たけのこ@マンガライターが3月に読んで面白かったマンガ!
というわけでの3月のマンガです!
月日がうつりゆくのが早すぎてヤバイですね。このまま早く苦しまずに死んで、灰になりたいというのが目下の目標です!目標達成のために頑張っていきましょう(笑
いつも長くなるんで今回からは、ちょっとまとめてしゃべる感じでいこうかと思います!さて今月、わたしが好きだった10作はこちら!
『あかね噺』5巻
『自転車屋さんの高橋くん』6巻
『君は世界で一番美しい色』1.2.3巻
『終末ツーリング』4巻
『ビンテイジ』3巻
『サイバーパンク桃太郎』
『一ノ瀬家の大罪』
『蟲愛づる姫君の結婚 〜後宮はぐれ姫の蠱毒と謎解き婚姻譚〜』 2巻
『きみのご冥福なんていのらない』5巻
『鍋に弾丸を受けながら』3巻
――の10作を選びました。
ツイートにもあるように、当初、10選の中にはオカヤイヅミ先生の『あのにめし〜名もなきごはんがいちばんうまい』と奈良崎コロスケ先生の『音楽とおじさん』を入れつもりでした。
この名刺代わりの10冊メーカーだと、紙の本が出ていないものは選べないんですよね。そのため今月は一応12選になります。
というわけで5巻もでました『あかね噺』は本当に面白いです。
もちろんわたしが落語が大好きというのもあると思います。そうはいってもこれだけの強いキャラクターたちと、見せ方の妙を持ったマンガはなかなかないと思います。もう5巻ですからアニメ化ももうすぐでしょうね。楽しみですね(先走りすぎ
そしてドラマもやっていました『自転車屋さんの高橋くん』。地味と言われれば地味だし、暗いと言われれば暗い気もします。でも一歩進んで二歩下がって、また一歩進むみたいな。そんなやりとりが丁寧に描かれていることにこそ、この作品の魅力が詰まっているように思うのです。
『君は世界で一番美しい色』は3月に全3冊が刊行された中国マンガです。今月の1冊を選ぶならこの作品。面白かったです。
中国の片田舎が舞台なのでしょうか。絵が好きで、美大受験を考える高校生の青春恋愛物語です。なによりキャラクターのかわいさでしょうか。そしてもちろん舞台は中国ですから、文化の違いが垣間見えるところも面白いです。
完結の3巻はこれまたなかなか素敵でした。すべてがスムーズとは言えないと思うのですが、言葉にならない感情があらわれていて、ああいう粗削りな表現って大好きなんです。日本のマンガではあまり見られないとも思います。
Golo Zhao先生の前作『毒入りコーラ殺人事件』も電書だけしかありませんが、面白いのでどうぞ。
『終末ツーリング』おもしろいんですけど、いまいち知名度あがらないと思っているので、みなさんもどうぞ。刊行ペース遅いからかな。というかどこでやっているんだろう。
人間がいなくなってしまった日本で、ロボットと一緒にツーリングするお話です。廃墟となった東京各地絵も迫力ありますし、廃墟となってしまった背景がちゃんと見え隠れするような、しないような……。そこに手をかけている感じがしてSFみを感じられるのが魅力です。
『ビンテイジ』3巻も大好きでした。これもあんまり打って響いていない感じがあるので、打ち切りが心配です。古着ものであり、青春恋愛ものでもある。ちゃんとどっちにも行きつつも、どっちかにかたよらないって結構むずかしいと思うんですよね。あと、基本的にわたしはなにかしらの「偏愛」は好きなんでしょう。
『サイバーパンク桃太郎』も良かったですね。全編AIによって描かれた、サイバーパンクバージョンの桃太郎。設定の置き換え方も粋ですし、AIの描く絵は粗削りながら、サイバーパンクの雰囲気にあっていていいなって思いました。
もちろん絵に関しては、崩れていたり、的確なのだろうか?と思うような絵柄がはいっていることもあるのですが、そういう部分をさっぴいても面白い作品だったと思います。たぶん、今、リメイクしたらまた一段すごいものができるはず。技術の革新は日進月歩ですからね。
『一ノ瀬家の大罪』はタイザン5先生の最新作ですね。
