珪藻土マットとアジのカルパッチョ。
今朝は早く目が覚めてしまい、朝からお風呂をためてみる。
いつもとは違うピンクのクナイプ。普段真っ暗な時間に自分を慰めるために入れるそれを今日は朝から使うのだ。
特別な日になるに違いない。今日はサボらないことを決めた。
浴室から出て、珪藻土マットの上で体を拭く。
この家に引っ越してきてすぐ。会社の大山さんに勧められて買ったこれは、ベタベタしなくてとてもいい。
洗っても夜までに乾かない分厚いバスマットよりずっとずっと。。。
まだ朝だ。時間はたっぷりある。今日は魚を捌こう。
デニムと白いTシャツを身にまとう。
パトリックのスニーカーを履いて家を出た。夏だ。。。
私が知る限りこの街で一番のスーパー。いつものスーパーは魚たちが『死んだ魚の目』をしているのに比べ、この店の魚たちは目が輝いている。
どれもお刺身にぴったり。
入ると居酒屋さんをやっているのであろう人が魚をどんどん買っていた。
25センチほどのピカピカのアジ。480円と安い。
店員さんを呼び、お気に入りの一匹を指差した。
大きなアジを捌くのは久しぶりだ。
シンクの中で鱗をとり、水で洗ってまな板にのせる。
頭を落として、ぜいごをそぐ、お腹を開いて内臓を出して血合を洗う。
まな板を洗って拭いて。再びアジをのせる。
お腹から包丁を入れる。アジの背骨が包丁を伝って私の右手に存在を伝えてくる。
そして背中側。さっきと同じ感覚を右手で感じながら身と骨を分けていく。
反対側も同様に。。。
最後にお腹の骨をそいで、皮を引く。
新鮮なアジは手で皮が剥けるから、皮を引くのが苦手な私でもできる。
中骨を巨大な毛抜きで抜けば、あとはこちらのもの。
4ミリほどに薄く切って、塩とこしょうで軽くあえる。
昨日のコンフィの油を上から垂らしてビシッと正方形に切ったしそを散らす。
塩の一粒一粒がポツポツと存在を知らせてくる塩味。
鼻から抜けるオリーブとしその香り。
控えめに言って最高。