【お勧め書籍】言葉にできるは武器になる
最近、clubhouseや配信などに登壇させていただくことが増えてきているのですが、その度にお褒めいただくのが
「やっていることがとても分かりやすい」
「説明や表現がうまい」
ということです。
これは、『言語化』ができている、ということだと思います。
私自身、自分たちのやっている事、思っている事、お客様の疑問への回答を、聞いている方にとってわかりやすい表現にかみ砕いたり、言い回しを変えるようにしたり、一言で本質をつけるような言葉を、常に探しています。まだまだ上手に言えていないと思う部分も多々ありますが、比較的言葉としてわかりやすい、理解しやすいようにご説明するように心がけております。
こうなった理由は、実は弊社代表の、稲葉の出汁取り講座にありました。
私は入社する前から稲葉の出汁取り講座を手伝い、何度となく講座を聞いてきました。内容を覚えてくると生まれる疑問もあり、稲葉との対話の中で正しく理解が進んでいくと、稲葉が講座で本当に伝えたいことが見えてきました。
しかし、うまく言葉で表現できておらず、『受講されている方に勘違いや誤解が生まれている』という場面に、多々遭遇しました。
それが非常に勿体なく、場合によっては後からフォローを入れることもあり、『どんなに良いことをしていても、それがきちんと伝わらなければ、ないのと同じになってしまう』と痛感しました。
( ↓ 以前開催した出汁取り教室の一コマ)
稲葉は生まれたときからご実家がかつお節屋で、かつお節があることが当たり前の生活でしたし、子供のころからお父さんの手伝いをして、無意識にも多くのかつお節を見ており、それだけ多くの引き出し(情報)を多く持っていました。
しかし、それはプロとしての知識や目線が初めからインプットされているという事でもあり、一般のかつお節に触れ合う機会の少ない人達とは全く違ったものとなります。そうすると、どの言葉が専門用語になるのか、お客様は何がわからないのか、ということが理解できずに、お客様を置いてけぼりにしたまま話が進んだり、疑問に対して頓珍漢な説明をすることもあったのです。
また、弊社の仕事は<一般的に知られているかつお節屋>とは若干違うところがあり、その違うところが重要で、特に説明したいところでもありましたが、稲葉の目線で見る強調したいポイントと、一般の方にとって惹かれるポイントは違っていたのです。
そこで、どうしたらいいんだろうか?と考えていたころに出会ったのが、このタイトルにある書籍でした。
右上にある文章
「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。
この煽り文句を見たときは疑問が湧きましたが、どんなに言葉を尽くしてもそれが相手に正しく伝わっていなければ、意味がないと考えていた自分にとてもしっくりきました。
内容に関しては、興味を持たれた方がお読みいただくのが良いかと思いますので特に言及はしませんが、言語化するためのプロセスなどが、私にはとても分かりやすく、一般生活の中においてミスコミュニケーションを減らすためにも非常によく使える内容だと思います。
これを読んでから、説明の仕方や表現の仕方を改めました。
私が人に説明をするときは、知らない方が理解できる範疇のモノコトに言葉を置き換えて、徐々に落とし込んでいってから、階段を上がって来てもらうように一歩上の知識を重ねてもらう(又は考える方向に持っていく)ということを意識して、話をしています。
専門的な話をするときは、いきなり話をしてもなかなか理解はできません。
その人の身近でありそうなことに置き換えて、理解や納得をしてもらって、それから当てはめて説明をすると、すごく理解が早いのです。
あとは、言葉をできるだけ平易にすることに気を配っています。
そのためには、まず第一に自分の説明したいことを、とにかく深いところや細部までいろんな角度から見て、考えて、理解をしておく必要があります。
自分でもよくわかっていないものを、人に上手に説明なんて絶対にできません。それから、相手のことを多少なりとも知ること(考え方や知識量や深さ、環境など)で、より相手に適した表現方法を見つけることができるのです。
それには自分自身も色々なことを経験していたり、知っていないとできません。
うまく表現するには、他に語彙力も必要です。
本を読むということは、語彙力を鍛え、それによって自分の表現の方法や幅が広げることにも繋がります。
何かをするときに、一番有効なのは最初のうちは教えてくれる人を良く観察し、やっていることをまねる事です。
相手のやり方や表現方法を一度自分に落とし込み、自分の中でかみ砕いて消化することで、新しいものを構築していく事ができます。
そして自分の中で再構築したものを「自分の言葉で」表現することでより相手にとって伝わりやすくなります。
…なんて言っても、私もそれがしっかりできているわけではありません。
そうしようという意識をもって説明をする事、相手が理解しているかを確認しながら進める事、そういったちょっとした事から徐々に変わっていくのだと思います。
自分の考えていることをただ伝えるだけではなく、それを意味のあるものにしていく事が重要だと思われる方、そしてそれがうまく行っていないと思われる方には、ぜひおすすめしたい一冊のご紹介でした。
文章に残して、後の世代に繋いでいきたいと思っています。 サポートいただけると、とても励みになります。 よろしくお願いします。