと思いますよ。
『勇者様、〆切です!』
そしてTLで他に誰も買っているのを見かけなかった『勇者様、〆切です!』
これ面白いと思うんですけど、いかんせん知名度が足りていない感じがあるので、みなさんも読んでください。
漫画家の主人公が、修羅場で忙しいときに異世界によびだされて勇者をやる話です。だいたいそんな感じで想像してもらえばいいんですけど、どんなに忙しくてもぶん投げたりしない社会性の高さが魅力です(笑
「異世界で漫画家もの」とだけいうと他にも類似作品あるのかもしれないけれど、楽しいと思うので読んで欲しいです。
『ヤニねこ』
そしてTwitterで投稿されていた時点でなかなか話題でしたね。目をそらせないヒドさを兼ねそろえた作品(笑 いやいい意味でね(笑
定職につかず、家賃を滞納し、食費にこまり、でもタバコ代が優先されちゃって、でも足りなくてシケモクばかり。部屋はヤニで汚れ、タバコの焦げ跡だらけ。いつ火事になってもおかしくない。
仮に中年のおっさんがやっていたら誰も見向きもしないでしょうし、見たくもないでしょう。でも半分ネコの獣人みたいな存在がやっているからギリ見れるという謎のスリルにあふれています(笑
そういう意味では『地元最高!』に近いものあるかもしれません。『地元最高!』と『ヤニねこ』と『FX戦士くるみちゃん』で蟲毒作ったらいかがでしょうか。
『かみまち』
今日マチ子先生の最新作は、家出などをした少女たちがただで泊めてくれる相手を待つミーム、「神待ち」をテーマにした作品。
年端もいかない家出少女。しかもSNSで見ず知らずの人を相手に泊めてもらう家をつのる。そんなことをすればどういう顛末になるかは容易に想像がつくもの。
ただそこでひどい目にあうだけで終わらないのがこの作品の怖さです。世の中の闇の深さを感じられる作品になっております。
こんなにはかなげな線をひくのに、今日先生のマンガはどうしてこんなに心をエグってくるのでしょうか。この作品にはじまったわけではないので、するどい刃をいつでも懐にかまえているのでしょう。
なにも知らずに読むにはハードルの高い衝撃作だと思いますが、強い作品が読みたいかたは是非。
『セーフセックス』
『ギャルと恐竜』などの森もり子先生と『コーポ・ア・コーポ』岩浪れんじ先生によるコラボ作品です。
酔った勢いでホテルに行ったところからはじまる恋愛もの?
初手もそうですが、ざっくばらんで相手の内心も読みあいながら手札切っていく感じがリアルで、大人な駆け引きって感じがいたします。
岩波先生の硬質な絵柄がこのリアルさを際立たせてくれていいんですよね。なにげなくスミはいってるのは好き嫌いわかれるかもしれませんが、まだまだ楽しませてくれそうなので、今後も期待しております。
『天国 ゴトウユキコ短編集』
ゴトウユキコ先生の短編集です。
短編集なのでいろんなお話があるのですが、ゴトウユキコ先生らしいちょっとした「エグみ」を分散して青春物語のなかに忍ばせたような感じでしょうか。
お話によって、青春らしいさわやかさが勝つお話もあり、どちらかというとエグみの残るお話もあり、この微妙な塩梅の作品たちをまとまったかたちで読めたことによる楽しさがありますね。
やはり「エグさとはなにか」ということを理解しているからこそ、その武器を使いこなせるということなのでしょう。すばらしいです。
『叡智なビデオは好きですか?』2巻
突飛なAVを紹介するシリーズ第2巻で、完結巻ですね。
相変わらず誰に需要があるのそれ?と思わせるような突飛な企画AVの数々。いやあくまでもAVなんだから、最終的にカラミとかがあるんならなんだかんだ需要の最低水準は満たすのかしら……と思いきや、作中にカラミはありませんとかいうものも少なくなく、世の中の広さを感じます(笑
『救星戦隊ワクセイバー』という作品が紹介されていて、これが1話から5話まではガチの特撮もの。
DVDで6話が出ており、6話だけ18禁というコアな特撮ファンを一本釣りしようという意欲作。これがYouTubeで5話まで無料で見れるので見てみましたところ結構おもしろい(笑