電書で読んだときの、ページをめくったときの見えかたとか、そういう最先端の部分にすごく敏感だと思っています。もちろんどんでん返しあふれるお話もすばらしいのですが、とりあえず1巻の段階ではこの技術の高さ……というか、技術をとりこむ柔軟性こそがもっとも評価されるべきかと思っています。
『蟲愛づる姫君の結婚 〜後宮はぐれ姫の蠱毒と謎解き婚姻譚〜』2巻。
原作があってのコミカライズですよね、この作品。そのぶんちゃんとキャラクターとかお話とかが作りこまれています。
あくの強いキャラクターばかりが出てくるのですが、そういったキャラの弱い部分をちゃんと見せる。そういうものを計画的にやってのけていることが素晴らしいです。
『きみのご冥福なんていのらない』も5巻にて完結いたしました。
ゾンビになってよみがえった彼氏は、ドキドキしないと動けなくなってしまう。この設定だけで、さきゆきは長くないんだろうなと感じさせます。そして、実際に5巻という短めの巻数で終わってしまいましたが、タイトルもしっかり回収して、哀愁もさみしさも切なさもすべて内包しながら過ぎ去っていきました。いい作品でした。
『鍋に弾丸を受けながら』はもう3巻ですね。
「現地にいって、その空気で食べるからおいしいと感じるんじゃないの?」という質問に、「そのとおりだよ」と答える先生。そうもともと感想なんてそんなもんなんですよね。そして、今作はちゃんと「現地」の空気と一緒に食べることができるからこそ面白いわけです。すばらしい。
そして電書しか出ていなくて、10選には選べなかったのが『あのにめし〜名もなきごはんがいちばんうまい』と『音楽とおじさん』。
『あのにめし~』はもうなんていうか、ごはんがおいしそう。それに尽きます。ごはんおいしそうなマンガは沢山あるのであれですが、名もなき料理にかんするエッセイとマンガがちょっと乗っていて、ああこんな感じでいいんだなー料理って自由なのかもしれない。なんていうことを思わせてくれるのも魅力のひとつ。ま、わたしは料理はしないのですが(笑
そして『音楽とおじさん』。息子とおじさんの関係を描くことで、80年代、「インディーズ御三家」とか「暴威」あのあたりの時代のリアルな空気感を感じることができます。あの時代に生きたひとにしかわからない空気。そういうものを感じることができる作品はいい作品です。
Kindle Unlimitedだと課金なしで読めます!
どちらも電書しかありませんが、ぜひ読んでみてください。
番外編的に読んで面白かったのは『デビルマン』ですね。
とっても……とっても面白かったです。わたしもこれまで存在はもちろん存じておりましたが、マンガを読んだことはありませんでした。で、あの有名な実写映画を見直した機会に、ひとつ原作にも手を出してみるか……と思い立ったわけです。
読んでみるとこれが面白い。そして実写映画はわりとちゃんと原作より、ということもわかりました(笑 まあ映画に関しては「主役等の演技力が圧倒的にいただけなくて、ちょっとした遊び心も笑えないがゆえに、全編どうにも救えない」というのがわたしの評価です。CGとか話は良かったですよ。
そんな原作は結構ホラーで大作SFな空気感が出ていて読みごたえ抜群でした。結構ちゃんとグロさ、みたいなものが描かれるんですよね。その内面的な部分とかも含めてね。やっぱりアニメの、勧善懲悪ヒーローみたいなイメージが強すぎるんでしょう。一度、原作を読むと印象変わると思いますよ。
岡田敏夫さんも言っていましたけど、この完全版、よりはもとも原作準拠版のほうがいいような気はします……確かにネタバレとか、番外編が間に挟まっていたり、と「興覚め」と評していたことに納得できるところはありますので。
もうひとつ余談がてら書くと、こちらの「STOP!海賊版」の試みで作られたMVがとても素敵でしたので、見ていない人はぜひ見てみてください。
というわけで今月はこんな感じでした。
結局10作品あげると分量へりませんね(苦笑
名刺代わりの漫画メーカー自体は便利なんですけど、5作品とかにならないだろうか。もしくは、紹介も5作品だけにするとかにしようかしら。
悩ましいところですが、来月もなにか書こうと思いますのでよろしくお願いいたします。