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「ロードムービー」的なマンガはなんと呼ぶ?【#マンガの話がしたい】
いやごめん、結論はない。
むしろわたしが聞きたいからこれを書いている。
発端は先日、武田登竜門先生の新作『DOGA』のレビューを書いていたときのことだ。
貴族の王子ヨーテが巡回先で殺されそうになるが、危うく機械の体を与えられることで命は助かる。でも与えられたのは期限つきの命。ちゃんと生き返らないと自分の財産とかを持っていかれてしまう。
生き返るためには海に向かい、人魚に会う必要がある。そのための道案内として雇われたのが、日々生きるのに必死な怪力少女ドガだった。
こうして出自も性格も価値観も違うふたりが出会い、海を目指す旅がはじまっていく。
――というのがあらすじ。要するに「旅」をする話なのだ。いろんな場所におもむき、その土地土地の空気感なども描かれるようだ。
最初に読んだときに「……ああ、なるほどロードムービーね」と、なにげなく思った。しかし『DOGA』はマンガだ。映画じゃない。いくらなんでも「ロード"ムービー"的なマンガだ」と称するのはちょっとなまけ過ぎではないだろうか。
そんなことを考えだしたらドツボにはまった。
――映画の「ロードムービー」に対して、「マンガ」での呼称ってなんだ?
![](https://assets.st-note.com/img/1716347042707-dXEZ2PyOSL.jpg?width=1200)
そもそも「ロードムービー」とは、
映画のジャンルである。旅の途中で起こる様々な出来事が、映画の物語となっている。旅をしているため、場面の現場が移り変わっていくのが特徴
さすがに「ムービー」と冠しているだけあって、「映画のジャンルである」と記されている。
ただ、「ロードムービー」という言葉はここにあるように、「ジャンル」の名前としてすでに定着しているように思う。
「ホラー」とか、「スプラッタ」みたいなあれだ。ホラーマンガとか、スプラッタマンガなんていう言いかたはするのだから、「ロードムービー」マンガといった使いかたをしても必ずしも間違いではないだろう。
ただ、そこに「ムービー」といれられてると、さすがにそのまま使うことに抵抗を感じてしまったわけだ。
では、はたしてなんと呼ぶのが良いだろうのか。
多分、一番シンプルなのは「旅マンガ」ではないだろうか。
しかし「旅」と「ロード―ムービー」にはどうも隔たりがあるように思う。検索してみたけれど、いい例が出てこなかったので個人の感覚になるけれど、「旅」のほうが「目的」が明確にあるイメージだ。
温泉を堪能したり、観光名所を見にいったり。なにか目的があって、それに対して行動する。目的自体を堪能するのが「旅」というジャンルのような気がしている。
タイトルにも「旅」と入ってるものを持ってくるのはちょっとズルい気がするが、アニメ化も決まった『ざつ旅-That's Journey-』などは、目的地を雑に決め、そこに向かって「旅」をしている印象だ。「旅」に出ること自体が目的でもあるだろう。
対して、「ロードムービー」はどうか。
「旅」と同じように目的はありこそすれ、旅をすること、移動すること。そういった道中こそが主眼となって切りとられ、主人公の成長とか、仲間とのいさかいが描かれる。それが「ロードムービー」的な作品なのではないだろうか。
上記した『DOGA』もそうだし、『ヒラエスは旅路の果て』なんかも「ロードムービーだなこれは!」と思ったことがある。
もちろん道中の描きかたや、目的の重さなんて程度の問題で、かなり近い……というか、かぶっている部分があるのは間違いないと思う。
しかし「旅マンガだな」と思うときと、「ロードムービーマンガだな」と思うことがあるので、やはりそこには一定の基準があるように思う。もちろんこれはわたしのなかでの話ではあるけれど。
そんなわけで、どうにも「旅」と「ロードムービー」の間にもへだたりを感じてしまったので皆様に聞いてみた。なにかいい表現ありますか?と。で、「さすらいマンガ」や「旅情マンガ」、「ジャーニーコミック」等々いただいた。
「旅…ではないよね?」という聞きかたをしてしまったので、実際のところ皆様の所感はわからないけれど、おそらく皆様のなかでも「ロードムービー」と「旅」とは違うと感じているのではないだろうか。
しかし、残念ながら、どれも「これだ!」というところまでは至らなかったのも正直なところだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1716347334136-ot18CVMI0n.jpg?width=1200)
そんなわけで結論はでなかった。
それどころか、ここにきて別の疑問がわいてきてしまった。
そもそもマンガにおいて「ロードムービー」的なマンガというのが、もっとも基本的な存在なのではないかと。王道だからこそ逆に名前がないのではないかという疑問だ。
王道少年誌とかだと連載には、人気がある限り基本的に終わりがなくて、ストーリーも必ずしも先まで考えてない(らしい)なんていうのも、わりと普通にある。いっぽうで、だいたい最終目的は決まっていて、例えば「海賊王に俺はなる」とかはわりと序盤でちゃんと提示される。
そして描かれるのは基本その道中だ。
つまりロードムービーの作りこそが、マンガの基本中の基本なのではないかと。だからこそ逆に名前がない。言うなればそれは「マンガ」そのものだから。という仮説なのだ。
もちろん例外はあると思うけれど、マンガというものは基本すべて「ロードムービー」。というのが結論なのかもしれない。
そんなこと言っておきながら最後にもうひとつ疑問置いておこうと思う。
『葬送のフリーレン』って「旅マンガ」だと思います?それと「ロードムービー」マンガ?もしくは単なる「冒険マンガ」?
さあどれ?
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