1話15分足らずくらいなので見やすいですし、そのなかでキャラの紹介とかをやってのける構成のうまさもあって普通に楽しんでしまいました。実際人気あったらしく、第2弾も製作されています。
ここまでくればとりあえず6話は見ねばならないか……と謎の使命感に燃えているところです。
『漫身創痍』3巻
そしてこちらも完結の3巻でした。
ふたりの漫画家がタッグを組み、バチバチにバトルしながらも作品をつくりあげ、なりあがっていく漫画家マンガ。
魂をけずるような熱いやりとりが非常に魅力的だったのに3巻は電子書籍のみの発売ということで無力感に打ち震えております……。こんなに面白いのに。
世の中にはこうして見つからないまま終わってしまうマンガがたくさんあるかと思うと本当にはがゆいです。今からでも誰か映画にしてくれないかな。コミックブリッジ自体がまだ見つかってない感じあるかなぁ……。うう悔しい。せっかく推せる機会があるからわたしが推そう(使命感
『8月31日のロングサマー』
最後をかざるのは8月にぴったりなループラブコメの今作。
毎朝、起きると8月31日の朝に戻っている。
しかもどうやら自分だけらしい。前の日、寝るまでにやったことの記憶はあるものの、8月31日から出ることができなくなってしまった。そんな状況あなたならどうしますか?
唯一の救いは、同級生も同じようにループしていたこと。
彼は自分に心残りがあるからループが起こっている。その心残りを解決すればループから抜け出せるはずだと主張する。なるほどありそうな話だけど、ではその心残りとはなにかというと「童貞を卒業すること」。
1日だけでまったく見ず知らずの人と関係を築くことなんて無理。でもなんの拍子か、彼の前には永遠に8月31日を一緒に過ごせる異性がいる。
そうして彼と彼女の油断ならない8月31日ははじまっていくのでした。
ざっくばらんで、自分の気持ちを隠さない理系っぽい感じとか。そんな彼を気持ち悪いと思いながらも、少しづつ受け入れていく感じとか。なんといってふたりだけで時間は使い放題。ゴール前のキャプ翼みたいなもんですか。
いまいち的確に言語化できていないのですが、この雰囲気が大好きであることは間違いありません。みんなも読もうよ。
その他
10選に入らなかった作品たちはこちらです。
おしくも10選にえらべなかったのはこの辺です。8月は面白い作品が多すぎるよ。#名刺代わりの小説10選 #名刺代わりの10冊メイカー https://t.co/wX8xrNWOeA
— たけのこ@マンガ (@gGn2Z5Um6iUqvwg) September 2, 2023
こっちのほうが本命っぽい感じっていう(笑
『違国日記』もこっちに入っているなんてどういう事態だ?(笑 いやそれだけこの月毎に選んでいるマンガに関しては「新規性」を重要視しているということで、今年の顔は『違国日記』でいいと思ってますよ。
旧作はこれがめちゃくちゃ刺さったというやつは、あったかしら……ああ『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』10冊読んだんですけど、とっても面白かったです。セールなら続き全部買ってた気がします。
そのうちどこかで読むことにいたしましょう。
あとは今年の「CREA夜ふかしマンガ大賞」が出てましたね。
去年は『まじめな会社員』が1位になり、TLがざわついておりましたね(笑
今年のランキングもなかなかいぶし銀といいますか(笑 結構狙わないとこうい並びにならないよなーって思って関心しているところです。
もともと選ぶ範囲が限られているか、それともかなり限られた選書要件があるとか。来年あたりわたしも選ばせてくれないかな(爆
ほぼ全部読んでるし、いいとこつけると思うんですよわたし(笑
どうかよろしくお願いいたします(笑
そんな8月でした!
9月も頑張ってマンガを読みましょう!
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